眠れぬ夜のブックカフェ

一日一度は書店に通う本屋好き。出版社勤務。元漫画編集者。読書や創作、書店、出版界の話を…

眠れぬ夜のブックカフェ

一日一度は書店に通う本屋好き。出版社勤務。元漫画編集者。読書や創作、書店、出版界の話をします。好きな作家は村上春樹、小林秀雄、佐野洋子、色川武大、川上未映子、大江健三郎、開高健、須賀敦子、太宰治、三島由紀夫、サリンジャー。

マガジン

  • 本の命、本の謎、本の運命?

    本にまつわる謎、本の運命、本好きの宿命、本好きの責任などなど。

  • 読むことは受け身ではない!

    「読む」という行為は、受け身な行為ではない。非常にクリエイティブです!というお話を書いていきます。

  • 私はこんな人たちが好き!

    大好きな作家や作品、また好きなフレーズなどをまてめています。

  • 書くことは人生のスパイスです

    書くとはいったい何か?また、noteを書きながら自分が気づいた細やかなことをまとめました。

  • 本屋さんの話をしよう

    本屋さんや本屋大賞の話、書店業界の話について話をしよう。

記事一覧

宮沢賢治で一番すぐれた作品は何か?と聞かれたら?

宮沢賢治で一番すぐれた作品は何か? という質問を、えんえんと し続けてみたい。 学生時代、私は不毛にも、 この種の問いかけを 太宰治でやっていて、 しばしば、議論に、…

【作家】進化する作家?進化しない作家?

最近、文庫になった 吉本ばななと宮本輝の  対談集『人生の道しるべ』を 読んでいます。 吉本ばななも、宮本輝も、 私には懐かしい「昔の恋人」です。 今から30数年前、…

【生き甲斐】もっとnoteさんに感謝しようっと!

目眩がする。フワフワする。 いや、目眩がする、と書くから 余計に目眩が本当になってしまう、 かもしれない。 noteを2日続けて休んだ。 1日休むことは多々あれど(汗…

【推薦図書】スタバに行ったら秋のオススメ本が板書されていた!

今日は、仙川のスタバに来たら 思いがけない物を発見しました。 いつもコーヒー豆やドリンクの お話を手書きしている小さな黒板に、 こんな事が書いてあったんです。 「…

【読書】老いについて考える10冊を選びました。

今日は、老いにまつわる本の 選書を考えたいと思います。 理由はシンプルに敬老の日だから(笑)。 とはいえ、 老いに対して敬意を払う作品に 限りたくはありません。 ただ…

米津玄師が好きな文学者は石川啄木、種田山頭火、宮沢賢治。当然か?意外か?納得か?

ミュージシャン・米津玄師。 たぶん、今いちばん人気、実力 ともにある米津玄師。 そんな彼の歌詞を聞いて まずその独創性に 圧倒されていました。 優しくて悲しくて。 で…

【哲学】日常の思想と、非日常の思想はどう違う?

日常の思想と 非日常の思想。 日常を支える思想があるように、 非日常だからこそ必要な思想、  非常事態に陥った人間を救う思想、 そんな役目の思想もあると。  私は思…

【三島由紀夫】三島作品はスキャンダラスに計算されている

三島由紀夫は、純粋な 純文学作家ではない、、、。 という気がします。 必ず、発表したら話題になるよう いわゆる、販売プロモーションを しっかり諮っているからです。 …

仏、天、平等、歴史、成長…どんな時代にも象徴的パワーワードがあった

「いつの時代にも、 その思想界を宰領し、 思想界から偶像視されている 言葉がある様です。   仏という言葉だった事もあるし、 神という言葉だった事もある。  徳川時代…

【読書エッセイ】群ようこが愛する本ベスト24冊

群ようこさんの愛読書エッセイが あります。 『鞄に本だけつめこんで』 群ようこ、新潮文庫。 この本は面白そう、 と思って買いました。 群ようこさんは、 『かもめ食堂…

noteを毎日投稿するために必要なのは何?

今日は、楽屋話を少々。 先週は、1週間、 気持ちよくnoteが書けました。 1週間、ネタもうまく浮かび、 (質の方はさておき…) 1日も休まずに、 ネタにも困らなかったこ…

【読書】日曜の夜にピッタリな本って何だろう?

ちょっと困るのが、 日曜の夜に何を読むか問題。 日曜の夜、何か読もうとして 色々と迷う部分がある。あります。 ありますよね? 日曜の夜だから、 あまりネガティブな世…

【読書】死ぬまでに読みたい本を考える《続編》

今日もまた、 死ぬまでに読みたい本について 考えてみようと思います。 まずは、 大江健三郎晩年3部作は、 老年だからこそ読みたい本だ。 『取り替え子』 『憂い顔の童子…

【谷崎】死ぬまでに読みたい本って何ですか?!

死ぬまでに読みたい本って なんだろう? 日本人に生まれ、 老年を迎えようとする人間なら せめて、谷崎潤一郎の『細雪』は やはりマストで読まないと、、、。 そうずっと…

【ハンナ・アレント】政治哲学なんてもう必要ないと思ってた

今日は、こんな本を買った。 ◯マルクス・アウレーリウス 『自省録』 ◯ハンナ・アレント 『人間の条件』 まさか、54才にもなって こんな青白い哲学書を 読みたいと思う…

【真実】読書をするのは、絶対に本当の事に出会うため

読書をする。 本を読む。 雑誌や新聞のコラムを読む。 1秒でも長く活字を追いかけ、 読んでいる。 それは活字中毒だからだろう? 以前は、そう簡単に 決め込んでました…

宮沢賢治で一番すぐれた作品は何か?と聞かれたら?

宮沢賢治で一番すぐれた作品は何か? という質問を、えんえんと し続けてみたい。 学生時代、私は不毛にも、 この種の問いかけを 太宰治でやっていて、 しばしば、議論に、時には 激しい水掛け論になったこともあった。 若かった、若すぎた(笑)。 ところが、 宮沢賢治となると、 これがたちまち温かい話しあいになる。 『銀河鉄道の夜』かな? 『注文の多い料理店』かな?など 実に不思議なことですが、 温かい話し合いになる。 これ自体が、宮沢賢治の魅力なのかも しれないですね。  みんな

【作家】進化する作家?進化しない作家?

最近、文庫になった 吉本ばななと宮本輝の  対談集『人生の道しるべ』を 読んでいます。 吉本ばななも、宮本輝も、 私には懐かしい「昔の恋人」です。 今から30数年前、 私が二十歳前後の頃に、 面白くて人気も高く、 私もドハマりしていました。 かつての恋人たちと会っているような、 懐かしく優しい気持ちになったんです。 それにしても、 この懐かしさは貴重だ。 吉本ばななも、宮本輝も、 最新作を読んでも、 30数年前と、読んだ印象が同じです。 宮本輝の最新作を読んでも、 結局

【生き甲斐】もっとnoteさんに感謝しようっと!

目眩がする。フワフワする。 いや、目眩がする、と書くから 余計に目眩が本当になってしまう、 かもしれない。 noteを2日続けて休んだ。 1日休むことは多々あれど(汗) 2日も連続で休むことは初めてでした。 3日前くらいから? 目眩がフラフラするというか、 雲の上を歩いているというか。 頭の中が霧がかかってるというか、 そんな感覚が辛くて、 昨日、内科に行ってきた。 目眩止めとビタミン剤をもらい いくつか検査も受けました。 目眩がするから、 さすがにスマホを開く気持

【推薦図書】スタバに行ったら秋のオススメ本が板書されていた!

今日は、仙川のスタバに来たら 思いがけない物を発見しました。 いつもコーヒー豆やドリンクの お話を手書きしている小さな黒板に、 こんな事が書いてあったんです。 「独断と偏見で選ぶ、 読書の秋に敢えて読みたい本たち! ①『読書について』 ショーペンハウエル著 ②『書を捨てよ、町に出よう』 寺山修司著 ③『華氏451度』 レイ・ブラッドベリ著」 実際には、黒板には、さらに それぞれについて簡潔な紹介文も しっかり書かれています。   スタバのスタッフさんに 寺山修司

【読書】老いについて考える10冊を選びました。

今日は、老いにまつわる本の 選書を考えたいと思います。 理由はシンプルに敬老の日だから(笑)。 とはいえ、 老いに対して敬意を払う作品に 限りたくはありません。 ただ、老いについて、 関心を持たれたいのが本音です。 まだ、書店に行く訳でもなく、 アマゾンで調べる訳でもなく、 パッと浮かぶところから行きましょう。 それにしても、 青春に比べて、若さに比べて、  老いに取り組む本はなかなか少ない。 どうも、老いはこれまで 分が悪かったのだろうか? いや、四の五の言うのはや

米津玄師が好きな文学者は石川啄木、種田山頭火、宮沢賢治。当然か?意外か?納得か?

ミュージシャン・米津玄師。 たぶん、今いちばん人気、実力 ともにある米津玄師。 そんな彼の歌詞を聞いて まずその独創性に 圧倒されていました。 優しくて悲しくて。 でも、実は深く影響された 3人の文学者がいることを、 米津玄師自身が語っていました。 9月上旬のテレビで。 その3人は、 宮沢賢治、石川啄木、種田山頭火。 おそらく、 彼の歌をこよなく愛するファンには このメンバーは、 意外であったり、 感心したり、 改めて好きになったり、 感想はそれぞれでしょう。 私はビッ

【哲学】日常の思想と、非日常の思想はどう違う?

日常の思想と 非日常の思想。 日常を支える思想があるように、 非日常だからこそ必要な思想、  非常事態に陥った人間を救う思想、 そんな役目の思想もあると。  私は思ってました。 思想、思想いうと硬い印象ですが、  マナーやエチケット、考え方、 といったものでしょう。 さて。上記の私の浅い考えを 吹き飛ばすような文に出会いました。 小林秀雄『文学と自分』(1940年) 「今度、文芸銃後運動の講演旅行に 参加させて戴いたが、僕は平素考え ている処と違ったお話をしようとは 

【三島由紀夫】三島作品はスキャンダラスに計算されている

三島由紀夫は、純粋な 純文学作家ではない、、、。 という気がします。 必ず、発表したら話題になるよう いわゆる、販売プロモーションを しっかり諮っているからです。 だからといって、 作品の価値が下がる訳ではなく その作家の価値が堕ちる訳でもない。 まず、三島は マスコミや世間が 賛否両論にわかれるような題材を 選んでは作品にしてきた一面がある。 自身には同性愛の傾向がある、 と「告白」した『仮面の告白』。 三島由紀夫の名前を 日本文学の歴史に刻みつけた話題作は しか

仏、天、平等、歴史、成長…どんな時代にも象徴的パワーワードがあった

「いつの時代にも、 その思想界を宰領し、 思想界から偶像視されている 言葉がある様です。   仏という言葉だった事もあるし、 神という言葉だった事もある。  徳川時代では天という言葉が  そうだったし、フランスの   18世紀では理性という   言葉がそうだった。  現代にそういう言葉を求める と、それは歴史という言葉だろう と思われます」 これは小林秀雄の文章(元は講演)、 『歴史と文学』の冒頭です。 なるほど、小林秀雄は いつも上手いことを言う。 どんな時代にも、 象

【読書エッセイ】群ようこが愛する本ベスト24冊

群ようこさんの愛読書エッセイが あります。 『鞄に本だけつめこんで』 群ようこ、新潮文庫。 この本は面白そう、 と思って買いました。 群ようこさんは、 『かもめ食堂』位しか 読んで来なかった。 でも、読書エッセイは きっと面白いに違いない。 まだ読了はしてませんが、 目次をここに引用してみます。 1冊め 幸田文『父・こんなこと』 2冊め 梶井基次郎『檸檬』 3冊め 梶山季之『色魔』 4冊め 金子ふみ子『何が私をこうさせたか』 5冊め 坂口安吾『堕落論』 6冊

noteを毎日投稿するために必要なのは何?

今日は、楽屋話を少々。 先週は、1週間、 気持ちよくnoteが書けました。 1週間、ネタもうまく浮かび、 (質の方はさておき…) 1日も休まずに、 ネタにも困らなかったことは 我ながら驚いています。 それはなぜだろうか? 言葉で言うのは簡単ですが、 メンタル、フィジカル、 共にバッチリだったから。 落ち込んだり、 風邪で寝込んだりしなかったから。 これがなかなか難しい。 もともとメンタルは弱い人間だし、 風邪も引きやすい。 仕事で失敗することもあるし、 会社の人間関

【読書】日曜の夜にピッタリな本って何だろう?

ちょっと困るのが、 日曜の夜に何を読むか問題。 日曜の夜、何か読もうとして 色々と迷う部分がある。あります。 ありますよね? 日曜の夜だから、 あまりネガティブな世界に いざなわれたくはない。 かといって、 バリバリに興奮するタイプの本は またちょっと違う気がする。 まして、先が気になるミステリーは まず敬遠しておきたい。 やっぱり、日曜の夜は 心おだやかになれる本がいいですね。 それも、ささやかな幸福感があると、 日曜の夜に合ってますね。 交感神経でいうところの、

【読書】死ぬまでに読みたい本を考える《続編》

今日もまた、 死ぬまでに読みたい本について 考えてみようと思います。 まずは、 大江健三郎晩年3部作は、 老年だからこそ読みたい本だ。 『取り替え子』 『憂い顔の童子』 『さようなら私の本よ!』。 年を取るにつれて 丸くなるのではなく 尖ったキャラの老人たちが 世の中と対峙して行く姿は、 それまでマンネリ化していた 大江ブンガクが一変したと リアルタイム時から 注目、話題を受けていた。 さて。死ぬまでに読みたい本は まだまだありますよ。 橋本治の未完の遺作 『人工島戦

【谷崎】死ぬまでに読みたい本って何ですか?!

死ぬまでに読みたい本って なんだろう? 日本人に生まれ、 老年を迎えようとする人間なら せめて、谷崎潤一郎の『細雪』は やはりマストで読まないと、、、。 そうずっと感じてきたものの、 なかなか『細雪』には 手が伸びないできました。 他の『春琴抄』や『蓼食う虫』 『痴人の愛』は、 まあ面白そうに感じたし、 面白く読めたし。 でも、太宰や三島を読む時に比べ、 ドヮーッと引きずられたりは しなかった。 それが、谷崎、最高傑作 『細雪』になると、 なぜか、食指がどうも動かない。

【ハンナ・アレント】政治哲学なんてもう必要ないと思ってた

今日は、こんな本を買った。 ◯マルクス・アウレーリウス 『自省録』 ◯ハンナ・アレント 『人間の条件』 まさか、54才にもなって こんな青白い哲学書を 読みたいと思う人間になるとは? 予想していなかった。 ハンナ・アレントは なかなか入りにくい哲学者です。 たしか、数年前に 彼女の大作『全体主義の起源』は 時代の要請と、 テレビによる話題性から、 ちょっとしたブームになりました。 20世紀を生き、 ナチスとリアルタイムで 対峙したユダヤ人政治哲学者の 渾身の大作でし

【真実】読書をするのは、絶対に本当の事に出会うため

読書をする。 本を読む。 雑誌や新聞のコラムを読む。 1秒でも長く活字を追いかけ、 読んでいる。 それは活字中毒だからだろう? 以前は、そう簡単に 決め込んでました。 でも、それだけではない。 ないよなあ、やっぱり。 では、なぜ活字を読むのか? 本を読むのか? それは「本物」に 出会いたいから、ではないか? 本物。 昔から、私はこの単語が好き、 かつ、この単語に弱かった。 本物とは何か? ずっと考えてきましたが、 あ、それ、それそれ!と よく言い当てている言葉