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天才と凡人

「天才だから」。この一言でなんでも片付いてしまう。

片付く、つまりこれを言えば終わり。



自分が天才だと思う人がいたとして、なぜその人が天才だと思うかというと、その人の現在地がわからないから。

彼が地平線よりも向こう側にいるから。

彼がその場所に辿り着いたのは、彼のスタート地点が、いや同一のスタート地点から離れた、彼の個性と環境を加算した地点が、その場所に近かった、または、そこからだと道を築きやすかったから、という時もあれば、

彼が目指す場所が遠くとも、ただ遠いということしかわからない状況でも進んだから、という時もある。

あるいは彼にとっては、その場所までの距離など考えたことがなかったが、気が付けばそこにいたという場合も。

しかし、私たちと彼は連続する地面の上に立っている。



自分が凡人だと思うのは、自分の近くにいる人、今自分が立っている場所から見える範囲の近い人を凡人であると定義しているからに過ぎない。その範囲で遠くにいる人を優秀であると自分が思うからに過ぎない。

自分は他の場所にいる人から見れば優秀な人に見えることもあれば、はるか遠くにいる人からは天才だと思われることもある。


天才や優秀に見えるのは、遠くの、かつ前方向にいる人たちであるが、どっちが前でどっちが後ろかという解釈も、個人に任せられている。





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