市販頭痛薬を常用していた患者さんで頭痛が奏功した症例【薬剤師の漢方トリアージ】

五苓散＋葛根湯の組み合わせ

私のかかりつけ患者さんで頭痛が慢性化しており、市販の頭痛薬を以前から常用した患者さんがいました。バファリン、セデスなどなど、頭痛が治まらないので手放すことができないという患者さんがおられました。

薬物乱用性頭痛とは・・・１）

・以前から時々頭痛がある（片頭痛や緊張型頭痛と診断されたことがある）
月に15日以上頭痛がある
・3ヶ月以上前から頭痛薬（頭痛が起こった時の薬）を服用していて、月に10日以上薬を服用している
・今まで効いていた頭痛薬が効かなくなったように感じる

薬剤師は脈診、腹診等できませんが、できる限りの聞き取りをしてみました。

⇒漢方的所見：70台女性、顔少しむくみ気味、肩周りに疼痛あり。手足に冷えあり。ほてりなし。夫との生活でイライラあり。手足末端の冷えあり。以前、婦人科で色々漢方を処方してもらったが、全然効果がなかったとのことでした。

⇒考察：虚証、冷証、婦人科系漢方では効果なかったということからお血ではなさそう。水毒傾向ありか。

⇒アプローチ：市販薬でもだいたい置いてあり、ファーストスチョイスでもある葛根湯を勧めました。

⇒経過１：葛根湯を頓用のように飲んでみて、全然効果がなかったとのこと。

⇒アプローチ２：今度は葛根湯を1日3回毎食前で飲むように指導し、加えて、五苓散も合わせて1日3回毎食前飲んでもらうように指導しました。

⇒経過２：1週間後、「頭痛がよくなったの！今まで色々試してダメだったけど、これを飲んで、市販の頭痛薬を飲む頻度がだいぶ減りました！」とのこと。今は1日2回などで飲んでいるとのこと。本当に感謝され、私自身も自分事にとてもうれしかった事例でした。

加えて、相談がありました。「頭痛は良くなってきてましたが、手足の冷えが残っているんです。」この方は夏でも、冬でも厚着の防寒をされている方でした。

⇒今後のアプローチ予定：末端の冷えや頭痛を考慮して市販でもある当帰四逆加呉茱萸生姜湯を勧めてみようかなと思います！^^

続く・・・

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最後に・・・

薬物乱用性頭痛はニュースにも取り上げらるほど問題になっています。そこで、まずは市販でも試せれるものとして、葛根湯と五苓散の組み合わせをファーストチョイスとして試してみてもいいのではないでしょうか？

かかりつけ医、かかりつけ薬剤師に相談の上、飲み合わせ等について必ず相談しましょう。この記事で、1人でも多くが、頭痛に対するセルフメディケーションの助けになれば幸いです

参考文献：１）

頭痛オンライン