【前篇:課題抽出編】 あなたの組織が「リモートにどれだけ対応できているか」を点数化できます - チームビルディングインフラを展開する我々が考える、リモートで生産性が落ちる理由

「リモート疲れ」が加速している

特に非対面であるため「コミュニケーション」観点で、ストレスが溜まるという話を聞く。

企業のリモートワーク期間が、この先どこまで継続するものか不明な現状だが、「いつも通りの労働環境にすぐ戻れる」ことを見越している会社もいれば、「もしかすると数年レベルでこのリモートワークが継続する?」と真逆の考えを持つ企業もある。

リモートワークにおけるマネジメント」(「リモートマネジメント」と弊社では勝手に呼んでいる)は、もはや一つの経営カテゴリーとなるレベルの難しさだと実感しているが、そんな「リモートマネジメント」について、チームビルディングインフラを展開している弊社O:が実際に取り組んだり、(サンプルは少ないが)周囲の会社にヒアリングしてみてわかったことがある。

強いチームは、リモートワークにも強い」ということ。

ここで書いている強いチームとは、「優秀なプレイングマネージャーが1人で生産性を支えている」チームではなく、「チーム目標を皆で共有し、誰か1人に負担が偏るこくなく、仕事の相互授与やお互いの人格の相互受容ができている」チームを指している。

※ちなみにマネジメントの神様P・F・ドラッカーは、チームが生まれる条件として上記の要素を示唆している。

リモートで成果を出すために「チームビルディング」スキルが重要だと続けて記載するが、「チームビルディング」の要素と、「リモートワークで生産性をあげる」要素は似通っていることが判明した。

リモートで課題を抱えている会社の特徴を列挙してみる。

「うちはリモートがうまくいっていない」と自ら話す、スタートアップから数百人規模10社の経営者や現場マネージャーの方々にヒアリングし、問題点を整理してみた。

■リモートワークに課題がある企業の、思考における共通点

1)オフィス勤務時と同じ方法で、仕事を投げている
2)マイクロマネジメント(成果のみでなく、手段について細かく管理)を取り入れている
3)管理者の能力は問わずに、とにかく管理職にリモートでのマネジメントを依頼している
4)「仕事の成果」ではなく、「仕事を実行させる事」にフォーカスしている

■リモートワークに課題がある企業の、運用における共通点

1)勤怠管理を徹底している
2)報告連絡を密に求めたり、1on1、web飲みを週に1回以上実施している
3)個々の役割が明確でない
4) 本来の役割を超えて、できる人に仕事が集まりやすい
5)不平や不満などを「普段からコミュニケーションを取りやすいメンバーのみ」で共有している
6)公私が一体化しやすい(プロジェクト管理されてない)

■リモートワークに課題がある企業の、マネジメントにおける共通点

1)メンバーとのコミュニケーションを重視
2)メンバーのモチベーションを重視
3)目的が共有されていない(チームが形成されてない)
4)成果よりもミスに目がいってしまう
5)メンバーの仕事の成果に対するフィードバックを実施しない

これらから仮説として感じたこととしては、下記である

・「成果」ではなく、「手段」を重視することで失敗する確率が上がっている可能性が高い。

・マイクロマネジメントはリモートワークでは非効率なだけでなく、管理コストが高くつき、また相反するモチベーション管理の実践も行わねばならず、マネージャーに求められるスキルが高度化する。


ただの「在宅勤務」から、生産性を挙げていく真の「リモートワーク」へ

上に課題を列挙してみたが、もし自社もあてはまるかも?と思った方は、平常時にも同じような問題が実は発生していた可能性が高いのではないかと思う。

ただ、これらの課題は工夫すれば、どんな企業でも解決できる問題だと私は思う。

繰り返すが、列挙したリモートワークで生産性が落ちる要因は、まさに「チームが構築される要件」と酷似しているので、「チーム構築」を意識すれば、下記に記載するようなリモートワークの大部分の問題が改善するのではないかと思っている。

①役割認識が曖昧になりやすい
②目標が設定されていない、もしくは共有されていない。
 ※特に「前提」「目的」「期待するアウトプット」「期限」
③ノンバーバルコミュニケーションに頼りすぎている

実際、弊社はリモート化しても生産性が逆に上がっているが、これは自社サービスを自ら使っていることもあり、チームを意識的に構築しているためかもしれない。

そういった「チームビルディング」という観点で、次回「生産性を高めるリモートワーク」の実践法について書きたい。

遠隔で楽になったと感じる従業員は恐らく相対的に非常に多いと感じているが、対極的に、私と同じ中小の経営者やそれに準ずる方は、今の状況が続くことに、絶望に似た感情を抱いていることは容易に想像がつく

非常に辛いかと思うが、その一助になれればと思っており、これからリモートワークを実施する企業の方にも使えるようなものを目指したい。

リモート対応せずに仕事ぶん投げ状態の「在宅勤務」ではなく、生産性を落とさない「リモートワーク」に移行する方法論については、引き続きこのブログで多角的に発表できればと思っています。

【最後に】付録 「リモート生産性スコア診断」

リモートしてうまくいっていないとかんじられている方、実際にリモート化しておらず問題点がまだ見えていない方向けに、弊社で簡易的な「リモート生産性スコア診断」を作成しました。

診断回答された方には結果のフィードバックをさせていただきますので、まずは自分の組織が何点か見てみるのをオススメします。

こちらで点数が低い場合は、リモートにすることで生産性が落ちたり、組織がまとまりづらくなるので対策が必要かと思います。

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeeRPniEn7Ruo4h-OpRoUTWcai5drqyqX_214dT_j_EcV7xhw/viewform?usp=sf_link

※こちらはリモートやチームに関する調査を進めるためダウンロードされた際にデータを取っておりますが営業活動には活用しません。

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