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オフィス通勤で差がつきそうな予感がしている

コロナ禍で世界中で広まったテレワーク。
みなさん、長年やってみてどうでしょう。テレワークが良い仕事の仕方でしょうか?

2年半以上テレワークをしてみて思いますが、私は圧倒的にオフィス通勤派です。人と会って仕事がしたいです。

ちなみに私の自宅のテレワーク環境はそれなりにちゃんとしているつもりです↓

仕事専用の個室に、NUROで高速通信を確保し、デュアルディスプレイを用意し、キーボードはHHKB、専用パームレストも用意して、ビデオ会議はJabraを繋いでいるのでいつでもさっと話せる状態。椅子はオカムラの椅子に10万円ほどかけました。

IT業界には15年以上勤めていて、東日本大震災の頃にはテレワークでしたし、必要な時は家で仕事をするというのは普通に過ごしてきたので、コンピュータが苦手とか、家だと仕事に集中できないとか、そんな単純な理由でオフィス通勤が良いと言っているわけではないです。
また、誤解していただきたくないのはオフィス通勤が良くて、テレワークにダメだという二元論を主張したいわけでもないです。

では、何が主張をしたいかというと「問題なく出勤できるなら、オフィス通勤の方が効率が良いから、できるだけ行った方が良い」ということです。なぜかと言うと、一言で言うと「情報量の違い」なのですが、観点としては大きく2つです。

一つ目は、「会って話すことによる、時間あたりの情報量」です。
これは会議のシーンを想定しています。オンライン会議の場合、複数の人が同時にコミュニケーションを取るということが難しいです。オンライン会議は"1:N"のコミュニケーションを前提としています。
例えばZoomなどであれば、ブレイクアウトルームという機能を使えば、複数人にグループを分割して、同じ時間にそれぞれで話し合わせるということはできます。しかし、ここで言いたい"1:N"とは、同じ空間で同時に情報発信できるのが1名で、他は情報の受け手に回るということです。
これはブレイクアウトルームを作っても同じで、空間は複数できても、その空間の中で同時に発信できる人は1名となります。

オンラインに限らず、通常その場で話す人は1名ですから、ぱっと読んでも何を言っているかわからないかもしれません。
言いたいのは、コミュニケーションは「言語」の発信と受信だけではないということです。

メラビアンの法則は有名なのでご存じの方も多いと思います。コミュニケーションの中で受け取る情報を100としたときに、言葉から7、話し方から38、見た目や表情といった態度から55の情報量を受け取るというものです。
オンライン会議は、このうちの55を占める「見た目や表情」といった部分が苦手です。発信側は見た目や表情に気を遣っていても、それが届くかは受信側の通信環境やディスプレイの環境によります。
他にも、受信側が発信側の話に対して「よくわからない」という表情を仮にしていたとしても、発信側はそれを感じとることは難しいです。発信側は全体の表情を見渡すことが難しいですし、ましてやカメラがオフにされていた日には聞いてくれているかもわかりません。
また、38を占める話し方も100%充足はできません。いくら声を張って強調して言っても、相手のスピーカーのボリュームなどコントロールできませんし、通信環境によっては部分的に途切れていることもあるかもしれません。このあたりがオンライン会議の限界かなと思います。

対面だとやりとりできることの情報量が圧倒的に違います。同じ時間でやりとりできる情報量が違うということは、仕事の効率が違うことを意味します。仕事はインプットとアウトプットの連鎖で成立しているからです。
10人の会議のうち、1人だけオンラインで参加している時に、いかにやりにくいかを想像すればわかると思います。これがオフィス通勤の方が効率が良いと感じる理由の一つ目、「会って話すことによる、時間あたりの情報量」です。


二つ目は、「同じ空間にいることによる、人を知る情報量と人から得る情報量」です。
「あ、いつもと鞄変えたね!」、「今日のスーツかっこいいね!」、「なんだか今日疲れてそうだね」、「今日は元気そうだね〜」という会話、テレワークの中でどれだけあったでしょうか。もちろんゼロではないでしょうが、オフィスワークと同様の量できていますでしょうか。

例えば、上に書いたような会話の中で、「この鞄、週末買ったんです。アウトレットでセールやってて、別のブランドと比較したんだけど、この赤みがかった色合いが好きだし、大きさも自分にちょうどよくて」みたいな返事があったとしましょう。

この一文に、すごいたくさん情報が詰まっていませんか。
アウトレットでセールをやっていたということから、自分も行ってみようかなという自分の行動に変化が起きるかもしれません。
赤みがかった色合いが好きであれば、この人の誕生日にはそのような色合いの何かをプレゼントしてもいいかもしれませんし、この鞄に合うハンカチをあげてもいいかもしれないですよね。

得られる情報が違うということは自分が取るべき行動も変わるわけで、行動を変えれば、それによって何かまた変化がおきるはずです。こういう何気ない会話で、新しい情報を得て、相手を知ることができ、行動をすることで親密度が上がって、より仕事の環境が豊かになるかもしれませんよね。
何より、こういった社交の場があるのは楽しいものです。これをやれている人とそうでない人で、どちらが仕事でうまくいく確率が高そうか、想像に難しくないですよね。
テレワークが流行って以来、こういった会話ができる瞬間を本当に尊いと思うようになりました。しかしオフィスだとこれが普通にできます。できるならそうすればいい。
これがオフィス通勤の方が効率が良いと感じる理由の二つ目、「同じ空間にいることによる、人を知る情報量と人から得る情報量」です。

しかし、オフィスは一人だけで行っても、↑のようなメリットはありません。せいぜいオフィスの方がネットが速いとか、印刷できるとか、その程度ですね。オフィス通勤の効果を最大化するのは、多くの人がそこにいるという前提があります。
また、子育ての事情、介護の事情、家庭それぞれにさまざまな事情があります。これだけテレワークが常識的な世の中になったわけですから、ワークライフバランスを保つ選択肢としてテレワークを存分に活用すれば良いと思います。
だから、「問題なく出勤できるなら、オフィス通勤の方が効率が良いから、できるだけ行った方が良い」というのが主張です。行けるなら行った方が良い。

世の中はコロナの混乱から抜け出しつつあります。世界は大きく変わり、仕事の仕方の選択肢も増えましたね。
もし、これからの世の中も「人と人との繋がりが仕事を作る」ということが正しいとしたら、これからはどのような仕事のやり方をするかで、その人の仕事の成果を左右する時代になったということから目を背けてはいけないと思っています。テレワークで引きこもっているうちに、得られる情報量に差がついてしまうでしょう。

その意味で、オフィス通勤はやはり合理的なのだなと長年テレワークをした結果として思います。

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