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【古着】映画「波止場」30年代アメリカのワークスタイルが分かる作品(レイルロードコート、カーコート、ブラウンズビーチ)

映画「波止場」は1954年に製作されたアメリカ映画です。ニューヨークを舞台に、一人の若者が港に君臨するマフィアのボスに立ち向かう作品。主演を名優マーロン・ブランドが務めています。

この映画は50年代に製作されたものですが、衣装は30〜40年代のブルーカラーたちの仕事着が数多く登場します。ビンテージ好きなら古着屋さんで一度は見たことがあるブルーカラーアイテムが続々登場します。古着たちに注目しすぎて内容が入ってこない可能性があるので注意してください。

今から古着たちが登場するシーンとアイテムを見ていきましょう。

30〜40年代 カーコート:30年代の最強の防寒着

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真ん中の男性が着てるコートは、カーコートです。

襟がショールカラーで天然ムートンを使用しており、Pコートのような作りになっています。素材はコットンですが、他にもコーデュロイや、レザーなどが存在します。

車にエアコンがない時代に防寒着として作られたカーコート。30年代の初めには、まだダウンジャケットは作られていませんでした。その時代に天然ムートンを襟とインナーに装備したカーコートは、最強の防寒着だったのではないでしょうか。

30〜40年代 レイルロードコート:鉄道員の防寒着

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真ん中の男性が着てるコートは、レイルロードコートです。

鉄道員が寒いときにカバーオールの上に羽織ったコートになります。コートのポケットから懐中時計などを出し入れするとき、袖とポケットの周囲が傷まないようにレザーを貼りつけました。

補強のためにポケットの周囲に貼ったレザーのデザインは、たくさんのアメカジブランドが影響を受けました。その中でも「リアルマッコイズ」「ブートレガーズ」がデザインを参考にしてコートを作っています。

40年代 A-1 ウールジャケット:最初の飛行服

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マーロン・ブランドが着てるジャケットは、A-1 ウールジャケットです。

A-1とは最初にアメリカの陸軍航空隊で開発されたフライトジャケットになります。それを模倣して大衆向けに作ったのがA-1 ウールジャケットになります。

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A-1 ジャケットはボタン留めと、ジッパータイプが存在します。このジャケットのジッパーは円形の穴が空いてるデザイン。おそらくジッパーの形状から40年代のコンマーだと思われます。

このジャケットはA-1の原型と同じく、袖がリブになっています。原型と同じなのは袖がリブですが、カフスに比べて安値で取引されることが多いです。なんでも原型が高くならないのが古着の面白いところですよね。

チームジャケット:アメリカ人が愛したジャケット

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右の文字が書かれたジャケットは、チームジャケットになります。

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チームジャケットといえば映画「アメリカン・グラフィティ」に登場する不良グループがジャケットの背面に「PHARAOHS(ファラオーズ)」と書かれたものを着ていたのでも有名ですよね。

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アメリカ古着ではチームジャケットは数多く存在します。その中でもカークラブジャケットは人気があり、たくさんのコレクターがいる人気のアイテム。アメリカ古着を発信する第一人者の田中凛太郎のコレクタブルブック「My Freedamn! 5」にも掲載されています。

ブラウンズビーチジャケット:漁師の仕事着

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真ん中で壁の近くに立っている男性が着てるジャケットは、ブラウンズビーチジャケットです。

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このジャケットは10〜40年代のものが存在します。

一番古いタイプになると、ポケットが下ポケ2つ、ボタンの刻印が「Brown’s Beach」から「Beach」に変わります。

最古のブラウンズビーチジャケットは、古着屋さんでは富山の名店「FOREMOST」で1回しか見たことがありません。

たぶん最古のブラウンズビーチジャケットは今後も見つからない絶滅服だと思われます。

B-15 フライトジャケット:コットンを使用した最後のフライトジャケット

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マーロン・ブランドが着てるジャケットは、B-15フライトジャケットです。

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襟元に大きなチンストラップと、フロントジッパーが真ん中ではなく少し右側に付くのが特徴です。

B-15はフライトジャケットの素材でコットンを使用した最終形になります。B-15Aもコットンでは? と思う方もいると思いますが、化繊が混じっています。そのため、着込んでいくと生地が毛羽立っていきます。

いかがだったでしょうか?

アメリカのワークスタイルと言えば、ワークキャップにカバーオールの中にシャンブレシャツを着て、ペインターパンツという組み合わせを思い浮かべるのではないでしょうか。
この映画では私たちが想像していたワークスタイルではなく、ただ単に防寒着としてレイルロードコートや、カーコートなどを着込んで働くリアルな労働者の姿を感じることができます。そして、ニューヨークが舞台の波止場に、ニューヨークが発祥のワークブランド「Brown’s Beach」が登場するシーンなんて古着好きには堪らないですよね。

映画「波止場」に興味が出た方は、ぜひご覧になってください。


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