HeでもSheでもなく”Ze"という呼び方に表れる多様性への意識の変化。
先日、アメリカ在住歴の長い友人と話した。
英語圏でのメールのやりとりなどの時、最近は自己紹介の時は文末に”She /Her/Hers”が自分の代名詞ですよ~って、表記するのが当たり前になってきているそうだ。
性別の多様性があるから、自分がHeと男性の代名詞で呼ばれたいのか、Sheと女性の代名詞で呼ばれたいのか、人からはわからないから最初に自己申告しとくとのこと。
ノンバイナリーという表現もあるそうで、男性や女性でもなければ、身体は男性だけれど、心が女性とか、そんな風にハッキリとわけるものではなく、性別の区別という概念にとらわれない方をそう呼ぶのだそうだ。
宇多田ヒカルさんもノンバイナリーと告白されたそうですよね。
それだけ性別の多様性に開けてきたのだな~という時代の変化を感じると同時に、多様性が大事!とかそんなに声高に言わなくても、どっちでもいいような曖昧な感じにしておきたい人もいないのかな?と思った。
少なくとも自分なら曖昧にしたい。
出会って最初から自分の性についてカミングアウトするって嫌じゃないのかな?と。
一人の時もTheyと呼ばれたいと希望する人もいるらしい。性別を意識しない呼び方がtheyだからだそうだ。
でもtheyだと、やっぱり何人かいるように思われてしまう。そのあとネットで調べてみるとzeというtheyの一人称を考えた方がいると知った。
日本語の場合は「あなた」とか「わたし」とか「あの人」とか言えば、どんな性でも包括しながら使える。曖昧にするにはとてもありがたい言語だ。
****
こういった多様性の話をするときにいつも思うことがある。
少数派の差別にならないようにと、自分と違う価値観を意識して理解を深めようとする気持ちはとても素晴らしいと思う。
ただ少数派が生きやすいようにとルールを意識すればするほど「違い」に注目して区別することを強調するようになっていく側面もあると思う。
マニュアルを作るほど、マニュアルから外れたものが目立つのと同じように。
究極に理想論だけれど、区別自体は曖昧なのがいいと思っている。
でも困り事に対して必要なサポートを利用する権利はある。本当は全員がサポートが必要かどうかを自由に選べるのが理想だ。
だからzeと呼ぼうという発想がいいなと思った。今はまだzeと呼ぶことでより違いが区別されちゃうのかもしれないけれど。
何かをスタートする時は、最初は気付いて違いに注目することなのかもしれない。そこがスタート地点なのだと思う。
よろしければサポートお願いします。頂いたサポートは、公教育以外の学びの場の運営に役立ててもらう寄付に充てたいと思います。