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本当の理由シリーズ~桜の木と正直者のワシントン~

アメリカ合衆国の初代大統領ジョージ・ワシントン。
ワシントンと言えば、父が大切にしていた桜の木を切ってしまったが、正直に切ったことを認めたので許してもらえ褒められた、というエピソードをご存知の人も多いだろう。
この話には実はもう一つ、父が息子を許すしかなかった本当の理由があったんです。


まもなく夕食が始まろうかという時、突然、父は息子を呼んだ。
ワシントン父「ジョージ、ジョージ。ちょっとこっちへ来なさい」

ジョージ「パパ、なんだい?」

ワシントン父「パパに隠していることがあるだろ、正直に話してみなさい」

ジョージ「えっ、ないよ。なんのこと?」

ワシントン父「もう一度、自分の胸に手を当てて、わたしに話すことがないか考えてみなさい」

ジョージ「うん・・・。やっぱりないよ。変なパパ」

ワシントン父「ジョージ。わたしの目を見て、正直に言うんだぞ」

ジョージ「うん」

ワシントン父「お前、庭のパパが大切にしていた桜の木を折っただろ」

ジョージ「えっ・・・、折ってないよ・・・」

ワシントン父「正直に言いなさい。正直に言えばパパは怒らん」

ジョージ「うん分かった。折っちゃった。ごめんね」

ワシントン父「コラ、ジョージ!なんで始めから正直に言わんのだ!」

ジョージ「嘘つき!怒らないって言ったのに」

ワシントン父「お前が始めから正直に話さないからだろ!」

ジョージ「だって、正直に言ったら絶対怒るもん」

ワシントン父「理由を言いなさい。なんで桜の木を折ったのだ?」

ジョージ「ムカついたから。僕ね、ムカついたものは斧で切るって決めてるんだ~。きょうも学校で先公にムカついたら斧で切ってやろうかと思ったけど、逃げられちゃったよ。明日はぜったいに切るよ、えへへ。」

ワシントン父「ムカついたものは・・・、切るのか・・・」

ジョージ「うん、今も斧研いでたんだ!」

ワシントン父「しょ、しょ、しょ、正直に、は、は、は、話してくれて、あ、あ、あ、あ、あ、あ、ありがとう。お、お、お、お、お前は本当に偉いな・・・」

父は正直に話した息子を許しました。
この後、中学生になったジョージが校舎の中をバイクで走り回るのだが、その話はまたどこかで・・・。


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