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今年もはじまります!

こんにちは、JVCエルサレム事務所の木村です。日本は新緑の良い季節になりましたね。この連休で数年ぶりに遠出をした方たちも多かったことと思います。

エルサレムでは、4月半ばまで続いたラマダン(断食月)明けのイード休暇も終わり、新たな気持ちでこの一年を迎えようという、「新緑」にふさわしい5月のスタートになりました。

5月3日、快晴。日中は30℃近くまで気温があがり夏のような気候のなか、 3年目となる東エルサレムでの「女性たちの生計向上とエンパワメント事業(※)」のオリエンテーションが行われました。この事業では、男性優位の社会のなかで社会的・経済的に自立したいと願うパレスチナの女性たちをサポートするために職業訓練などの機会を提供しています。

「何人くらいの女性が来てくれるかなあ」と不安を抱えながら迎えた当日。ふたを開けてみたら、現地パートナー団体AWCの会場に入りきれないほどの女性たちが!!! バスを乗り継いで遠くから参加してくれた女性もおり、本事業への期待値の高さが伺えました。

会場にはいり入りきらず、ホール入口では立ち見の女性たちも

研修担当のAWCスタッフ・ハニーンさんによる司会進行でオリエンテーションは始まりました。昨年の活動をまとめた動画をみてもらったり、今年の研修内容について説明したり、女性たちのさまざまな質問に答えたりと、ハニーンさんは大忙し。

パワーポイントを使って今年の研修について説明するハニーンさん(中央)
私(木村)もJVCを代表して挨拶させていただきました
(木村の隣は、現地スタッフ・アヤット、現地駐在員の大澤)
昨年の研修参加者の経験談を熱心に聞く女性たち
研修に関する質問をする女性

オリエンテーションの後、何人かの女性たちにオリエンテーションに参加した理由などを伺いました。

①ランダさん(40歳)
昨年研修に参加した友人からこの研修のことを聞きました。この研修を通じてビジネスパートナーを見つけてビジネスを始めたいと思っていますが、チョコレート作りにするか美容系のコースにするか迷っています。

②アジーゼさん(48歳)
オリエンテーションはAWCのFacebookを通じて知りました。私はすでに知人や親戚などに頼まれて自宅でお菓子をつくって売っていますが、自分のスキルを向上させたくて、研修への参加を希望しました。

③エマーンさん(33歳)
こういった研修に参加するのははじめてです。美容コースのヘアーカットと染髪に興味があります。技術を身につけたあとは、子どもが小さいので自宅で収入が得られるようなビジネスを始めたいと思います。

④ナワールさん(54歳)
料理のコースのほか、日々の生活上でストレスを抱えていることが多く、ストレスリリーフの活動にも関心があります。

他の参加者からは、「近々離婚するつもりで経済的に困っているため、収入を得るためのスキルを習得したい」、「夫が仕事ができない(しない)ため、借金を返さなければならない」、「子どもが社会人になり自分の時間がもてるようになったが、何をして良いかわからず、孤独を感じている」「近所の人たちとは仲は良いが、関係性が近すぎて個人的な悩みなどは話にくい。この研修を通じてそういった話のできる友人が得られたら嬉しい」といった話も伺え、ビジネスのための技術習得だけでなく、居場所としての地域の女性センター(AWC)の役割への期待も伺えました。

最終的に42人の女性がオリエンテーションに参加し、うち40人が研修参加の申込をしました。残念ながら研修を受けられる人数には限りがあるため、過去に研修に参加したことのない女性を優先してこのあと、受講生を決定します。

ひとりひとりの応募用紙を確認、それぞれの希望コースをリストアップする
(左から、JVC現地スタッフ・アヤット、AWCスタッフ・ハニーンさん)

今月から始まる研修の様子は随時お届けする予定ですので、お楽しみに。

※本事業は、外務省の日本NGO連携無償資金協力にて実施しています。

JVCのパレスチナ事業では、現地に暮らす人びとの意思を応援する形での支援を行なっています。また、パレスチナの問題を日本社会にも伝えることで、一人ひとりが取り組むための橋渡し役を担うことも試みています。 サポートしていただいた分は全額、JVCのパレスチナ事業に寄付いたします。