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SPAC『アンティゴネ』空間デザインノート(0)「冒険の終わりに」

2017年7月、世界三大演劇祭の一つに数えられているアヴィニョン演劇祭において、宮城聰率いる静岡県舞台芸術センター・SPACがギリシャ悲劇『アンティゴネ』を上演した。アジアのカンパニーとして初めて、この歴史ある演劇祭のオープニングを飾ったこのパフォーマンスはヨーロッパ演劇界に大きなインパクトを与えた。2019年に行われたNY公演では、TIME誌の選ぶ全米年間ベストパフォーマンス(演劇公演)の第6位に選出された。そして2021年5月、念願が叶って日本での凱旋公演がSPACの地元、静岡市の駿府城公園の野外特設劇場でフルサイズの再演が行われる。この規模での日本での再演が行われるのはおそらく最初で最後でないかと言われている。世界をめぐり、故郷に帰ってきたこの規格外の作品はここで一旦区切りを迎えることになる。恐らく100名近くかそれ以上の、この公演に携わってきた人間が、それぞれの想いをもって、今公演の幕が開く瞬間を待っている。私もここで、私が携わった「空間構成」という立場から、この作品に込められた思いをお伝えできればと思い、初めてnoteへの投稿をしてみることを思い立った。書き始めたばかりで、いったいどの様な形で話が終えられるのかはよくわかっていないが、とりあえず書き進めてみようと思う。(2021年5月2日 駿府城公演初日に)


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