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美しい真珠を前に思うこと

自粛期間中ほとんど真珠を触らずにいました

久々に入る修理の加工も感覚が戻らず怖くて怖くて自粛明けの修理は自分でやれることの少なさに情けなくなり落ち込むことが多かったです。

今月の入り少しづつ感覚が戻ってきて、急に忙しくなる中で落ち込んでる暇や、あれこれ考えてる暇もなくひたすら手を動かす毎日で

ふとぽっかり4連休に入りそれまで止まっていた思考が急に動き出し、ちょっと混乱した連休になりました。

今日慌てて製品を作って、一呼吸置いた時に感じたのは

真珠の製品って難しいな…

でした。

ビーズのように形や色が揃っていれば作りやすいのでしょうが、真珠は一つ一つ形も色も違います。天然の真珠の良さでもあり、悩ましいところです。

黒蝶真珠のように個性が強いものはその個性を活かして作ろうと思うし

アコヤ真珠や白蝶真珠のように、色の薄い真珠は色が揃っていることが前提に来るので色やテリを重視して作る

形も揃っていることがベストだし

傷はない方がいい

正直無理なんです

と言って仕舞えば何も作れません

マルチカラーで作るなら

もっとマルチに

と作る側も考えます

作業の手はだいぶ慣れたもので、使う珠さえ決まってしまえば仕上げは早いのですが、私は毎度珠を選ぶのに苦労します。

どの珠も使ってあげたい

本当は丸くなくたっていい

色むらがあってもいい

いつも【古泉真珠】さんが用意してくれる珠はテリにこだわっているので

ツヤッツヤのうるうるです

ついさっきまで海にいたのかと思うような濡れたような艶感をまとっています

仕入れる珠は真珠屋さん独自のこだわりによって変わります

テリを抑えつつ、形をとるのか

全て完璧な優等生をとるのか

ふと手を休めて、ジーっと今回弾いた(使わなかった)珠を見ていると

この子たちを弾いた理由はなんだろう…傷か…

と、自分なりの基準が見えてきます

大丈夫、いつか君たちもお嫁に行くよ

生まれながらの傷は個性ですから、私がそれを生かせるように作ればいいだけのことです

とはいえ…いつになることやら…

個性個性と言いつつ

私は、丸くて、テリのいい、傷がない

所謂優等生の珠を贔屓してしまうのです

ごめん!!!

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