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【うつと私】「十分な休養」という難しさと、私なりの実践。


「うつ病をよくするためには、十分な休養をとりましょう」

よく聞く言葉だ。
うつ病だけではなく、いろんな病気でも、「十分療養しましょう」ということは言われる。

この「十分な療養」というのがほんとに難しい。
私は本格的な療養を、一人暮らしにて、大学休学という形で経験したが、これがかなり難しかった。

一人暮らしだと、食事、洗濯、掃除、買い物、ゴミ出し…すべて一人でする必要があるから、嫌でも動かないといけない。
実家暮らしなど誰かと一緒に住んでいると、頼れる人がいればその人の家事などやってもらえるかもしれないが、自責感など強い方にとっては「それに比べて自分は何もできない…」と自分を責めてしまい、気が休まらないことも増えると思う。

言葉だけ、口だけで「よく休んでね」というのは簡単なのだが、実際すごく休むことは困難だ。
また、一人暮らしだと、何もしないと生活がまわらないから、動かざるを得ない。
どうしたらよいのだろうと、私はずっと悩んでいた。

休学療養を終えて、私が考えたのは、
「療養=何もしないこと、ではない。いかに必要以上のことを考えずに生きられるかだ」
ということである。
療養のために、療養しやすいマインドに変えることのほうが重要ではないかと、思うのだ。

特に私の中で考えて気を付けたことは、
①思考の軸を他人から自分にすること
②長期的なことは考えずなるべく「今日」「今」に集中する

の二つだ。

①思考の軸を他人から自分にすること
なるべく療養中は「自分」の感情に敏感になってみる。
今自分が何をしたいか、何を食べたいか、何を考えているか。
そのように、自分の気持ちに素直になるようにしてみる。
療養していても、「みんなは働いてるのに自分ときたら…」「友達は…」「家族が…」と考えているときは、思考の軸が他人に傾いている。
自己嫌悪に陥る人は、他人と比べてしまうことが多いと思うので、そういう自分に気づくのもポイントだと思う。

②長期的なことは考えずなるべく「今日」「今」に集中する
療養したてのころは、なかなか未来の見えない日々が続く。
①の通り、自分が「今日」「今」何をしたいか、という、短期的ですぐわかるものに焦点を当ててみる。
「昔はあんなだったのに」「将来どうなっているだろう」という、遠いものに思いを馳せるより、「今自分はなにがしたいか」ということにスポットライトを当ててみる。

①②をまとめると、
「今、自分自身が感じている感覚に素直になる」というのが、私なりの療養のコツだと思う。
そして、それを安心して実践できる環境があればなお良しである。

療養してすぐは、なかなかすぐに前向きにもなれず、苦しい日々も続く。
たぶん最初は「ひたすら寝たい」とか、「食欲がわかない」とか、「じっとしてたい」とかから始まる。
それでいいのだ。
その自分の感覚に、嘘をつくのは辛いし、結局自分の感覚を否定し続けると、また心が疲れてしまう。

私は、最初は自分の思うままに動いた。
眠たい時は眠ったし、ご飯も食べられそうなものだけ選んで食べていたし、洗濯や食器洗いも、毎日しなくていい。
掃除機だってたまにでいいし、「これでいいんだ」って、毎日言い聞かせてた。
周りがどんなに進んでいても、「自分は自分だから」って。

結果的に、最終的に、心地よく生きられればそれでよい。
休んでるときは、あなたが心地よく、やりたいことをやれればそれでいいんじゃないかと思う。
自分の体の感覚に耳を澄ませて、自分の思うことをこなしていっていけば、いつか少しずつ、「これがしてみたいな」「これなら食べられそうだな」「これならできそう」という風に、回復していくのだと思う。

あなたが、あなたの声に、耳を傾けられるよう、なりますように。


毎日のコーヒー代に。