筒井淳也

社会学(計量分析、家族社会学)。立命館大学教授。博士(社会学、一橋大学) https:…

筒井淳也

社会学(計量分析、家族社会学)。立命館大学教授。博士(社会学、一橋大学) https://researchmap.jp/read0192468

最近の記事

『未婚と少子化』正誤表

正誤表です。次の刷で訂正されます。 第一刷(2023.12) 31頁 (誤)6万4000ドル (正)5万2千ドル

    • ジェンダーギャップ指数をどう受け止めるか

      毎年この時期、メディアの恒例行事ともなっているジェンダーギャップ指数(gender gap index)ですが、いつものことながら、違和感をもつ日本人も多いのではないでしょうか。 違和感の理由にも色々ありそうです。いわゆる経済的豊かさの指標(一人あたりGDPなど)とはかけ離れた順位になる上に、多くのアフリカ諸国よりも日本が下にランク付けされています。素朴に「何かがおかしい」と思わせてしまうところがジェンダーギャップ指数にはあることは否定できません*。 *本川先生の疑問、畠

      • 『数字のセンスを磨く』内容(ちょっとだけ)紹介(「因果」の章)

        前々回は『数字を磨くセンス』第一章(数量化)、前回は第二章(比較)について少しだけ紹介しました。今回は第三章(因果)についてです。 数量化のところでも比較のところでも、「そろえる」ということが重要な意味を持つことを強調しました。因果、特に因果推論(causal inference)と呼ばれる統計学の手法では、この「そろえる」という作業をできるだけ突き詰めることが必要になります。 しかし、なぜ因果推論、すなわち特定の介入=処置が効果を持ったかどうかを考える上で、「そろえる」

        • 『数字のセンスを磨く』正誤表

          正誤表です。次の刷で訂正されます。 第一刷(2023.2) 39頁注 (誤)長澤克 (正)長澤克重 271頁2行目の式 (誤)佐藤さんの時間あたり賃金(1000) (正)佐藤さんの時間あたり賃金(1200) (誤植ではないが、わかりにくいので修正予定) 281頁の図の説明、最後の行「平均値の周り」を、「平均値(全体の平均ではなく、個体=グループの平均値で、図中にはそれぞれ二つ示されている)の周り」に修正予定。 第二刷120頁終わりから2行目 (誤)2×3=6 (正)

        『未婚と少子化』正誤表

          『数字のセンスを磨く』内容(ちょっとだけ)紹介(「比較」の章)

          前回は『数字を磨くセンス』第一章、「数えることのセンス」について紹介しました(章のタイトルは「数量化のセンス」)。今回は第二章、「比較のセンス」についてちょっとだけ紹介します。 数量化のところでも触れましたが、何でもいったデータ化されてしまえば、私たちはその数字の背後にある異質性(実際にはばらばらかもしれないこと)を忘れてしまいがちです。 このことは比較をする際にも同じで、たとえばオリンピックのたびに私たちは「国別メダル数ランキング」に一喜一憂しますが、「メダル一個」の価

          『数字のセンスを磨く』内容(ちょっとだけ)紹介(「比較」の章)

          『数字のセンスを磨く』内容(ちょっとだけ)紹介

          目次とキーワード 数量化のセンス:数えることの難しさ、数量化のジレンマ 比較のセンス:数字の魔力、比較のパラドックス、数字の独り歩き、質的研究 因果のセンス:因果推論、異質性、実験、処置のジレンマ 確率のセンス:偶然の利用、スポーツと偶然、コイン投げ、自然発生的偶然 分析のセンス:データの構造、ビッグデータ、予測モデル、機械学習 数量化のセンス再訪:個体、データサイズ、反復観察 光文社さんが、「はじめに」をアップロードしてくさいました。 一番伝えたかったこと

          『数字のセンスを磨く』内容(ちょっとだけ)紹介