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スパルタ塾 「進学塾 H塾」 #03 中学1年生 初授業・初体罰

今日は新中1生達にとってH塾での初めての授業である。全員遅刻はしまいと、授業開始時間の15分前の19時15分頃には教室に入り、授業前の自由時間という事もあり互いに会話を楽しんでいた。


「…授業を受けるだけなのに何か緊張するよね。」


「お尻を叩かれないように気をつけないと…。」


「アレで叩かれるとやっぱ痛いのかなぁ。」


「オレやだよぉ〜。漫画とかみたいで恥ずかしいし///」


やはりH塾の特色である「体罰」が気がかりなのだろう。お尻を叩かれる恐怖と不安で頭がいっぱいな様子である。


そんなたわいもない会話が続く中、授業開始の19時30分になり、塾長の川山先生が入ってきた。

「はい、みんな席に着いて!」


ドアを開けながら着席を促す。新中1生は7人なので最前列に4人、その後ろの列に3人の席が割り当てられていた。また、川山先生の左手には授業で使用するテキストと例の藤製のムチ棒が一緒に握られていた。


「こんにちは。今日は英語の授業ですね。先日の火曜日はオリエンテーションでしたが普段は数学の授業ですから気をつけるように。…それでは英語のテキストとノートを机に出しなさい。」


ガサゴソと各自カバンから真新しい英語のテキストとノートを机の上に取り出す。

「…あの、先生。」


「どうしたの?吉田くん。」


「今日が数学の日だと思って、間違って数学の用意を持って来ました…。」


「今日は英語の日だって前回伝えたよね?」


「…ごめんなさい///」


「他の人たちはみんなちゃんと英語の準備をして来ているし、「間違えた」は通用しません。…吉田くん、英語のテキスト、ノート忘れで授業後にお尻を2回叩いてあげます。覚悟しておきなさい
。」


「はい…。(あぁ〜っ、もう最悪だよ… どうしよう。痛いんだろうな〜。)」


早々にお仕置きを宣言されてしまった吉田くんは授業後にお尻を鞭打たれることで頭がいっぱいだ。

すると川山先生はホワイトボードの右端に小さな字で『吉田 T』と書いた。名前の右隣は「正」の字でお尻を叩く回数を意味する。書き終えると川山先生は教室から出て行った。忘れ物をした彼にテキストのコピーとルーズリーフを事務所に取り行くためであるが、3分もしない内に戻ってきた。


「今後忘れ物をした人は授業前に名乗り出るように。授業が始まってからだとコピーを取ったりするのに時間がかかって無駄になります。授業開始後に名乗り出た人はお尻を叩く回数を1回増やします。…いいですね!?」


「はい」


初めての授業はいきなりお説教から始まり、20分程経過しようやく授業が始まった。最初の単元はアルファベットの読み書きである。大文字・小文字をホワイトボードに書いて説明をする。

「…特に小文字のbとdを間違える人が多いので注意するように。来週はアルファベット大文字小文字を全部書くのをテストとします。普段は10問出しますが、アルファベットは書けないと話にならないので全員満点以外不合格とします。いいですね。従って、アルファベットの暗記を宿題とします。」

生徒たちは塾生手帳の宿題記帳欄に「アルファベットの暗記、アルファベットの小テスト」 と書き込んだ。

「今日の罰は吉田くんだけね。それでは書けた人から気を付けて帰りなさい。」


「さようならー。」「先生 さようなら。」

20時50分。生徒達は椅子を机の下に戻し教室を後にした。未だに着席している彼1人を除いて。

「吉田くんは帰る準備をして向かいの物置部屋に来なさい。」


「…分かりました。(あぁ〜 やだよ、逃げ出したいよ…!)」


そう言い残した川山先生は先に教室から出て行き物置部屋に向かった。

さっきまでの活気は嘘のように消え去り、教室は静寂に包まれている。1人残された吉田くんは重い腰を上げ、学校の真新しい制カバンを肩に掛け重い足取りで教室を後にした。お仕置きが執行される物置部屋はフロアの1番奥にある10畳くらいの小部屋だ。大きな本棚があり各学校の定期考査の過去問のコピーや予備のテキスト、参考書などがぎっしりと並んでいる。

「…失礼します」

「入ってきなさい。」

職員室に入る時のようにドアをノックし物置部屋に入ると、川山先生はベージュ色の鞭棒を片手に腕組みをして立っていた。

「お尻叩きを始める前に準備をします。まずポケットの中を全て空にしなさい。」

ポケットの中身を取り出させるのは、ポケットの中の物に鞭が当たり威力を弱める原因となるからだ。また、ポケットの中の物が壊れたりその破片で生徒が怪我しないような心がけでもある。


吉田くんは自転車の鍵とスマートフォンを取り出し川山先生に預けた。

「よろしい。次はワイシャツを制服のズボンから出しなさい。」

生徒の多くは学校終わりの服装のまま塾に来ることが多い。吉田くんが制服姿なのは不思議ではないが、お尻叩きを受ける場合はワイシャツが鞭の威力を多少なりとも妨げるため、川山先生は必ず対象の生徒には制服のズボンから出すように命じる。

新中1ということもあり、やや大きめのワイシャツと肌着のシャツをグレーの制服のズボンから出した。この状態で学内を歩いていると先生に注意される服装だ。

「お尻を叩かれる姿勢になりなさい。オリエンテーションの時に話したことを覚えているでしょう?」

「はい。馬跳びの姿勢ですよね…。」

そう答えると吉田くんは膝を伸ばし腰を曲げて太ももを両手で掴んだ。身長はまだ150cm位の小柄な彼は余計に小さく見えるようになった。

「もう少しお尻を突き出して… そうそう。」

鞭での痛みを最大限に与えるため、制服のズボンがお尻に対してピンと張った状態を維持させる。


そして川山先生はお尻に白のワイシャツと紺のブレザーがかからないように払いのけ、馬跳びの姿勢でお尻を突き出した吉田くんの左側に立った。

「吉田章吾くん。英語のテキストとノートを忘れた罰として、この鞭棒でその悪いお尻を2回叩きます。痛みで姿勢を崩さずしっかりと反省すること。」

「うぅっ、、 はい…。お願いします…。」

お尻叩きを受けるにあたった理由と回数を読み上げると鞭棒を右手に持ち、2、3回素振りを行った。「ビュン」、「ビュン」と風を切る鋭い音は吉田くんを精神的に恐怖心を植え付けさせた。

「それでは1回目です。覚悟なさいっ!」

山川先生は鞭を大きく振り上げた。

一方で吉田くんは目をぎゅっと閉じ歯を食いしばり鞭の衝撃に備えた。

「ビュン!」

「ピッシーーーーーンッッッッ‼︎」


勢いよく振り下ろされた鞭棒が空を切る音とほぼ同時に、静まり返った物置部屋に鞭の打ち付ける乾いた音が鳴り響くと、突き出された吉田くんの小さなお尻の真ん中辺りに鞭棒が炸裂した。生地の薄い制服のズボンと下着越しでは殆ど鞭の威力に影響はない。

「はぁうっっ‼︎ …あぁぁっ/// いっ…痛ったいよぉ〜っ…」

まるでお尻が引き裂かれたかのような鋭い痛みに耐えきれず、姿勢を崩し両手で激しく痛むお尻をさする吉田くんの目には涙が浮かんでいた。


「痛いのは当然です。痛いからこそ深く反省できるのです。…さぁ、早く元の姿勢に戻りなさい。」

「うぅぅっ… はい。」

吉田くんは余りにもの激痛に少し身体が震えつつもお尻を突き出す姿勢をとり、次の鞭を待った。

「…それでは2回目ですよ。最後ですからしっかりと耐えること。」

山川先生は再び吉田くんの左側に立ち、ピシピシと軽く鞭棒を吉田くんのお尻に当てて次の一打の狙いを定めると鞭を大きく振り上げた。


「ビュン!」

「パッシーーーーーーーンッッッッ‼︎」

「ぃぎゃあぁぁぁぁぁっ‼︎」

「いぃっ…痛ったいよぉ〜〜っ…」

「うっ、うっ… ぐすん///」

最後の1打は最初よりもやや下部に打ち付けられた。吉田くんのは想像を絶する鞭の痛みに耐えられず泣き出してしまい、左手で痛むお尻を押さえ、ブレザーの右腕で涙を拭いている。

「今日のお尻叩きは以上です。制服を正しなさい。」

山川先生は吉田くんが身だしなみを整え、落ち着くのを待っている間、彼の塾生手帳に今回のお仕置き内容を書き込んだ。


『テキスト、ノート忘れでお尻叩き2打行いました。』

「吉田くん、次回までにお家の人にこれを見せて印鑑を貰ってくること。いいですね。」

「…はい。」


「それと今日のお尻叩きでミミズ腫れが2本出来ていると思います。痛みは2日程続きますから、当分の間はお仕置きが続いていると思い、身を引き締めて次も同じような失敗を繰り返さないように。」


「…はい。分かりました。」

「それでは気をつけて帰りなさい。」

吉田くんが解放されたのは21時30分過ぎだった。


帰宅後入浴の際にお尻叩きを受けた箇所を鏡で確認すると、お尻の真ん中に「二」の字のように痛々しい赤く腫れ上がったミミズ腫れが現れていた。痛みが引くまで学校の硬い椅子に座るのに一苦労したということは言うまでもない。

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