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コンビニに行くときなんかは、だらしない格好もしますか?

これは先日登壇した、大隈塾での質問タイムでの第一声。

みなさんは、どう? 


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と題したこの講義は、今回で2回目。早稲田大学 客員准教授 村田信之氏からのオファーで、日本の若きビジネスリーダーたちが学ぶこの会にて「ファッション」の講義があること自体破天荒よね、と思うけど、そこはさすがのむらさんのセンス。

大隈塾とは 

https://stonesoup.tokyo/

日本のこれからを担う若きリーダーたちの集まりだからこそ、一度くらい服装の基本学んどきなよってことだとおもう。

個から素へ、とか、強みから持ち味へ、をキーワードに、政治家の服装事例なんかを用いて基本から応用、自分の頭で考える大切さまで伝えていく。

この日の私(も)いつもの登壇通り、キャノチェ型のハットを被り、ホワイトを基調としたパンツスーツで臨んだのだが、若い彼らの目には奇稀に見えるんだろうなぁ。だからカジュアルでの登壇でも全然よかったんだろうけれど、「フォーマル帽を被るのも、こうした服装なのも、皆さんのことを大切に思っているという気持ちなんですよ」と最初につたえる。

まぁこんな感じですわ。ハットは形によっては部屋の中で被るのは失礼になるんだけど、こうしたいわゆる皇室の方々が被っていらっしゃるようなものは、礼節が高くなり、被っているほうがフォーマルなんですよね、なんていきなりはじめるもんだから、そりゃ質問第一発目がそれ、なのはわかる。笑

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会場の様子は 私のフォロー側のスタッフ以外はみなさん カジュアル。あ、付け加えておくけど、私が男性ならハットは室内でとる、が今のところセオリー。女性にとって帽子はアクセサリーの一つと見なされるので、という理由など被るにも外すにも理由が色々あったりします。

今回は、参加者のほとんどはオンラインで。緊急事態宣言下でも数名はリアルでいらしてくれた感じ。やっぱ生身でお顔が少しでも見れると嬉しいなぁ

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さて、

コンビににいくようなときはだらしない格好する?

の問いに、わたしはどう、答えたのか。

「あー しますよ。こういうんじゃなくて、します。でも、常に今が千載一遇のチャンスかもしれない、という気持ちを捨てない範囲でカジュアルです」と。

あーだって、今日いまいちだなーとか思ってる服装な時にかぎって、しまった!ってなりません?誰かに会っちゃったりね。

私が今までスタイリングしてきたクライアントには、こういう話はよくします。私が選んだものをきるときだけ、しゃんとしてるんじゃなくて どちらかといえばそうじゃないとき 見られているかも、という話。

仕事柄、どこどこの社長さんや政治家のスタイリングをさせて頂くことが多いのだけど、そりゃ何かの取材だとか株主総会とか、演説時にきまってるのは想定内。カジュアルな場こそ、問われている身だしなみ。そこに人間性が垣間見えてしまう、素の印象が持つ力は、いいも悪いも大きいと。

実は一昨日、こんなことが起きた。

ワクチン2回目の摂取だったのだが、高血圧、喘息、その他大病をしてきた私はリスクが高い要注意人物と見なされ、打ったあとの待ち時間も長い。そんななか、2度目でもう、要領はわかっている状況のなか、懇切丁寧にワクチンの話、副作用の話、仕事のことや自分自身の経験など(そのドクターはコロナにかかった人だった)驚くほど丁寧に対応してもらった。

「いくらリスクが高いとはいえ ここまで時間を割いての丁寧なご説明、ありがとうございます。大変ですね」といったら彼女はこう答えた。

「いいえ いつもここまではやりませんよ。私 ファッションが好きなんです。注射うちにくるひとで、こんなに素敵なファッションされている人始めてみました、うれしくなっちゃってつい長話をしちゃいましたー」と。

ええ、特に、帽子も被っていなかったし気張ってもないスタイル。カジュアルそのものです。どちらかというと副反応くることがわかっての接種は憂鬱。ただ、その憂鬱からの開放と医療従事者への敬意を服にと、カジュアルでゆるっとめではあるけれど、少しだけ美しくあることは意識したんだった。

おかげで私はとても安心して接種できた上に、その話を聞いていた看護婦さん達がファッションについて色々話しかけてこられたことで、会場はとてもなごやかな空気になったのだった。全然知らないご婦人までもが、「注射なんて嫌でしたけれど今日は来て得した気持ち~」 なんて声が聞こえてきて会話を小声に控えながらも穏やかで優しいコミュニケーションの場となった。

そうね、私は人生のチャンスは 毎日のように転がっていて、それは服装が大きく関係しているものと思っているかな。

講義では、ドレスコードの勉強にも少し触れて、例えばブラックタイといわれたらタキシードね、なんてこともはなす。ルールを知っているからこそルールを破ることもできるんだよとか。カジュアル=だらしなくていい、という発想じゃなく、常に相手が存在するという意識はギフトだと思うの。

画像は、桜田さくちゃんの(私のファッションスクールで学ぶ、最近まで商社にとつめるビジネスマンだった方)のボータイレクチャー姿。

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ボータイには結んだあと、こうして解いたスタイルにもメッセージがありますよーなんて話しも。そうそう 昨年の紅白歌合戦で、ユーミンがこのスタイルで登場でしたね。知らなきゃ なんか変なリボン付けてんのか?ってなりますねぇ

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私のヘルプで入った、さくちゃん ロミー(金子広美)はきちんと感高めですな。

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講義後のファッションアドバイスの様子。

私がこの日着ていたジャケットは、アパレル界の大先輩から譲りうけたフェラガモのもので、自分サイズにお直しをして愛用しているものでして、講義では持続可能、サスティナブルについても少し触れました。スタイリスト=トレンドや高級なものを着ているひと、などというイメージはもうとっくに古く、スタイリストはスタイルがある人ですね。私の場合 サスティナブルは騒がれる以前からの体現者、長いもので35年は着ている、とかはざらです。

なぜそれを着るのか?たとえコンビニに行くときでさえ、その責任は伴うしその人の素が問われるものだろうと思うんだよなぁ 素=自分はだらしないからそれでいい、ということでは決してなくて。

登壇オファーをくださった村田氏のこの明る九フランクな存在感は何よりのギフトですな~

むらさんもこの日のことをnoteにまとめてくださっていたのでリンクを。


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↓ ともにマインドフル&ギフトファッションを学ぶ仲間たちでこの日はヘルプに。

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さて 2回目の接種も終えて緊急事態宣言も解除。ファッションはコロナで表面的にはどんどん退化したけれど、進化・深化した部分もある。

決して過去には戻らず、新しい考え、哲学を伝えていきたいなと思ってます。あぁワクチン打った日のショット、撮るの忘れた、てか。

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