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武田時宗・宗家独占インタビューについて11

武田惣角見聞記4
(承前)寸暇を見つけては、大東館(北海道網走市北六条西7丁目)で技を指導するが、ふと、果たして資料の公開が出来るものであろうか?こうした悲観的な気持ちが被って、せっかくの決心がにぶくなってくるこの頃である。
最近人物往来社の刊行で『日本武道全集(昭和41年12月発行)』の第5巻に大東流合気柔術が収められた。その中で「合気道」が近年創始した武道であるとする風説に対して、「合気道」の源流は大東流合気柔術なりということが、東大教養学部資料編集室の研究によって、学術的に証明され公表されたことが切掛となって最近全国各地より問い合わせが殺到するようになった。また、この北辺の網走まで尋ねてこられる熱心な方も日増しに多くなって、私もその都度それら熱心な方に対応する機会が多くなりました。
過ぎ去った人と思っていた父武田惣角の存在が、今日になって蘇るのは、惣角の日常生活のことごとくが武道一筋の毎日であり、そのままが武技であり、心がけであったからであろうと、今更ながら思い知らされるのである。
昭和19年北海道網走市の一角に現大東館会長である山田道雄先生他有志の方々のご協力によって、惣角武者修行の終着地として大東館(50畳)が建立された。ここに武田惣角の武者修行の経験を加えられた大東流合気柔術が完全な形のままで伝承されることになった。これも大東流に対する理解とともに現山田会長を始めとする熱心な惣角後援者がおられた賜である。(続)

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