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提案の流れを止めるめんどくさがり屋のダメ担当は、ポストだと思え

「へー、こんな感じで見られていたんだ…」

立場が変われば、視点も変わり、いろんな発見に気づく。

ずーっと営業する側にいたが、ここ1年半は、総務、財務、労務といった管理部門の管掌となったため、自然営業を受ける側になった。

元ワイキューブ社長の安田さんも言っていたが、本郷猛でどれだけ鍛えても限度がある。仮面ライダーに変身するに越したことはない。そういう意味では、営業し続ける環境では到達しない、営業をしない、むしろ営業をされる環境にいることでオリジナルな変化ができたらなら、ありがたいことである。

自分も、今後、起業し、再び営業する側にもまわるわけだが、その1年半の経験での気付きを生かして取り入れていこうと思っていることがいくつかある。特に、Withコロナの時代は、営業様式もガラッと変わる。もう、従来型のスタイルでは、ちょっと厳しいと思う。もし、皆さんの参考になれば。

先ず提案資料に関して。

先ず提案先の担当者は、どこの誰なのか?経理?営業?労務?経営者?商品やサービス内容にもよるだろうが、その提出する提案が、その先、どこに流れて、誰の決裁が必要なのか?知っておく必要がある。もちろん、社長が提案先で、そのまま社長の判断で決まる案件ならいいが、だいたいは、社長や役員、上司への説明、根回しが必要なケースが多いはず。

基本、営業は「招かれざる客」である。どこの誰に営業するにしろ、相手は(まともな会社であれば)忙しい。さらに困ったことに、世の中、常に革新を求める人間など皆無で、変化を望まない人間がほとんどだ。だから、そういう人間の目を通すと、営業はときには「余計なこと」をしてくる人種なのである。また、いろいろとチャレンジする意志はあるが、常に忙しそうで、決裁者への説明がなかなか進んでいない担当者もいる。

上司:「〇〇くん、あの案件、先方から回答あったか?」

部下:「すいません、何度も急かしているんですが、毎回『もう少し待って』ばかりで…」

上司:「言い方が甘いんだよ。もっと具体的に、納期を設定して、何度もしつこく催促し続けろ」

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そういう担当者なら、いっそのことスキップして、その上司や経営者と直接交渉したほうがいいかと思う。が、そうはいっても、それはそれで、へそを曲げて、今後の仕事で意地悪をされても面倒なことになる。筋を通す、ってやつだ。

そこで、今一度、相手の側に立って、何が起きているのか?を考えて欲しい。まあ、やる気のない、めんどくさがり屋の担当者を急かすのはいいが、中には急かすことが命取りになることもあるだろうから。

自分はどうだったかというと、ご多分に漏れず、案件が滞りがちであった。本当すいません。やらなきゃいけないのはわかってるのに。ただ、開き直るわけではないが、言わせて欲しい。滞る側も悪いが、滞らせるやつも悪い。

逆に、営業する側に考えてもらいたいのだが、せっかく作られた分厚い提案資料。あれを、担当者は上司の前で1ページ1ページ説明していると思いますか?もしくは、預かった担当者がそのままポイッと、上司の机の上に置いてお終いとしていると思いますか(中には、そういう担当者もいそうだが)?

人によって、いろいろなやり方があると思うが、私はこうしていました。上司も忙しい。まあ、どうでもいい提案であれば、こちら段階の判断で破棄する提案もあるが、中には会社としても検討をしたほうがいい提案もある。その場合、こちらのほうで預かった提案書を基に、A4のコピー用紙1枚に提案内容を要約する。それを基に、面談で説明をする。もちろん、分厚い提案書は持参するが、あくまで補助資料。1枚の説明で上司が却下することもあれば、それに関心を持たれて、あらためて詳細の打ち合わせに移ることも。

そのA4の1枚のサマリーの着手がなかなかできないから、次に進めないのである。その、まとまりのない、自己満足の、分厚い提案書のせいで。

いやいや、次進まないから早く作れよ、っていうなら、お前が作ってこいよ、ってこと。

ってこともあり、提案いただく場合は、事前に内容を別に1枚にまとめてもらうことをお願いしていた。面談後は、それに、補足箇所を、こちらで手書きで書き加えサマリーとして完成。そのまま、それを用いて、上司と打ち合わせ。こうなると、良くも悪くも、会社としての判断のフィードバックは早くしてあげることができる。もちろん、提案時に、まとめるのが面倒ならまとめなくてもいいけど、そういう会社の提案は、まとめた会社よりも後回しになる、ってことである。

もう、なんていうか、お客さんへの提案書ではなく、お客さんの社内資料。その社内資料のアウトソーシング。だから、喜ばない担当者はいない。

だから、提案資料は、提出先の担当者だけを思い浮かべて作らないことである。担当者を透かして、その先の判断を仰ぐ上司もターゲットとして作成する。もっというと、担当者が上司と相談しているシチュエーションを思い浮かべ、あたかも自分がそこに同席しているかのように、作成する。担当者が、強調して欲しいことを強調してくれているか?質問に的確に答えられているか?担当者の口を通して代弁してもらう。いたこみたいなものだ。

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仮に担当者が、もっとレベルの低い「ちょっと困った」人なら、もういたこどころか、彼をポストと思うことだ。ポストに投函された提案書を、そのまま上司の机の上に置いといてもらうことを依頼する。だから、これも分厚い提案書だけではいけない。忙しい上司がパッと見て、「この提案を自分の判断でゴミ箱行きにした場合、万が一、この先、『この案件は、当社はどこからも提案を受けていなかったのか?』となったらマズイ」と思わせることだ。キラーワードをアチコチ散らしておく。バカな上司でなければ、

「〇〇くん、ちょっと、この会社、一度話を聞けないかな」

となるはずである。

提案は、止めている相手だけが悪いのではない。止めさせている、自分にも問題があるのでは?

こう思うことで、見えない景色が見えてくる。

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