大手企業勤務の私が、ベンチャー転職後1年で大手企業に戻った理由

私は10年近く勤務した大手企業を退職し、ベンチャー企業へ転職しました。しかし様々なギャップに苦しみ、結果1年で再度転職を決断することとなりました。この記事で、私再度転職するまでに至った心境をご紹介することで、大手とベンチャーで迷っている方に少しでも参考になればと思っています。


①なぜ大手企業を辞めたのか、どのように転職先を選んだのか

新卒入社した会社でのキャリア

私のキャリアは、2010年代前半に大手IT企業に総合職として入社したことに始まります。職場の雰囲気としては、若手であっても、さまざまなことに挑戦できる土壌があるため、活気がありました。そのことから私が働く上で重視しているスキルの向上や経験値をしっかりと積むことができたのです。

一方で、メンバーの人数に対して、役職が少ないこともあり、10年以上働く先輩と若手との間でこなすべき仕事の難易度に差がほとんどない状況でした。このまま働き続けても、どこかで頭打ちしてしまうという不安を抱えながら仕事をしておりました。
また、中途採用で入社されてくる方たちの仕事ぶりにも関心を抱くようになりました。自分の将来に当てはめて考えたとき『私の人生にもチャレンジが必要ではないか』、『若いうちであれば、一度失敗しても取り戻すことができるのではないか』と感じていました。

とはいえ、幸いにも仕事ぶりが評価され、昇進等の機会にも恵まれたことから、新たな仕事に取り組むこともできていました。

コロナ禍での転職を決意

2020年、コロナウイルス感染拡大の影響を受け、在宅勤務が始まりました。このことで時間的なゆとりができ、別の世界を体験したいという欲求が強くなったのです。早速、転職サイトに履歴書を登録したところ、ITベンチャーから面談の申し入れがあり、これが後の転職にもつながっていきました。

②ベンチャー企業で感じたギャップ

安易な転職が自分の首を絞める

今思えば、ベンチャー企業に転職するには、さまざまな面でリサーチ不足だったように感じます。
大手IT企業から、部長職としてベンチャーに転職することになった私は、これまでにない大きな知識や経験が得られると考えていました。また給料に関しては、前職は大手企業であったこともあり、転職時には年収ダウンとなりましたが、いずれは前職を超えるであろうと楽観的に捉えていました。

入社後、ベンチャー企業では、これまで経験したことのない業務にも携わることができたのですが、その経験がどれだけ社会で通用するかというと疑問が残ります。なぜならば、人手不足により雑多な業務が想像していた以上に多く、専門性が身に付きにくかったのです。また、業務上、挑戦してみたいことがあっても、予算の余裕がなく、今後も期待することができなかったので窮屈でした。また給料も、今の業績では当面あがる見込みがないことがわかってきました。

入社後すぐに退職を考え始める

総じて転職前のリサーチ不足であったことは自覚をしています。しかしながら、会社の方針が変わるわけでもなく、入社後数か月で退職を考えるようになりました。毎朝憂鬱な気持ちで起床し、転職サイトを眺めてから業務開始する、そんな日々を送っていました。

③再度の転職をするにあたり何をしたか

転職サイトを毎日眺める日々

大手企業を退職しベンチャー企業に転職したもののミスマッチから、改めて転職活動を行うこととした私は、再び失敗をしないよう慎重に行動しました。
ベンチャー企業を辞めたいという気持ちを抑えつつ、ひとまずは『次の会社が決まるまで』そして『一通りの業務を年間を通じて経験し終えるまで』やり遂げようとしました。しばらくは手当たり次第に転職サイトを閲覧していましたが、興味のある会社を見つけてもどのような会社なのか見えにくかったり、その先に進めなかったりして、上手くいきませんでした。

並走してくれる転職エージェント探し

そこで、次に探したのは自分に合うエージェントです。私の場合、1人のコンサルタントが多くの転職者を支援しているようなエージェントより、1人のコンサルタントが1人の転職者のために多くの時間を割いてくれるようなところがよいと思いました。そして、実際に小規模ではありますが、単に仕事を紹介するだけではなく、職務経歴書の書き方から、経歴のアピールポイントまでを一緒に考えてくれるところを選んだのです。

3社目の会社選びは、2社目の反省を生かし会社の規模感を一番に考えました。働くにあたり自分自身の強みを生かしたり、伸ばしたりすることのできる資本のある会社に魅力を感じたからです。担当のコンサルタントからは、大手に戻るための筋書きとして、2社目の会社よりも1社目の会社での経歴をアピールしたほうがよいと教わりました。そして、1社目の会社で良かったこと、悪かったことを共に整理していきました。このエージェントに関わっていただいた半年後に大手である3社目が決まったのです。幸いにも、年収も1社目よりアップする結果となりました。

④再び大企業で働いて感じたこと

離れてわかる、大手の良さ

一度、ベンチャー企業での就業を経験してしまうと、大手企業に戻った際には、どうしても自由度が低いと感じることがあります。とはいえ、一緒に働くメンバーが玉石混交であった前職のベンチャーと比較し、大手のほうが働きやすいと実感しています。
また1年間ではありましたが、ベンチャーで経営に近い立場で働いたことで、大手に戻っても自分の仕事に意義を見出せるようになりました。結果として、私はベンチャーに転職というチャレンジを経て、キャリアの方向性が定まったということになります。

ベンチャー転職は人を選ぶ

今後、ベンチャー企業に転職をする可能性はゼロに等しいと感じています。大手に戻ることができ、自分にはこの働き方の方があっているなと痛感しているところです。将来の不安感や業務内容に対するもどかしさが少なくなり、モチベーションを取り戻せたように感じます。前職に関しては、短期離職となったことで、迷惑を掛けてしまいましたが、この経験を糧にしたいと思っています。

⑤転職を考えている方へのメッセージ

大手vsベンチャーに正解はない

私はこの経験を皆さんにお伝えすることで、皆さんには、より良い会社選びをしていただきたいと思っています。
このメッセージをお読みいただいている方の多くは『大手企業からベンチャー企業に転職をしたい方』もしくは『ベンチャー企業に転職したものの大手に戻りたい方』のどちらかだと思います。私は前者の方には、転職ありきではなく、転職をしないメリットについてもお話したいと思っています。なぜなら、実際のところ転職をしないほうが、のんびりと安定した生活を続けられる可能性が高いからです。また、後者の方には、必ずしも大手が正解ではないということをお伝えしたいです。今いるベンチャー企業が合わなかっただけで、ベンチャーそのものが悪いということではないからです。

壁打ち相手になります!

最終的に転職するか否かはあなた次第ではありますが、ひとりで悩むより言語化することで状況の整理がしやすくなります。また、自分のことは、意外と自分では分からない、ということもありますので、自己分析をする際には他者と対話しながらのほうが進むことがあります。その結果として、転職するのか、しないのか。転職するとして、今なのか、数年後なのか。もしくは転職ではなく、副業として関わったほうがいいのか等、いろいろなことが見えてきます。私はIT企業で働いてきましたが、他の業種についての相談でも構いません。『転職したいな』と感じたら、お気軽にご相談ください。

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