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循環その2~離れていても息子のお世話

「循環」
この言葉を日常的に使いませんが、日々これなんだなあと思います。

木曜日は夫の定休日です。息子は7泊8日で奥多摩の古民家合宿に参加中でいないし、昨日の就寝時刻は明け方に近かったので、目覚ましをかけずに寝たら起きたのは午前9時でした。それからパンケーキを焼いて朝ご飯を出して、遅い1日の始まりです。息子は奥多摩で朝4時半に起床しているというのに。

もうお昼に近い時間、洗濯物を干し終わってコーヒーを淹れて夫と飲んでいると、1通のメールに気付きました。古民家合宿を管理している前田先生からです。何事かと開封しました。
「息子さんが冒険小説を読みたがっています。以下の岩波少年文庫の本を古民家に送ってください。ドン・キホーテ、水滸伝、冒険者たち、走れ!走って逃げろ」
なんと!今日は木曜日、どんなに早くても明日到着。こんなに読めるんだろうか、選ばせるのかな。
でも本を読んでくれるのは大歓迎。アマゾンを開いて注文しようとしたら注文を確定できない・・・、どうやら住所まで届けられず近所のヤマト便直営所止めになるようです。慌ててタンクトップ姿だったのをTシャツを着てサンダルつっかけて自転車乗って書店に行き、指定の本合計6冊を購入、郵便局に明日午前着を確認してから郵送を依頼しました。

ホッとして前田先生に送ったことを報告しようとスマホを取り出したら、前田先生からもう1通メッセージが。
「今、川でサンダル流れました。お母さんに新しいのを買ってもらうと甘いこと言ってます。後学のために片方サンダルで頑張ってもらおうかなと考え中です」
ああ、やってくれた。しかも恥ずかしい。所詮ひとりっ子、わたしは色々甘やかしているのでしょう。前田先生に荷物を送ったことの報告とサンダルの件はお任せします、本人とできれば眼鏡が流れなければ大丈夫と返事をしました。

1日の予定がすっかり狂って家に帰り、最近気になって仕方ない稲垣えみ子さんの「家事か地獄か」を読了しました。
とても読み応えある本でした。ラク家事が生み出すものは単なる時間ではなく、死ぬまで自分の面倒を無理なく見れる、自分を見失わずに生きていける、そういうことにつながっていく。そして今家の中がすっきりしていないわたし、終わることのない片付けをずっとしている感覚がある。抜け出さなきゃと切実に思いました。嫌いだと思っている家事、ポジティブに受け止めさっさと終わるように軽くして、結果本を読む時間が増えたらすごく幸せになるはず。引き続き断捨離を続ける覚悟をさらに固くしました。

夜には600ページ越えの洋書もちょうど読了。

やっぱり本が好きだなあ。
音読をよくするようになったからか、記者として鍛え上げられた稲垣さんの言葉が確かだからか、約270ページの文章を読んでいる間、常に読み上げている声が頭の中に響いていました。稲垣さんの声を聞いたことはないですが、彼女は声で語り掛けてくれました。長年読書に親しんでいましたが、こう意識できたのは初めてです。また違う本を読んで同じことが起こるか確かめてみようと思います。

古民家合宿中の息子に本を送った日に、母も本を読み、読書いいなあと思う。「家事か地獄か」が気になったのはこういうわけだったのか。
本を読むために家事を簡略化しよう、こんな汚い家イヤだと逃げ出してコメダで本を読むのではなく、行き帰りの時間もったいないから片付いた家でおいしいコーヒー飲みながら本を読むほうがいい。

本を巡った循環。明日届く本が息子に「本いいなあ」のwaveをもたらせますように。そして流れたサンダルが循環して次のプチ合宿あたりに戻ってきますようにw


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