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図書館へ行ってきた

日本史と和歌に興味が湧いてきて、特に戦国時代までの庶民や女性の生き方を知りたいと思っていた。ちょうど『方丈記』や『徒然草』を読んでいたときに、TVドラマ「光る君へ」が始まり、今まで読んでなかった『源氏物語』を読んでみたくなった。

原文では少し抵抗感があるので、現代語訳で、角田光代現代語訳『源氏物語』が読みやすいと聞いていたので、図書館で実際に読んでみた。図書館のロビー受付前には、ドラマの影響か『源氏物語』関係の書籍類が並べられていた。受付で検索してもらうと、角田訳三巻セットのうち、第一巻が貸し出されていた。

玉鬘を読んでみたが、確かに読みやすく、原文に煩わされずに物語として読み進められる。声に出したときの原文の響きや、『源氏物語』以前の和歌や物語や謡曲などからの関係など、原文解説がないと日本文学の集積としての『源氏物語』とはチョット違っているような。ただ『源氏物語』を通読するには最も読みやすく分かりやすい、新しい作品のように思える。近代まで擬古物語とか王朝文学とか言われる作品群があるが、平安時代とは変わってしまった言葉を、その時代の人達に分かりやすく『源氏物語』を意識して書かれている。現代語で読むのは、また次の文学世界への道を開くのには良いのかもしれない。

『源氏物語』も良いが、当時の平安貴族の生活や紫式部の本音も垣間見られる『紫式部日記』は、もう一度読み返しておきたい。読み物としてはこちらの方が面白くて好きかな。

『源氏物語』を書く前に、きっと読んでいたと思われるのが『蜻蛉日記』だ。これはまだ完全に読んでいないのだが、この道綱の母は当時の三代美人と言われていた。また文学の才能もあり、和歌の世界でも『小倉百人一首』にも取り上げられた。『拾遺和歌集』にも36首も載るなど、専業主婦的に家の中に閉じ込められていたという印象だが、和歌では多くの作品を残している。

日本で最初の散文での物語作品は『蜻蛉日記』だと思ってる。日々の女性の思いが仮名文字散文で綴られて、当時の貴族社会での、女性の生き方を知ることが出来る。この作品の刺激を紫式部は受けたのだろうと思う。その意味でも、一度は完全に原文と合わせて読んでおきたい。

そして、『枕草子春曙抄』を読まなければならないが、どうしたものか。高価すぎて手に入らない。『枕草子』は一応は読んでいるが、もう少し踏み込んだ読み方としては、北村季吟の『春曙抄』は必要らしい。かつては岩波書店で出していたが、戦後は出されたとは聞いてない。江戸時代の和綴本は古書店にあるが、古文書は読めない。

日本文学の世界が一応の集積を見せたのが、『源氏物語』などの平安時代の物語や『古今和歌集』などの和歌という事らしい。以降の時代に多くの影響を与え続けている事から、これくらいは原文も共に読んでおきたい。

明治に入って富国強兵が叫ばれるまで、日本の女性は強かった。日本史を陰で動かし操ってきたのは女性かもしれない。古典の世界では日本女性の素晴らしさが感じられ、行間で輝いているように思われる。だから日本の古典は素晴らしい。


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