吾輩は童貞である。魔法使いになる気はまだ無い。④マッチングアプリ編その1

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これは魔法使い化の未来に抗う、アラサー童貞の記録である。
ここからは若干時系列が冗長だったりややこしかったりするので、分かりやすいように編集している。ご了承いただきたい。


筆者スペック

身長:160後半
体重:58kg
体脂肪率:多分16~17%くらい
学歴:私立文系
職業:税金関係
スポーツ経験:バドミントン、水泳
趣味:映画鑑賞(ハリウッドからクソ映画まで)
やらかしたこと:”提携先との飲み会”で独り身弄り勃発、泥酔俺マジギレ

出会いたいが、出会い方が分からない

鬼の風俗連チャンをキメて脳を性欲に汚染されつつもこの世の真理に気づいた俺は、ついに彼女を作るべく一念発起したのだった。

しかしだ。
俺の周りで出会いを求めるなど、現実的に考えてかなり厳しい。

数少ない女友達には皆彼氏がいる。大学のサークルに女子はいなかった。

前職の同期なんぞ連絡先こそ知っていたが二度と会いたくはない。
職場には童貞煽りの彼氏持ちのA子と既婚子持ちのお姉様たちしかいない。

仲の良い男友達は失礼ながら女っ気があるやつが少ない。

リアルではほぼ詰んでいる。

どうしたらいいのか…童貞(厳密には素人童貞)には何が正解なのか分からなかった。

そんな折、とあるLINEが、確定申告の期限が目前に迫り発狂していた(本当に発狂していた)俺のもとに送られてきた。送り主は10年来の友人だった。
彼はベビーフェイスなので、”ベビー”と呼称しよう。

以下、その内容。

ベビー「彼女できた」「対あり」

俺「死ね」

以上である。

…いや、それで終わっては話にならないので、続きも見ていただきたい。

俺「写真よこせ」
ベ「(ドチャクソ美人とニコニコのツーショット)」
俺「…」
ベ「前別れたって話したじゃん?その続きの話をと思って」
俺「申告期限が後二日だからせめてそれまで待ってほしかった(血涙)」
ベ「知らねーよ」
俺「どうやって作ったんだよコレ」
ベ「マチアプ。ペアーズ初めて3週間くらいだね」
俺「どいつもこいつも結婚だの彼女だの辛いナリ~~~~~~」
ベ「おい、ンなこと言ってんならお前来週出て来いよ。マチアプ用の写真撮ってやるよ。”今のお前”なら良いの撮れるだろ」

ベビーは、俺が(見た目だけは)変わったことを知っている。

そんなこんなで拉致られた俺はマチアプ用の写真を撮影し、ベビーの目の前でインストールさせられ、プロフも設定させられた。

こうしてマッチングアプリ編、ペアーズの巻が開幕したのである。

砂漠で水を探すのと同じくらい深刻

こんな言葉を聞いたことはないだろうか。

「女の”良い男いない”は街中で自販機を探しているようなもの。
男の”良い女いない”は砂漠で水を求めて彷徨うようなもの」

──例によってネットの偏った意見だろ?こじらせた奴が言ってるだけなんじゃねえのかよ?

俺は最初そう思っていた。しかしながら。

マジで全然マッチしねえ!!

もう本当に、まるでまったくマッチしない。
せっかくイイ感じの写真をベビーに撮ってもらったのに。

いや正確には30くらいはマッチしたような気がするが…その大半は初手から反応がないか、「適当にやってんだろうなコレ」みたいなのが透けて見えるような子ばかりだ。

ただ、責任転嫁する気はない。

マチアプ初心者で堅物の俺はメッセージを律儀に長々と送るし、興味の範囲が狭いタイプのオタクだったので、話題をうまく展開できなかった。

結局は、原因の大半は俺がつまらなかったor好みでなかったor条件が悪かった(当時は実家に住んでいたし)or単にタイミングが合わなかったということでしかないんだろう。だが…さすがに…。

ちなみに、女の子から来たいいねの大多数は、

・真顔で自撮りさん
・せめて化粧はしろさん
・その抱いてる子供は何だ本当に未婚なのかさん
・会ったらどうせバレるのに加工ばっかりするんじゃねえよさん
・人のツラ見といて自分のツラ見せないのはどういう了見ださん
・鏡見たことある?現実って知ってる?さん
・他、多数のアラフォーのお姉様

俺の条件設定はこうだ。

・タバコ吸わない
・未婚
・年齢24~32(当時俺は27)

俺が勘違いしていたら教えてほしいのだが、現実的なラインだよな…?

外見に関してはそこまでこだわりがないと思っている。
よほどのことがなければ大抵は許容範囲である。(なんか偉そうだなオレ)

主に人気会員ではない子にいいねを投げまくり、それでも尚うまくいかない日々。俺は早々にやる気を失いかけていた。

だが、ある日…

初デート確約

俺はまるで飽きかけのソシャゲのログインボーナスをもらうが如く、1日1回はマチアプにログインするようにしていた。

ある日、適当に投げたいいねで、一人の女の子とマッチした。1つ下の26歳。

別にタイプではなかったが、話も合うし、やり取りしていて楽しい子だった。

初期の頃、別の子に3ラリーでデートに誘って断られた反省を活かし、3~4日ほどやり取りをしてから、見たいと思っている映画が被った段階で、ついに俺は勇気を出して…

俺「よかったら、一緒に見に行きませんか?その後軽くお茶でも」
女の子「私も行きたいです!ぜひお願いします!」

バ ジ リ ス ク タ イ ム 突 入

また童貞が死んでおられるぞ!!

二週間後にデートを控えた俺は、トントン拍子で話を進ませ、カフェも予約した。あとは映画館の席を確保するだけ。

ただそのためだけに有料会員と化した糞馬鹿野郎は、ウッキウキで確認の連絡をした。

俺「もうすぐ公開ですね!この日は大丈夫そうですか?」

……

………

あれ?おかしいな?既読ついてるのに返事がないぞ。

そんなに長文でも打ってるのか?

嫌な予感は当たるものだ。そして、こんな時に打つ長文など1つしかない。

「ごめんなさい、やっぱり会えません。近いうちに社会人予備校に通うことになったので、余裕もなくなってきてうんたらうんたら……」

……

………

俺のゴールデンウィークが、史上最悪の虚無連休へと変貌を遂げた瞬間だった。

あれだけワクワクしていた俺の時間を返してくれないか?

どれだけそう思っても、呪っても、何も得られるものはない。

今思えばマチアプあるあるというか、洗礼を受けたに過ぎないが、散々不作続きの末の一縷の希望が潰えたという状況は、当時の俺の心を折るには十分すぎる火力であった。

──やってられねえ…。

こうしてまたしてもバキバキに心を砕かれた俺は、ペアーズを放置するのであった。

向き合うべき痛みと向き合え

俺が”1回目のマチアプ”で心が折れるまでを書いたが、これを読んでくれている方への警鐘、そして未だ童貞の己への戒めとして、以下を綴っていきたい。

・とにかく機会は最大化しろ。プロフは女の子が興味を持ちそうなことを何か一つでもいいから書いておけ。だが嘘にするな。必ず実践しろ

・見た目を整えて良い写真を用意して、それでもマッチしないのは当たり前。そこまでやってようやく俺たちはスタートラインに立ったに過ぎない

・返事が返ってこないなんてザラ。返ってきてもつまらん返事ならこっちから切ってしまっていい。どうせ会えても盛り上がらない

・一人に執着しすぎるな。無理なもんは無理だ

・誘いに対してもうちょっと仲良くなってからとか言われたらその場で切り捨てろ。時間の無駄

・俺達が思っている以上に女の子は男に群がられている。僅かな瑕疵が致命傷に繋がると思え

・母数が多いということは変な奴も多い

・所詮マチアプとは砂漠から宝石を探す行為だ。土台無理ゲー、理不尽ゲー、死にゲーに挑戦しようというのだから、失敗が当たり前なのだ。フロムゲーを初見ノーデスクリアできる奴がいるかよ?

・その上で自覚できる反省点があるなら、改善していけばよい

マチアプはきっと辛い。俺たちはどこまでいっても選ばれる側だ。
期待を裏切られ続けて、ミソジニーに染まりたくなることもあるだろう。

だが、俺たち童貞が今味わっている苦痛と絶望は、数多の非童貞が遥か過去に乗り越えてきたものなのだ。

彼らが死に物狂いで越えた壁を、一朝一夕でクリアしようというのがそもそもおこがましい話なのだ。思い上がりも甚だしい。

唇から血を流しながら、口から呪詛を垂れ流しながら、心に重しを乗せながら、人間性を削りながら、それでも俺たちは望むのだ。脱童貞を。愛のあるセックスを。そして幸せな将来を。

ならば、挑まねばならない。これからも。

これは魔法使い化の未来に抗う、アラサー童貞の記録である。


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