武田時宗・宗家独占インタビューについて13
武田惣角見聞記6
(承前)武田惣角が大東流中興の祖であるといわれても、所詮はアルプスの高嶺のように孤高な存在であったかも知れない。往昔の剣豪である一刀流開祖伊東一刀斎は各地で試合をして歩き一刀流を開いたが、その晩年も道場を持たず近隣の諸国を武者修行して歩いたといわれた。惣角も同じく老軀を駆って、その一生を道場を持たずに武者修行と称して全国各地を歩いた。戦前とは言え昭和15年代に誰彼の区別なく、次の言葉を口にしていた人間像に、一般の人にはどうしても理解が出来なかったことであろう