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「自由」の舵は握れているか

最新号のマガジンa quiet dayの正式ローンチを2020年10月20日に控え(現在は絶賛ご注文受付中。通常よりもお安く手に入れられます。)定期的に配信している音声コンテンツ「quiet radio」でも相棒の坂上くんと最新号のコンテンツの裏側やクリエイターさんたちとの関係性について話をしています。この中でまだ公開前になりますが、坂上くんから「どうして12作も長く続けていられるのか?その源は何なのか?」ということを聞かれました。音声収録中に聞かれたこともあり、咄嗟に頭の中に浮かんだ理由の一つでもある「色々な方たちが別の意見を答えてくれて、そこからまた新たな問いや好奇心が生まれているから作り続けられるのかも」と彼にそう伝えました。

その音声収録の後、改めてどうしてこんなにマガジン制作を続けていられるのかということを考えてみました。先ほどの理由が外向きの力による継続の理由だとしたら、内側の理由としてはマガジンを作るという行為の中にある「自由」を求めているからなんじゃないかということが段々と分かってきたのです。思えば、創刊時の2015年頃はまだサラリーマンをしていました。会社に所属をして仕事をするということは、大方会社の意思や方針に従って仕事を進めていくことになると思うのですが、そういう状態や忙しさに拍車がかかると、自分の性格としてはどうしても自分の中から自分の意志みたいなモノが抜け出て行き、中身が空っぽのような状態になってしまうことがよくありました。そんな時に一念発起してマガジンを作っていると誰からの指示でもなく、自分のアイデアで物事を進めていくことが妙に楽しく、会社の仕事の後に制作を始めるので体調はしんどい時もありましたが、心に関しては普段の仕事とのバランスが取れて、とてもいい具合に作用していたのでした。フリーランスとして働く今もそれは変わりません。いつだってマガジン制作の時にはその世界の中にどっぷりと浸かれて「自由」を感じるのです。

「自由」とは「自らに、由る(よる)」と書きます。何の制約もなく解放されることも自由の一つなのだとは思いますが、僕が考える「自由」は自分起因で何かを始めること、進めることなのだろうなと思います。そしてマガジンの中で、話を聞いている北欧の人たちと接していると、この「自由」のことを思い出させてくれるのです。自ら自分の人生の舵を握って突き進んでいる方たちは、自分を信じた現代のヴァイキングとも言えるのではないでしょうか。
そんな彼ら彼女らの姿勢やそこから生まれる声を言葉に変える編集作業をしていると、自ずと自分との対比にもなり、「あ!自分の舵を誰かに握られるところだった」と冷静に気づかせてくれるのでした。
マガジンを手にしてくださったみなさまにも、そんな自由な風景を感じ取っていただけるととても嬉しく思います。

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