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[移籍情報更新中] ブロンズ、ミデマー、清水、清家が加入! 2024年夏にWSL参戦が決まった選手をチェック!! :: WSL Watch #085

23/24シーズンのWSLが終わって1ヶ月くらい経ったけど、24/25シーズン前の夏の移籍マーケットが正式にオープンして、ちょっとずつ動きが出てきたから、冬の移籍マーケットの動向を"WSL Watch #021"で随時更新してたみたいにまたまとめておこうかな、と。もちろん、全部を拾えるわけじゃないんだけど、基本的にはWSLのチームに加入する選手のニュースを、新しいモノを上に加える(古いモノが下にズレてく)随時更新ってカタチで。

サリ・キーズ(23)→ レスター・シティ

ベルギーのOHルーヴェンでプレイしてた23歳のベルギー代表DFのサリ・キーズ(Sari Kees)が完全移籍でレスター・シティに加入することに。OHルーヴェンは実はレスター・シティとオーナーが同じらしくて、つまり、ロンドン・シティ・ライオネセスについて書いた"WSL Watch #086“でもちょっと触れたマルチ・クラブ・オーナーシップってことなんだけど、その繋がりでレスター・シティを訪れてトレーニング施設とかスタジアムを見たことがあって、レスター・シティでプレイしたいと思ってたんだとか。まだ若いけどベルギー代表として直近のUEFAウィメンズ・ユーロの予選のデンマーク戦とスペイン戦にもCBとしてフル出場してたりもするんで、新監督を迎えたレスター・シティでのプレイを観るのが今からすごく楽しみ。

トニ・ペイン(29)→ エヴァートン

スペインのセヴィージャでプレイしてた29歳のナイジェリア代表FWのトニ・ペイン(Toni Payne)が完全移籍でエヴァートンに加入することに。もともと生まれはアメリカだけどオランダのアヤックスでプロとしてのキャリアをスタートさせて、その後にセヴィージャで6シーズン過ごしたって経歴の持ち主で、直近2シーズンの戦績を確認してみたら、22/23シーズンがリーグ戦29試合出場で3得点+5アシスト、23/24シーズンがリーグ戦30試合出場で6得点+4アシスト、ポジションは右WGっぽいからいわゆる点取り屋ってよりは得点とアシストでチームに貢献するアタッカーってタイプなのかな。ナイジェリア代表キャップも21あって、ベスト16でイングランド代表に負けちゃったけど2023年のFIFAウィメンズ・ワールドカップにも選ばれてるし、オリンピックの見どころをWSL目線で整理した"WSL Watch #088"では触れられなかったけど、日本代表とグループ・リーグで対戦するパリ・オリンピックのメンバーにも選ばれてる。ちなみに、同じくオリンピックのメンバーに選ばれてるポーランド・ソーンズのニコール・ペイン(Nicole Payne)は実妹なんだとか。とりあえず、オリンピックでちょっと注目しといたほうがいいっぽい。

シャンテル・スワビー(25)→ レスター・シティ

フランスのFCフルーリー91でプレイしてた25歳のジャマイカ代表DFのシャンテル・スワビー(Chantelle Swaby)が完全移籍でレスター・シティに加入することに。アメリカ生まれだけどはスコットランドのレンジャーズでのプレイ経験もあって、FCフルーリー91での23/24シーズンのリーグ戦16試合に出場してチームの4位フィニッシュに貢献したらしい。レスター・シティっていえば、スタッド・ランスを率いてたアマンディン・ミケル(Amandine Miquel)監督を招聘したから、そのルートでの獲得なのかな? とか思ったり。ジャマイカ代表としても38キャップあって、2023年のFIFAウィメンズ・ワールドカップにも全4試合出場してた選手なんだけど、ACミランでプレイしてる実姉のアリソン・スワビー(Allyson Swaby)とCBコンビを組んでたことでも知られてたりする。

* 7月19日 追記

ルーシー・ブロンズ(32)→ チェルシー

バルセロナでプレイしてたイングランド代表DFのルーシー・ブロンズ(Lucy Bronze)が完全移籍でチェルシーに加入することに。バルセロナとリヨンとマンチェスター・シティとリヴァプールでリーグ・タイトル、バルセロナとリヨンではUEFAウィメンズ・チャンピオンズリーグのタイトルを獲ってるし、イングランド代表としてもUEFAウィメンズ・ユーロ優勝とFIFAウィメンズ・ワールドカップ準優勝に貢献したって輝かしい実績の持ち主で、現在のウィメンズ・フットボール最高の右SBって言っても過言じゃないくらいの存在なんで、フィフィアネ・ミデマー(Vivianne Miedema)のマンチェスター・シティ加入と並ぶ今夏のビッグ・ディールって言っていいはず。新たな時代を迎えるチェルシーがさらに強力になりそうで、ちょっと恐ろしい感じすらしちゃうレベルの補強って言っていいんじゃないかな。もちろん、WSLでまたルーシー・ブロンズのプレイを観れるのはシンプルに嬉しいし、WSLってリーグにとっても朗報だと思うけど。

エリザベス・ターランド(23)→ マンチェスター・ユナイテッド

23/24シーズンはブライトン&ホーヴ・アルビオンでリーグ2位タイの13得点を決めたノルウェー代表FWのエリザベス・ターランド(Elisabeth Terland)が完全移籍でマンチェスター・ユナイテッドに加入することに。エリザベス・ターランドについては"WSL Watch #059"で書いた通りだけど、いわゆる9番タイプのストライカーではリーグ屈指で、ステップ・アップしそうな年齢の選手の中ではナンバー1だと思ってたし、アレッシア・ルッソ(Alessia Russo)の抜けた穴が埋まってなかったマンチェスター・ユナイテッドが移籍先って点も含めて、極めて真っ当っていうか、ものすごく納得感がある移籍って言っていいんじゃないかな。

*追記: 23/24シーズンのエリザベス・ターランドのゴール集を。WSLのSNSアカウントに投稿されてたんで。

アイシャ・マサカ(20)→ ブライトン&ホーヴ・アルビオン

BKヘッケンでプレイしてたタンザニア代表FWのアイシャ・マサカ(Aisha Masaka)が完全移籍でブライトン&ホーヴ・アルビオンに加入することに。まだ若いからか、2シーズン在籍したBKヘッケンでは完全に主力って感じではなかったっぽいけど、UEFAウィメンズ・チャンピオンズリーグも経験済みで、タンザニア代表としても15キャップで9得点なんだとか。23/24シーズンのチーム内得点王だったエリザベス・ターランドが抜けた穴を埋める存在になれるのか、ダリオ・ヴィドシッチ新監督のチーム作りとか、清家貴子とのポジション争い? 同時起用? みたいな部分も含めて、いろいろと楽しみな感じ。

アスミタ・エール(22)→ レスター・シティ

"WSL Watch #021"で触れた通り、1月の移籍期間にトッテナム・ホットスパーからシーズン終了までのローンでレスター・シティに移籍してたイングランド人DFのアスミタ・エール(Asmita Ale)がそのまま3年契約で完全移籍することに。レスター・シティでそれなりの時間出場したのは4試合だったんで移籍後に即主力って感じだったとは言えないけど、出た試合はシーズン終盤が多かったから、徐々にチームに馴染んで、本人もチームもある程度の手応えは得られた上での完全移籍って感じなのかな。

* 7月18日 追記

オリアンヌ・ジャン・フランソワ(22)→ チェルシー

パリ・サン・ジェルマンでプレイしてた22歳のフランス代表MFのオリアンヌ・ジャン・フランソワ(Oriane Jean-François)が完全移籍でチェルシーに加入することに。ポジションはCMFで、いわゆる守備的MFって感じの選手なのかな? 22/23シーズンはリーグ戦21出場だったけど23/24シーズンは3試合だけだったみたいで、大きなケガでもしてたのかな? って感じだけど、"WSL Watch #081"で触れた通り新監督のソニア・ボンパストル(Sonia Bompastor)は当然フランスのリーグについてはよく知ってるだろうし、"WSL Watch #087"で触れた通りドイツ代表MFのメラニー・ロイポルツ(Melanie Leupolz)が移籍したし、どういう選手なのか、どういう感じで起用されるのかにもちょっと注目かな。あと、サンディ・ボルティモアもそうだけど、監督が代わって以降の補強がフランスのチームから、しかも、パリ・サン・ジェルマンから立て続けに獲得してるのがちょっと面白いな...なんてことも思ったり。

エラ・モリス(21)→ トッテナム・ホットスパー

サウザンプトンでプレイしてた21歳でU23イングランド代表DFのエラ・モリス(Ella Morris)が完全移籍でトッテナム・ホットスパーに加入することに。14歳からサウザンプトンでプレイしてて、18/19シーズンにトップ・チームに昇格、2022年のチャンピオンシップ昇格に貢献したことも含めてこれまでに117試合に出場してるらしい。どんな選手なのかは知らないけど、本人曰く「上下動を繰り返せて、オーバーラップもアンダーラップもできるモダンなSB」とのこと。"WSL Watch #004"で取り上げたロバート・ヴィラハム(Robert Vilahamn)監督が就任した23/24シーズンから意欲的に若返りを図ってる感があるトッテナム・ホットスパーにまた1人、楽しみなタレントが加わったって言えそう。

* 7月17日 追記

ケイティ・ロビンソン(21)→ アストン・ヴィラ

ブライトン&ホーヴ・アルビオンを離れることが発表されてたイングランド代表FWのケイティ・ロビンソン(Katie Robinson)が完全移籍でアストン・ヴィラに加入することに。23/24シーズンはリーグ戦全22試合に出場(スタメンは18試合)して3得点+2アシストって数字を残してるから、ブライトン&ホーヴ・アルビオンの主力って言っていい活躍を見せた若手選手って感じなのかな。奇しくも、新監督を迎えることが発表されてて、今年の夏の移籍マーケットで積極的に動いてる印象のチーム間の移籍っていうのもちょっと面白いな...って思ったり。とりあえず、今後が期待されてる選手だし、チームも併せて要注目っぽいかな。

アマンディン・ミケル監督 → レスター・シティ

23/24シーズンまでスタッド・ランスを率いてた40歳のフランス人のアマンディン・ミケル(Amandine Miquel)がレスター・シティの監督に就任することに。実はこの件は6月21日に『ザ・ガーディアン』で"Leicester Women consider appointing Amandine Miquel as new manager"って記事で報じられてたから気になってたんだけど、この記事によると複数の候補の中から絞り込んで決めたっぽい。

2017年に当時2部だったスタッド・ランスの監督になって7シーズンに渡ってチームを率いたことになるんだけど、2019年にチームを1989年以来の1部復帰に導いて、その後の順位も8位、6位、7位、6位で、直近の23/24シーズンはUEFAウィメンズ・チャンピオンズリーグに出場したリヨンとパリ・サン・ジェルマンとパリFCに次ぐ4位フィニッシュを果たしたって実績の持ち主で、しかも、スタッド・ランスは平均年齢23歳くらいのチームだったらしくて、限られたバジェットでもいいチームが作れて若手の育成に長けたタイプの監督とのこと。レスター・シティっていえば、23/24シーズンはわりと意欲的で面白いサッカーをしてて、1月の移籍マーケットで宝田沙織と籾木結花も獲ったし、FAカップでベスト4まで勝ち上がったり一定の成果は出しつつも、3月にウィリー・カーク(Willie Kirk)監督が'選手との不適切な関係'を理由に解任されて、ジェニファー・フォスター(Jennifer Foster)暫定監督指揮下のシーズン終盤は尻すぼみって印象だったんで、今後がどうなるのか、個人的にはちょっと心配してたんだけど、現地記者のSNSでの反応もポジティブなモノが多いし、新シーズンもやっぱり気になるチームになりそうかな、レスター・シティは。

メルヴィン・マラード(24)→ マンチェスター・ユナイテッド

23/24シーズンはリヨンからのローンでプレイしてたフランス代表FWのメルヴィン・マラード(Melvine Malard)がマンチェスター・ユナイテッドに完全移籍することに。正直なところ、アーセナルに移籍したアレッシア・ルッソ(Alessia Russo)の穴が埋まらないままシーズンが終わっちゃった感じのマンチェスター・ユナイテッドの攻撃陣の中でシーズンを通じて一定以上の存在感は放ってたし、数字的にもリーグ戦19試合出場でスタメンが11試合、5得点+1アシストって感じだったんで、ある程度既定路線の完全移籍って感じなのかな? できれば、新シーズンはゴールとアシストを足して10点以上を期待したいところだと思うけど。

カミラ・サエス(29)→ ウェスト・ハム・ユナイテッド

スペインのマドリーCFFでプレイしてたチリ代表DFの完全移籍でカミラ・サエスがウェスト・ハム・ユナイテッドに加入することに。23/24シーズンはマドリーCFFでリーグ戦28試合出場(スタメンは25試合)で、チリ代表としても71キャップって実績を持ってて、FIFAウィメンズ・ワールドカップとかオリンピックにも出場経験があるみたいなんで、即戦力として活躍することが期待されてるベテランCBって感じなのかな。

ハンナ・ポウルター(19)→ ブライトン&ホーヴ・アルビオン

レディングのアカデミー出身でU19イングランド代表GKのハンナ・ポウルター(Hannah Poulter)がブライトン&ホーヴ・アルビオンに加入することに。レディングでは16歳からトップ・チームのメンバーに入ってて、昨年は南カリフォルニア大学でプレイしてたらしくて、今回のブライトン&ホーヴ・アルビオンが初のプロ契約とのこと。

* 7月16日 追記

清水梨沙(28)→ マンチェスター・シティ

23/24シーズン限りでウェスト・ハム・ユナイテッドを離れることが発表されてた日本代表DFの清水梨沙が3年契約の完全移籍でマンチェスター・シティに加入することに。ウェスト・ハム・ユナイテッドでの2シーズンでリーグ戦44試合出場、つまり、全試合出場しただけでも素晴らしいのに、23/24シーズンはまさかのフルタイム出場まで達成してて、贔屓目抜きで考えてもWSLを代表する選手の1人って言っていいはず。ウェスト・ハム・ユナイテッドでは右WBだけじゃなく、3バックの右CBとかCMFでもプレイしてたけど、4バックがベースのマンチェスター・シティでは基本的には右SB起用がメインになるのかな? 個人的には、馴れてきたら右CBとか左SBとかもやってるかも? とかちょっと思ったりもしてるけど。移籍自体に関しては、日本のメディアでちょっと前に報じられてたし、WSLでの実績を考えても全然驚きって感じじゃないけど、年齢を考えても国内タイトルが狙えてUEFAウィメンズ・チャンピオンズリーグに出れるようなチームへのステップ・アップとしてはちょうどいいタイミングだし、もちろん、長谷川唯とチームメイトになるってことも含めて、今年の夏の移籍マーケットの動きの中でも個人的にはトップ・クラスで楽しみな移籍かも。

レイチェル・マクロークラン(27)→ ブライトン&ホーヴ・アルビオン

レンジャーズのスコットランド代表DFのレイチェル・マクロークラン(Rachel McLauchlan)が完全移籍でブライトン&ホーヴ・アルビオンに加入することに。2013年以降のプロとしてのキャリアの大部分をスコットランドで過ごしてて、スコットランドで数多くのタイトルを獲得してるらしい。2016年からスコットランド代表にも呼ばれてて、これまでに23キャップって実績を持ってる選手なんで、基本的には即戦力としてバリバリ活躍することが期待されてる感じなのかな。

ベックス・レイナー(24)→ ブライトン&ホーヴ・アルビオン

チャンピオンシップのシェフィールド・ユナイテッドでプレイしてた24歳のイングランド人MFのベックス・レイナー(Bex Rayner)がブライトン&ホーヴ・アルビオンに加入することに。あまり詳しいことはわからないんだけど、2018年からプレイしたシェフィールド・ユナイテッドではリーグ戦100試合以上出場してて、その活躍が認められてWSLにステップ・アップって感じっぽいのかな。それにしても、今年の夏の移籍マーケットの(序盤の)動きに関してはブライトン&ホーヴ・アルビオンはちょっと際立ってて、新シーズンに向けた並々ならぬ意気込みが伝わってくる感じがあるかな。

* 7月12日 追記

ダリオ・ヴィドシッチ監督 → ブライトン&ホーヴ・アルビオン

オーストラリアのAリーグ・ウィメンのメルボルン・シティを2シーズン率いてた37歳のダリオ・ヴィドシッチ(Dario Vidošić)が2027年までの3年契約でブライトン&ホーヴ・アルビオンの監督に就任することに。直近の23/24シーズンはメルボルン・シティをレギュラー・シーズン首位、グランド・ファイナルでシドニーFCに敗れたけど準優勝に導いたらしくて、この実績が評価されて今回の招聘につながったとのこと。

ちなみに、クリス・ロバーツ(Chris Roberts)のアシスタント・ヘッド・コーチ就任も同時に発表されてるんだけど、クリス・ロバーツはエヴァートンでアシスタント・マネージャーを務めてたらしくて、役職名の違いによる役割とか権限の違いとかはよくわかんないけど、国外で実績を残したけどWSLもイングランドも初挑戦になる若い監督のために、WSLとイングランドでの経験豊富なコーチを呼んでサポートさせる感じっぽい。

あと、ダリオ・ヴィドシッチっていえば、選手としてけっこうサッカー・ファンには知られて名前だったりする。ユーゴスラビア生まれの元オーストラリア代表選手で、2000年代後半頃にはドイツの1.FCニュルンベルクとかアルミニア・ビーレフェルトでもプレイしてたことがある。改めて確認してみたら2022年までの現役生活でドイツとオーストラリア国内に加えてスイスとか韓国とか中国とかインドとかニュー・ジーランドとかでもプレイしてたらしくて、なかなかユニークな選手キャリアだったらしい。監督としてのキャリアはメルボルン・シティからみたいなんで、いきなり結果を残してステップ・アップを果たしたってことになるのかな。ブライトン&ホーヴ・アルビオンは精力的に補強もしてるし、新シーズンはちょっと注目かも? ちなみに、Aリーグ・ウィメンからWSLのチームの監督になるオーストラリア人はジョー・モンテムーロ(Joe Montemurro)に続いて2人目なんだとか。ジョー・モンテムーロは2017年にメルボルン・シティを辞めて2017年から2021年までアーセナルの監督を務めた人物で、17/18シーズンのリーグ・カップ優勝、18/19シーズンにリーグ優勝を果たしてて、2021年から2024年まではユヴェントスの監督、さらに新シーズンからはチェルシーの監督に就任するソニア・ボンパストルの後任としてリヨンの監督になることが決まってたりもするらしい。ジョー・モンテムーロが実績を残してるだけに、若い世代のダリオ・ヴィドシッチがブライトン&ホーヴ・アルビオンでどんな仕事ができるのか、オーストラリア方面からもけっこう期待されてるっぽい。

マリット・アウエ(22)→ ブライトン&ホーヴ・アルビオン

トゥウェンテから22歳のオランダ人DFのマリット・アウエ(Marit Auee)がブライトン&ホーヴ・アルビオンに完全移籍で加入することに。トゥウェンテは23/24シーズンのエールディヴィジで優勝してて、リーグ戦18出場(スタメンは16試合)だったらしい。試合には出れてないけど、去年11月のUEFAウィメンズ・ネイションズ・リーグのオランダ代表のメンバーには選ばれたりもしてたっぽいんで、基本的には今後が楽しみな若手って感じなのかな。

パウラ・トマス(22)→ アストン・ヴィラ

レヴァンテでプレイしてたスペイン代表DFのパウラ・トマス(Paula Tomás)が完全移籍でアストン・ヴィラに加入することに。身長170cmで左SBでもCBでもプレイできる選手らしくて、オリンピックのメンバーには入ってないみたいだけど2023年からスペイン代表にも呼ばれてるらしい。

個人的には全然知らなかった選手だけど、ちょっと映像を観てみた感じでは左SBでもプレイできるけど基本的には右利きっぽいかな。CBとしてのプレイは観れなかったけど。ただ、マンチェスター・シティのイングランド代表DFのアレックス・グリーンウッド(Alex Greenwood)を取り上げた"WSL Watch #055"でも書いた通り、ボールの扱いに長けたDFの需要はウィメンズ・フットボール全体でどんどん増えてくと思ってるんで、パウラ・トマスがどんな選手で、WSLでどんなプレイをするのか、ちょっと注目したほうがいい気がしてる。

* 7月11日 追記

ジル・バイジングス(23)→ アストン・ヴィラ

バイエルン・ミュンヘンのオランダ代表MFのジル・バイジングス(Jill Baijings)がシーズン・ローンでアストン・ヴィラに加入することに。レヴァークーゼンからバイエルン・ミュンヘンに加入した23/24シーズンはリーグ戦14出場でスタメンが2試合だったみたいなんだけど、22/23シーズンはレヴァークーゼンでリーグ戦全22試合スタメン出場で7ゴール+6アシストを記録してるんで、強豪のバイエルン・ミュンヘンではプレイ時間を得るのにちょっと苦労したからローンでプレイ機会を増やしたい感じなのかな? ちなみに、活躍した22/23シーズンのレヴァークーゼンの監督は、新シーズンからアストン・ヴィラの指揮を執るロバート・デ・パウだったりするんで、「バイエルンであまり出れてないなら...」って感じで声をかけたなら、特徴とかもよく知ってるだろうから上手くハマればすごくいい移籍になるかも? とかちょっと思ったり。ちょっと映像を観た感じだと、左利きのテクニシャンで、サイズもパワーもありそうな感じなんで、アストン・ヴィラでどんなプレイを見せてくれるのか、個人的にはけっこう楽しみ。

サンディ・ボルティモア(24)→ チェルシー

フランス代表FWのサンディ・ボルティモア(Sandy Baltimore)がパリ・サン・ジェルマンから完全移籍でチェルシーに加入することに。下部組織からパリ・サン・ジェルマン育ちの生え抜きで、まだ16歳だった2016年にトップ・チーム・デビューを果たしてるんだとか。2シーズン目以降はコンスタントに試合に出てて、リーグ戦20試合前後出てるシーズンも多いから、普通に主力選手を獲得したって感じなのかな。パリ・サン・ジェルマンではトータルでリーグ戦110試合出場・30得点って数字を残してる。新監督のソニア・ボンパストル(Sonia Bompastor)は当然フランスのリーグについてはよく知ってるだろうから、能力もキャラクターもわかった上での獲得ってことになる思うけど。パリ・サン・ジェルマンでのプレイを観た印象だと、身長は高くないけどスピードとパワーがあるテクニカルな左利きのWGって感じかな? 若手からベテランまで選手層の厚さが異常なチェルシーのアタッカー陣に新たなタレントが加わったって言って良さそう。

* 7月8日 追記

清家貴子(27)→ ブライトン&ホーヴ・アルビオン

オリンピックに出場するメンバーにも選ばれた日本代表FWの清家貴子が三菱重工浦和レッズレディースからブライトン&ホーヴ・アルビオンに加入することに。WEリーグの23/24シーズン終了後に海外移籍の意志を表明してたんで、その行き先が注目されてたけど、特に何の事前報道なくいきなり発表された印象かな。清家貴子っていえば、国内プロ・リーグの記録を更新する10試合連続ゴールを含むリーグ歴代最多の20得点を決めてWEリーグの得点王に輝いて、チームの2連覇の原動力になってMVPも獲得した国内屈指の点取り屋なんで、本人的には満を持してって感じの海外挑戦になるのかな?

ブライトン&ホーヴ・アルビオンっていえば、"WSL Watch #059"でも取り上げたノルウェー代表FWのエリザベス・ターランド(Elisabeth Terland)っていう23/24シーズンに13ゴールで得点ランキング2位タイだったCFWがいるわけで、清家貴子は年齢的にも当然即戦力として期待されてるだろうから、どういう感じで起用されるのかもちょっと注目かな。選手としてのタイプとかプレイ・スタイルがすごく似てるってわけじゃないからエリザベス・ターランドとの併用もあるかもしれないし、ポジションを争うことになるのかもしれないし、もちろん、エリザベス・ターランドの去就に何か動きがあっても不思議じゃないし。ともあれ、日本人選手が所属するWSLのチームはこれで7チームになったわけで、新シーズンのWSLの楽しみがまた増えた感じで嬉しい限り。

あと、さっそくメンズ・チームの三笘薫と顔を合わせたシーンの動画もSNSに投稿されてたりして。ちなみに、2人は筑波大学の先輩と後輩、清家貴子が先輩なんだとか。

フラン・カービー(31)→ブライトン&ホーヴ・アルビオン

今シーズン限りでチェルシーを離れることをシーズン終了前に発表してたイングランド代表MFのフラン・カービー(Fran Kirby)がブライトン&ホーヴ・アルビオンに加入することに。2015年から在籍してたチェルシーではリーグ戦192試合に出場して105ゴールを記録、リーグ優勝7回、FAカップ優勝5回、コンチ・カップ優勝2回っていうものすごい実績の持ち主で、イングランド代表としても72キャップ・19ゴールって数字を残してる実力者。チェルシーを離れたのは31歳って年齢も要因もあったんだろうけど、23/24シーズンもリーグ戦21試合に出場(スタメン9試合)して3得点+2アシストって数字を残してるんで、まだまだ全然やれそうだし、ブライトン&ホーヴ・アルビオンにとってはすごく大きな補強になることは間違いなさそう。

フィフィアネ・ミデマー(27)→ マンチェスター・シティ

シーズン終了直前にアーセナルを離れることが発表されて去就が注目されてたオランダ代表FWのフィフィアネ・ミデマー(Vivianne Miedema)が既報の通りマンチェスター・シティに加入することに。フィフィアネ・ミデマーについては"WSL Watch #071"でわりと詳しく書いた通りなんだけど、WSLの歴代トップ・スコアラーってだけじゃなく、世界のウィメンズ・フットボールを代表するようなスター選手の移籍、しかも、結果的には同じリーグのライバル・チームへの移籍なんで、もちろん、この夏の移籍マーケットでもトップ・クラスのビッグ・ニュースって感じ。どういう並びでどういうポジションで起用されるのかも含めて、新シーズンの大きな注目ポイントになることは間違いないはず。

そういえば、個人的に前からちょっと気になってたのが名前の表記だったりする。上に貼った動画を聞いても'Miedema'って表記を見ても、'ミーデマ'のほうが近いんじゃね? って。日本のいくつかのメディアを確認したら'ミデマー'って表記が多いっぽいからそれに倣ってるんだけど。

* 7月5日 追記

ジュリア・バーテル(20)→ チェルシー

スペインのユース各年代で代表経験を持つ20歳のMFのジュリア・バーテル(Júlia Bartel)がバルセロナからチェルシーに加入することに。バルセロナのトップ・チームでの出場歴はほとんどないみたいで、年齢を考えると今後に期待の若手を引き抜いた感じなのかな? 詳しいことはよく知らないいんだけど、いわゆるバルセロナらしい技巧派のCMFらしいんで、チェルシーでのプレイがシンプルにすごく楽しみ。

ちなみに、アーセナルに加入したマリオナ・カルデンティに続いて、この夏にバルセロナからWSLに来た選手は2人目。もちろん、2人は年齢もキャリアも違うから単純に一般化はできないけど、勝ち取れるタイトルは取り尽くしてすっかり現在最強って感じのバルセロナは、"WSL Watch #086"でもちょっと触れたけど監督のホナタン・ヒラルデス(Jonatan Giráldez)が退任したことなんかも含めて、実はちょっと変革期に入ってるのかも? とかちょっと思ったりしつつ。

* 7月4日 追記

オリヴィア・スミス(19)→ リヴァプール

19歳のカナダ代表FWのオリヴィア・スミス(Olivia Smith)がスポルティングCPからリヴァプールに完全移籍で加入することに。ポルトガルのリーグで18試合に出場して13得点を決めて23/24シーズンのベスト・ヤング・プレイヤーを受賞、2019年に史上最年少の15歳94日でカナダ代表としてデビューしてて、こないだのウィメンズ・ゴールド・カップでもベスト・ヤング・プレイヤー賞に選ばれてるんだとか。報道によるとクラブ史上最高額の移籍金で獲得したらしくて、かなり前評判が高い期待のアタッカーみたい。マット・ビアード(Matt Beard)監督曰く、速くて両足が使えて得点もアシストもできるとのこと。"WSL Watch #076"でも総括した通り、23/24シーズンは大きな躍進を果たしたリヴァプールにさらに楽しみが増えた感じかな。

ドミニク・ヤンセン(29)→ マンチェスター・ユナイテッド

29歳のオランダ代表DFのドミニク・ヤンセン(Dominique Janssen)がヴォルフスブルクからマンチェスター・ユナイテッドに完全移籍で加入することに。ヴォルフスブルクの前にはアーセナルでプレイしてた経験もあって、オランダ代表としても100を超えるキャップの持ち主。経験豊富で即戦力の実力派CBって感じなのかな。

マリオナ・カルデンティ(28)→ アーセナル

28歳のスペイン代表FWのマリオナ・カルデンティ(Mariona Caldentey)がバルセロナから完全移籍でアーセナルに加入することに。2014年からバルセロナでプレイしてて、302試合に出場して114得点、最近のリーグ戦に限っても22/23シーズンは19試合出場で12得点+6アシスト、23/24シーズンは28試合で14得点+10アシストって記録を残してる。バルセロナでの10年でリーグ優勝6回、UEFAチャンピオンズリーグ優勝3回、国内カップ戦6回を含めて25個のトロフィーを獲得してるらしくて、ものすごい実績の持ち主。スペイン代表としても72試合に出場して26得点決めてて、2023年のFIFAウィメンズ・ワールドカップと23/24のUEFAネイションズ・リーグ優勝のメンバーである、と。端的に言って、現在最強のバルセロナとスペイン代表のバリバリの主力選手を獲ったってことだと思うんで、ものすごく強力な補強だし、素直にすごく楽しみ。フィフィアネ・ミデマー(Vivianne Miedema)が抜けたわけだから、当然何か手は打つと思ってたけど、期待を裏切らないスケールの補強って言っていいんじゃないかな。現段階ではこの夏の最大の補強かも。

* 7月3日 追記

マリサ・オリスラガース(23)→ ブライトン&ホーヴ・アルビオン

23歳のオランダ代表DFのマリサ・オリスラガース(Marisa Olislagers)がトゥウェンテからフリーでブライトン&ホーヴ・アルビオンに加入することに。まだ23歳だけどトゥウェンテでの4シーズンで84試合に出場してる左SBで、リーグ優勝3回を含む9個のタイトルを獲得してるんだとか。オランダ代表キャップも12あるらしくて、全然知らなかった選手だけど、ちょっと楽しみな選手かも。

キンガ・シェミク(27)→ ウェスト・ハム・ユナイテッド

27歳のポーランド代表GKのキンガ・シェミク(Kinga Szemik)がフランスのスタッド・ランスからウェスト・ハム・ユナイテッドに3年契約で加入することに。ポーランドでキャリアをスタートさせた後、アメリカの大学でもプレイしてた経験があって、プロのキャリアは2020年から主にフランスで重ねてきたらしい。2018年からポーランド代表としてもプレイしてて、これまでのキャップ数は17。182cmあるらしいんで、サイズ的にはけっこう大型のGKって言えそう。

ウェスト・ハム・ユナイテッドって言えば、一般的な選手契約が切れるタイミングの6月30日に契約満了になる選手を複数発表してて、そこに清水梨沙と林穂之香の名前もあったことが日本でもちょっと話題になってたけど、けっこう主力級の選手が多くて、オーストラリア代表GKで23/24シーズンも19試合に出場してたマッケンジー・アーノルド(Mackenzie Arnold)も含まれてたんで、基本的には新たなレギュラーGKの候補って感じなのかな? 23/24シーズンは何とか残留を果たしたウェスト・ハム・ユナイテッドだけど、今年の夏は大きな変革の時期になるのかも。

シェキエラ・マルティネス(22)→ ウェスト・ハム・ユナイテッド(→ ローンでフライブルク)

ドイツのU19代表経験を持つ22歳のストライカー、シェキエラ・マルティネス(Shekiera Martinez)がアイントラハト・フランクフルトから3年契約でウェスト・ハム・ユナイテッドに加入することに。ただ、24/25シーズンはフライブルクにローン移籍することになってるんだとか。ユース年代からのアイントラハト・フランクフルト育ちで、これまでに110試合に出場して24ゴールを記録してるらしい。

* 7月2日 追記

ロバート・デ・パウ監督 → アストン・ヴィラ

ドイツのレヴァークーゼンを直近2シーズン率いてたロバート・デ・パウ(Robert de Pauw)監督がアストン・ヴィラの新監督に就任することに。厳密に言えば監督だから移籍期間とか関係ないんだけど、新たにWSLにやってきた人物であることは間違いないと思うんで。アストン・ヴィラに関しては、前任のカーラ・ウォード(Carla Ward)監督の退任が5月の時点で発表されてたから後任が誰になるのか注目されててたんだけど、ロバート・デ・パウは42歳のオランダ人で過去にはオランダのトゥウェンテでは2022年にリーグとカップ戦の2冠を達成したこともあるらしい。レヴァークーゼンでの成績は、22/23シーズンが5位、23/24シーズンが6位だから基本的には中位チームだったって言っていいのかな。さすがにどんなサッカーをやるのかとかはわかんないけどWSL初挑戦らしいんで、とりあえず、ちょっと要注目かな、と。ちなみに、契約は3年+オプション1年とのこと。

* 7月1日 追記

アマンダ・ニルデン(25)→ トッテナム・ホットスパー

"WSL Watch #021"でも触れてる通り、冬の移籍マーケットでイタリアのユヴェントスからローンで加入してたスウェーデン代表DFのアマンダ・ニルデン(Amanda Nildén)が完全移籍でトッテナム・ホットスパーに加入することに。2018〜2020年にはブライトン&ホーヴ・アルビオンにも在籍してたことがある25歳のDFで、1月に加入してから主に左SBとしてリーグ戦10試合、830分出場したんで普通に主力として活躍したって言っていいはず。買取オプションがあったみたいだし、かなり納得感がある移籍かな。

24/25シーズン開幕までのスケジュールをチェック

WSLの今年の夏の移籍期間は6月24日〜9月13日までで、ちなみに、ヨーロッパ各国リーグの移籍期間は以下の画像の通り。

今年の夏の主要リーグの移籍期間

ついでに、新シーズンの開幕までのいろんなスケジュールをわかってる範囲でまとめとくと以下のような感じになってる。

  • 6月24日〜9月13日: 移籍期間

  • 7月12日・7月16日: UEFAウィメンズ・ユーロ予選(MD5・6)

  • 7月25日〜8月10日: オリンピック

  • 8月18日〜8月25日: チェルシー / アーセナル USツアー

  • 8月28日〜9月1日: ウェスト・ハム・ユナイテッド / マンチェスター・シティ / レスター・シティ パース・インターナショナル・フットボール・カップ

  • 9月4日: UEFAウィメンズ・チャンピオンズリーグ予選ラウンド1 アーセナル対レンジャーズ(勝った場合は9月7日にアトレティコ・マドリー対ローゼンボリの勝者と対戦)

  • 9月9日: UEFAウィメンズ・チャンピオンズリーグ予選ラウンド2 ドロー *マンチェスター・シティとアーセナル(ラウンド1を勝ち上がった場合)が対象

  • 9月21日: WSL 24/25シーズン開幕

各チームの詳しいスケジュールはあまり発表されてないみたいなんだけど、8月末頃からプレ・シーズンって感じなのかな? とりあえず、今年は夏にオリンピックがあって、ウィメンズ・フットボールの価値観ではオリンピックはけっこう重要っていうか、ビッグ・イベントであることは間違いないと思うから、当面はオリンピックが話題の中心になりそうだけど。ただ、実はオリンピックに出場するのは12ヶ国だけだし、イギリスみたいにWSLのチームに所属してる選手が多い国はあまり出場してなかったりするんだけど。しかも、ヨーロッパではオリンピック直前の7月の代表ウィークにUEFAウィメンズ・ユーロ(WEURO)の予選が入ってたりして、ヨーロッパからオリンピックに出場するのはフランスとドイツとスペインで、ドイツとスペインはもうユーロ出場を決めてるからまだマシだけど、フランスはオリンピックも開催国として出るのにWEURO予選もイングランドとスウェーデンと同組でけっこう熾烈だったりする、わりとムチャクチャなスケジュールだったりして。WSLでプレイしてるフランス代表選手はそれほど多くはないけど、対戦相手のイングランドとスウェーデンにはWSLでプレイしてる選手が多いことも含めて、やっぱりちょっと気になったりはするかな。

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