マガジンのカバー画像

ジュウ・ショのサブカルアニメマガジン

27
アニメについてサブカルチャー的な視点から紹介・解説。 学術書とか解説本みたいに小難しくなく、極めてやさしく、おもしろく、深ーく書きまーす。
運営しているクリエイター

#映画レビュー

エヴァンゲリオンが流行った理由とは|時代性・革新性・キャラ設定などから徹底分析

「『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』の初日興行収入8億らしいぞ」と聞いたとき、正直「え?」とびっくりした。感動すら覚えた。コロナ下の月曜だったのに……まだこんなに愛されているのがすごいと心底尊敬したわけです。 前作から9年ぶりということもあるが、まだまだ日本でのエヴァ人気は高い。もはやオタクとかサブカルとか、そんな話ではなく、立派なメインストリームだ。アニメ放送が1995年、社会現象化したのが1997年。新劇場版までの間が10年間あったにしても、もう25年くらいずっと愛

今敏について|46年の生涯、パプリカ・パーフェクトブルーなどの作品解説

今敏(こん さとし)の作品は、アニメ史のなかでも明らかに異質なものだ。ジャパニメーションブームが去った後に颯爽と現れて、海外に日本アニメの価値を再認識させたのは、今敏の功績が大きいでしょう。 このメディアでも何度か記事を書いてきました。 そんな今敏の作品には、いまだに熱狂的なファンが多いんです。サブカルオタクのなかで勝手に神格化され、崇め奉られているんですね。「パプリカしか観ていない」けど「今敏はすごい」と言いたくなるサブカル諸君もいるだろう。アレは「NEVER MIND

AKIRAとは|漫画・アニメ映画の両方について「何がすごいのか」を徹底解説

「ジャパン・カルチャー」といえば、今やフジヤマ、サムライ、スモウレスラーよりも先に「アニメ」「マンガ」がくる。 しかしもともとは、アニメもマンガも海外で生まれたメディアである。以下の記事でアニメやマンガの起こりを書いています。 ただ、今やマンガ・アニメといえば日本を代表するカルチャーであり、最近は「日本アニメを楽しむ海外オタク」の動画をYouTubeで観ることも増えた。 では、なぜ日本のアニメ文化がこんなにも海外でヒットしたのか……。その立役者は間違いなく「AKIRA」

ファム・ファタールとは|起源や言葉の意味、キャラクター紹介など

ファム・ファタール……それは美術、マンガ、アニメなどの世界で「男を惑わせる魅惑の女性」を指す言葉だ。本来の意味は「赤い糸で結ばれた運命の女性」となる。 「赤い糸」と書くとロマンチックに聞こえるが、いやいや、そんなに良いものでもない。もっと妖しくてキケンな存在であり、男はいつだってファム・ファタールの虜になって破滅してしまうものだ。 ではファム・ファタールとは具体的にどんな女性を指すのか。そしてなぜ長い間、クリエイターから愛され続けているテーマとなったのだろうか。 今回は

アニメ・美少女戦士セーラームーンはここがすごい! 幻の原作や変身シーンなどを解説

「月に代わってお仕置きよ!」 1990年代当時を生きた方はもちろん、現代に至るまであらゆる女の子を魅了してきた決め台詞だ。 「月に代わって」ってヤバいですよね。月の仕事を代行してるわけだ。とんでもないスケール感のお仕置きである。私が敵だったら「まず死は免れない」と悟る。スライディング土下座決めて詫びる。 このセリフで有名な作品はもちろん「美少女戦士セーラームーン」だ。日本国民なら誰もが知っている超名作だろう。 「セーラームーン」は、まさにアニメの歴史を塗り替えた作品と

没後10年、今敏のアニメ作品を映画館で観てきた

今 敏が没後10年とのことで高田馬場の映画館・早稲田松竹にて再上映された。「東京ゴッドファーザーズ」「パプリカ」「パーフェクトブルー」「千年女優」の4作品が上映される。コロナの影響もあって席数は55。チケットの先行販売は無し。10時から現地にて購入可能、ということで朝8時にはもうこんな感じだった。 早稲田松竹を知る方いわく「え、こんな行列見たことないよ」とのこと。死後10年が経っても、いまだに今 敏のカリスマ性に惹かれる人はこんなに多い。比較的、若い方が多い。早稲田や目白の

今敏「パプリカ」と「パーフェクトブルー」のシュルレアリスム的側面

さて以前、今 敏の作品を映画館で観てきた、という話をした。 高田馬場でパーフェクト・ブルーと千年女優を観て、昂まったあとに、パプリカと東京ゴッドファーザーズも池袋の新文芸坐で観て、いたくいたく感動したわけだ。 ちなみに、同映画館では夜通し「妄想代理人」を一気見するという、かなまら祭も霞むほどの奇祭もやっていた。しかし、深夜にそんな無謀なことをすると、いよいよ夢と現実の境目がなくなってしまいそうなので、行くのをやめたわけである。「気付いたら、ゼビオとかで金属バットとローラー

【歴代一覧】テレ朝日曜8時30分アニメ枠が好きな大人たちへ

どうもクリスマスイヴだというのに「魔女見習いを探して」を見てしまった男です。いやはや、おもしろかった……。 いや〜、そりゃ、おもしろいわ。だってメタ設定が、もう……。ターゲットが完全に我々世代じゃないですかこの映画。カラオケで「おジャ魔女カーニバル!!」を歌って「教科書見〜ても!」のあとに(みーてもっ!?)って、渾身の合いの手入れたがる世代に向けた映画じゃないですか。 あと「おジャ魔女どれみ 誕生20周年」と見て「に……20年!? まじで? 果てたいんだが」となった大人は