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【書評】「〇〇思考」本はこれ1冊でOK「知的複眼思考法」苅谷剛彦著

現在、「〇〇思考」ブーム真っ只中です。

ロジカル思考、クリティカル思考、ラテラル思考、デザイン思考、アート思考、仮説思考、0秒思考…

そんな中、今回ご紹介するのは〇〇思考界のレジェンド、「知的複眼思考法」です!本当にすごい本です…。

知的複眼思考とは、一言で言うと「常識にとらわれず、自分の頭で多角的に物事を考える思考」です。

この本がスゴいのは、どうすれば知的複眼思考が出来るようになるか、その具体的なトレーニング方法が書いてあるという点です。

普通の「〇〇思考」は、いわゆる思考法の内容と具体例が書いてあるだけです。マッチョになるとこんなにカッコいいよ!人生が素敵になるよ!という事だけが書かれてて、どうすればマッチョになれるかは教えてくれません。

この本は筆者自身が論説の読解や作文をしながら、頭の中でどのように知的複眼思考を実践しているかのプロセスを説明しています。マッチョになるために、週何回筋トレして、どんな栄養を摂れば良いかを教えてくれます。

頭のいい人も、最初からズバッと綺麗な文章が書けたり、鋭い意見を思いついたりする訳ではなく、頭の中で何度も破壊と再生を繰り返しながら地道に物事を考えているんだなぁという生々しい思考の過程を見る事ができます。

実践的な本の読み方や文章の書き方などが書かれているのですが、ここでは第3章の「問いの立て方」をご紹介します。

問いの立て方

「イシューからはじめよ」が爆売れしていることからも分かる様に、問いを立てることは重要だと多くの人が理解していますが、「問い」にもスキルが必要です。

セミナーや授業などで「何か質問はありますか?」と言われ、完璧に理解した訳じゃないのに質問が全く浮かんでこない時があると思います。

筆者は疑問を「問い」に変換することで、考える道筋が見えてくると述べます。

具体的な方法は、問いをブレイクダウンし、1つ1つの小さな問いに分解して考えるといった方法があります。

例えば、「なぜ残業が減らないか」という問いも、「なぜ業務がこんなに多いのか」と「なぜ仕事が遅いのか」という要素に分解して、それぞれについて考えることで答えを導きやすくするといったような感じです。

問いを要素分解すると、2種類の問いの種類がある事に気づきます。

「どうなっているか」の問い…例「残業の実態はどうなっているか」
「なぜ」の問い…例「なぜ残業が多いのか」

「なぜ」の問いは答えの深掘りを誘発し、さらに深い考えへと導いてくれる力があります。

主語を要素分解しながら、「なぜ」と「どうなっているか」の問いを交互に挟む事で、どんどん新たな問いを誘発していきます。

なぜ残業が減らないのか→残業の実態はどうなっているか→なぜ生産性が低いのか→業務生産性はどうなっているか→なぜ仕事が遅いのか…といったような問いを繰り返すことで、最初はたどり着けなかった答えに近づく事ができます。

これが「問い」を立てる力であり、自分の頭で考える力を鍛える事が出来ます。

数ある思考法本の中でも、これほどまでに再現性のある本にはなかなか出会えません。

僕もこの本を読んで、改めて自分の読書経験を書評としてアウトプットする事の重要性を感じました。

役に立つ思考法を身につけたいと思っている方は、ぜひ一度この本を読んで、読書や文章を書く際に実践してみてください!

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