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「外貨」を獲得できているか?
「うちの関連会社で、一番すごい会社はどこか知っているか?」
ある日、H先輩に聞かれた。
「うーん、やっぱり(一番売上の大きい)A社ですかね?」
と私が答えると、違うという。
「正解は、B社」
少し意外な感じがする。それほど、売上も大きくないし、利益も出ていないという印象だ。
「なんで、B社なんですか?」
不本意そうに、私が質問すると…
日々、売上や利益を追いかけていると、否、追いかけているから、気づかないときがあるが、ちょっと引いて遠目から見てみると、獲得した売上や利益が、結局、同じ会社の部署間や、グループ会社間、もう少し引くと業界内の同業者間でぐるぐるまわっていることがある。
自社にとっての受注は、他の同業者における失注であり、自社にとっての販売価格の値上げは、売り先に取ってみると仕入価格のアップとなる。
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これは、これで自社を、自社の社員を守るためにはゲインし続けなければいけないのだが、自然そうなると、同業者としても、そうは問屋が卸さないわけで(問屋業じゃなくても)、対策を講じられ、下手したら倍返しされてしまう。
たとえば、予算の上限が100と決まっている仕事があるとする。
これを関係する会社間で予算を配分する際に、3社で30、30、40と分けるとする。その配分が割に合わないと思ったら、他社の取り分を削ることになる。40、25、35みたいに。後者2社は渋々許してくれるかもしれないが、もともとが余裕のある予算の設定じゃないので、なにか市況の変化があれば、簡単にギブアップしかねない。
「端から、設定が無理なんですって!」
よくある話だ。
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そこで、そもそも、10を外から引っ張ってこれないか?考える。
100を100+10の110にする。
肝心なことは100を出してくれる人に110をお願いするのではなく、10はどこか関係ないところから引っ張ってくることだ。もちろん、無理くりではなく、納得づくのスマートなカタチで。
これを実現する想像力、発想力と、そして実行力。
従来の社内間、他社間での調整力ではない、外から予算を引っ張ってくる交渉力。それが、今求められている営業力のような気がする。
冒頭の話。
「小西な、あの会社だけが、外貨を獲得しているんだよ」
実はB社以外は、メインの取引先は親会社の取引先。親会社の代わりにサポートを提供しているBtoBの取り引きだ。
それに対してB社だけが、唯一、メインがBtoCであった。
もちろん、当時はどれも必要な機能ではあったが、今考えてみると、あえて規模としては目立たなかったB社へのテコ入れを図っていたら、違う風景も見えていたかもしれない。
今となっては結果論だが、当時の先輩は、果たしてそれを見越していたのだろうか…。
この1年で、あなたはどれだけ外貨を獲得できましたか?
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