第二話　愛する気持ちは繋がってるから。。。

ある朝起きてみると

庭にポッカリと穴が開いていました

最初はこんなところに穴が出来て

困ったなぁ…と案じていましたが

その内にみんなが

自分のいらない物をどんどん捨て始めました

不思議なことにその穴は

いくら捨てても一杯にはならなかったのです

どんどん捨ていると

だんだんこころも麻痺して来ました

形のある物の他に

形のないこころや

愛情や思いやりの気持ちなども

特に必要のないことのように感じ始めて

ポイポイ捨てて行って

だんだんに何も感じなくなり

身軽になったと思った途端に

街では奪い合いによる強奪が始まっていました

こころを捨ててしまった人たちは

悪いとか痛みとかも感じ取れなくなってしまって

街は収集がつかないほど荒れ果てました

他の人のことなど

もうどうでもよくなった人たちは

自分勝手になり

喧嘩ばかりして傷つけ合っていたり

こころは大変に荒んでしまって

だんだん後悔し始めます

『こころは本当に大切だったんだ。。。』

そのことに気づき始めた人たちは

必死に穴から真心や愛情や

思いやりといった気持ちを取り戻そうとました

だいぶ汚れて荒んでしまっていたけど

それらはかろうじてまだ生きていたのです

傷ついたところを丁寧に手当てして

もう一度、周りを見渡してみると

当たり前だと思っていた日常が

今まで通りにだんだんに戻って来て

みんなが互いに

こころをいたわり合うことを想い出しつつありました

奪われた物も少しずつ戻って来ましたが

何よりも大切な

互いをいたわる気持ちや

『愛する気持ち』が戻って来たことで

こころはとっても満たされた気持ちなれたのです。。。

そしていつの間にか

庭に開いた大きな穴も消えていたのでした

こころは見えないところできっと繋がってる

自分しか見えなかった虚しさの穴を塞いで。。。

大切なこころを失くさないように

自戒の想いを込めて。。。