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鳳仙のオタクがザワクロを見た話

はいあんどろーざわーすとくろすを見ました

見ました。

LDHにわかなのでハイロー本編も今年ようやく見たような有様なんですが、とにかく見ました。地味に映画館でハイローシリーズを見るのは初めてです。
前作「ザワースト」はLDHを勧めてくれた人がハマっていたのもあって割と初期に視聴しましたが、川村壱馬さんが華やかでスターだったので物語に入って行きやすく、開幕オロチ兄弟SNAKE PITにぶち上げられたまま全編楽しむことができました。ハイローの狂った高校こと鬼邪高校とクローズの殺し屋鳳仙学園がかち合うというエイリアンvsプレデター並みの豪華な共演、頭を張る2人のタイプの違うイケメン(楓士雄とサッチー)、脇を固めるイケメン(司と小田島とand more…)、良い味しか出さない推し(オロチ兄弟)と神がかった楽曲と非常に印象的な作品でした。

そんなザワの続編が出る、タイトルはザワクロ(HiGH&LOW THE WORST X)という一報が駆け巡ったとき、オロチ兄弟が出ない! という第一報にシュンとしつつ、とにかく9月の公開を心待ちにしたものです。続編がちゃんと映画公開されるって素晴らしい〜
しかも何やら内外から豪華キャストが揃ってるという情報まで聞きつけ、ざっと公開情報を見ていたんですが

鳳仙学園今回もがっつりでますね!!!!しかもキャスト増し増しで!!!!!
ホリナツくん!!!!!!!

諸事情あってクローズゼロ以来の“殺し屋鳳仙”のオタクをしているので鳳仙が一回限りの客扱いでなくてとてもよかった。うちのTLには現在も進行形で漆原凌に情緒を狂わされてる人が多数いる始末ですが(大先輩)、鳴海といい竜也といい漆原といい、佐智雄といい小田島といい門司といいキレた感じのクールな男が代々幹部に収まることで定評のある鳳仙が健在で嬉しかったです。特異点鳳仙。いつの時代もヤンキー映画に鳳仙。ハイロー本編ではMIGHTY WARRIORSを推していますが、WORSTだと鳳仙から離れられません。強いヒールが好きなのかもしれない。

そんなわけで鳳仙が今作でも異彩を放つ魅力的な団体だったのですが、物語の主軸はやはり楓士雄と司の無二の友情、そして二項対立的に描かれる瀬ノ門工業の主従関係で、映画の主軸はまぎれもなくそこにありました。今作は特に「男が男に惚れ込むってのはこういうことだぜ」に焦点を当てており、美学的で理念的な行動指針を肯定するとともに幼馴染の代え難い連帯を美しく描いていて、刺さる人には刺さって抜けねえんじゃないかと思います。2組の幼なじみのクソデカ感情の在り方をありありと描く一方、グループの手綱を握るクレバーなリーダー(江罵羅の鮫岡)や純粋なクレイジー(鎌坂の氷室)もいたり、ラオウというよりそれは山のフドウでは…? みたいな鈴蘭の心優しき武闘派ラオウとその一味もいたり(マーシーがよすぎる)、いろんな人のツボどころを痛いくらい押してくる容赦のないヘキの煮凝りでつよい……なんてつよいコンテンツ……と唸らざるを得ませんでした。そうそう、一部界隈に熱狂的なファンがいるインテリヤンキーこと永沼伊久也さんが今回瀬ノ門の命運を分けるキーマンとして幹部級の役どころにいたのも美味しかったです。エクアドルの話を擦ってくるかちょっと期待しました。んなわけ。

司と楓士雄の信頼関係は演者同士のメタ的なところではもちろんのこと(先月あたりからもはや雑誌の表紙はかずほくジャック状態だった)、作中の「司と楓士雄」のやり取りが信頼と愛着と相性の良さに満ちていて前作も凄かったけど今回の方がすげーーーとなりました。お互いの行動の足場にお互いがいると信じ込んでいる関係性がアツい。そこには何の疑いの余地もなく、言語化もわざわざしないんだけど本人たちが思っている以上に相互に巨大で堅実な感情が行き交っていて、その安心感があったからこの映画もエンタメに極振りして見れたのかなと。仲間が拉致監禁されて暴行されるシーンなんて昨今の情勢下でPG-12で公開して大丈夫かといらん心配までしてしまいましたが、なんとかその画角を出さないことによってギリギリR-15を回避してるという印象を受けました。しかしこんだけボロクソに殴られながら「助けになんてこねえよ。おめえらぶっ殺しにくるんだよ!」と叫ぶ司はドチャクソ格好いいので、甘い顔立ちやら愛らしさの権化やら言われる吉野北人さんの内に飼い慣らしたハードな一面を垣間見てものすごく「THE RAMPAGE」を感じるという稀有な経験ができました。さいきん陣さんRIKUさんを筆頭にランぺも勉強してるので初心者的にはかなり有り難かったです。今後吉野北人さんがどんな仕事できゅるきゅるにかわいい極振りしててもあのときの司を思い出してビリビリできます。暴れ回ってる。
あとやっぱり今作に限らずですが、川村壱馬さんは声がいい。当たり前ですがボーカルの声量で叫ばれる「行くぞてめえら」は映画館の音響で見ないと勿体ない。腕が粟立ちます。殺陣も当然クソかっこいいので、90分くらいずーーーっと殴り合ってても全然飽きません。なかなかありそうでないんですよね、こういう振り切ったアクション映像作品。楓士雄は主人公だけあってあまり奇を衒った動きをしないんだけど、身のこなしからわかるしなやかで柔らかい筋肉の感じが格闘技ファンを筆頭に男性ウケしそうだなと思いました。少年マンガの主人公。そのまま格ゲーに出られる。メルティブラッドとか出てほしい。

アクションといえばまた鳳仙の話になるんですが、各所で話題になっている門司と小田島のスパーリング、撮り方はともかく伝統の鳳仙感増し増しであざっす!あざっす!と拝むしかなかった。2人とも華奢に見えてガツガツに鍛えてるのがふんだんに拝める。特に小田島なんて余り袖でいつもふらふらしてるのになんやあの腹筋は……釣りしながら鍛えてるんか……と恐れ慄いた。さすがです塩野さん。
(これを見てからアメコとクレープアンのコラボ記念配信を見るとあまりのほんわか空間ぶりに宇宙猫の顔をしてしまう)

瀬ノ門主従に関してはもう言葉もない、エモの極致みたいな幼少期からの友情と憧憬と恩と感謝が入り混じった間柄でこれもう言葉いらんやん…ありがとうな…となるしかなかった。たぶんこれに関してはまだ1周しかしてないので、エピソード的なところを頭に入れて冒頭から見返したときに更なるエモがあるのだと思い一旦ここでは深く触れないでおく。ここで狂ったフォロワーはみんな周回している。フォロワーの狂いほど確かなものはない。私もそう遠くない内に2周目をキメてそのビッグウェーブに便乗してみたい。
少なくとも一度見ただけの印象だが、他作品で申し訳ないが「東京リベンジャーズ」のイザナと鶴蝶を思い出したし、それとは別に揺り動かされてまあまあ泣いた。ハイローで泣くと思ってなかったので油断していたからマスクが滅びた。あとRIKUさんの挿入歌が良すぎた。映画館からの帰り道で前作の「タイムカプセル」がランダム再生されてまた泣いた。弱い。こういうのに弱い。たぶんたくさん言うことがあると思うのでそう遠くない内に2回目をキメておきたい。

ということで何の参考にもならない感想文だったが、前評判の「ヤンキー映画のエヴァ」「ヤンキー映画のアベンジャーズ」という評価があんまり間違ってない快作だった。迷ってる人がいたら行ってほしいし、色々出てくるイケメンヤンキーたちの話をたくさんしたい。そして鳳仙の女は鳳仙イズムを感じに是非スクリーンに足を運んでほしい。まぎれもなく鳳仙は鳳仙である。これからもずっと。

さりげなく楽曲で登場したLDHの後輩グループたちもいずれどこかでハイローユニバースに役として登場の機会が有るのだろうか。その時にはまたオロチ兄弟が来てくれないかな…と強欲なファンはこっそり思うのだった。
おわり。

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