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【読書週間】「その日のまえに」重松清を読んで

今回は母の勧めでこの本を手に取ってみました。母曰く「どうして作者の人は、こんなに人の気持ちがわかるのだろう。すごい本だ!」らしいのです。

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目次はこんな感じで、それぞれ違う人が主人公の短編集になっています。
最後の三つ「その日のまえに」「その日」「その日のあとで」は同じ主人公のお話で、前四つのお話に出てきた人たちが何らかの形で関わって出てきます。

どのお話も一貫してテーマは「死」でした。

余命宣告を受けてから、死を受け入れていく過程。
家族の死を子どもにどう打ち明けるか。
永遠と思っていた存在がある日突如として失われたら。


・・・・

正直、この本を読むのはとても辛かったです。

入眠しやすいように、本はだいたい夜に布団に入ってから読むのですが、この本に関しては読めば読むほど眠れなくなるので困りました。

泣いてしまって、全然ページが進まないので読むのに一週間以上かかってしまいました。
家族の死に関する話が多かったので、自分のことに置き換えて想像してみるたびに、どんよーり気分が下がっていくのです。


母は大体重い話やドロドロした話は嫌いでおもしろい話が好きな人なので、なぜこれを勧めたの?と不思議でした。

おそらく母がこの本を読んだのは、祖母の介護をしている時期(祖母はもう亡くなったのですが)だったので、先が短い祖母と自分をリアルに小説の主人公たちに重ね合わせて読んだのではないかと思います。

そういった母の気持ちなどを考えると、さらに泣けてきてしまい、かなり心にズドンとくる作品でした。


何度も言って申し訳ないけれど、私にとってはかなり精神的にきてしまうキツイ作品でした。

ですがそれは、普段考えないで過ごしてきている「大切な人の死」を想像したからです。この本を読んだことで、考えるきっかけとなりました。時には悲しみに正面から向き合う時間も必要なのかもしれません。

父や母、周りにいる人たちをもっと大事にしていきたい。

そう思わせてくれる本でした。


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