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14年ぶりの1人旅で得たものとは何だったのか

音楽が流れ、私はチーズテリーヌを食べ、アイスカフェラテを飲んでいる。

遠くには広大な瀬戸内海があり、瀬戸大橋が見える。小さな船やタンカーまで船がいくつも見える。海では人や物がこんな風に行き交っているのを、初めて見たかのようにその光景を観察している。

アイスカフェラテを飲みながら、西加奈子さんの「まにまに」の感想を書き、一段落した。
もうそろそろ帰路に着く。とても名残惜しい。

私がこの旅で得たものは何だったのだろうか。
まぁ、何かを得ないと旅行じゃないということもないだろう。

ただ私は海の見える落ち着いた空間に滞在して、滅多には来れない海が臨めるカフェに来て、これから帰る。そういう時間の過ごし方をしたのだ。
ただ空が晴れて、海が綺麗で、私はカフェにいる。

今はそれだけで、それだけで幸せだった。

この幸せは、ずっと続くわけではないけど、私はこのnoteを見てまた思い出すだろう。
あの時の自由な感覚を。

そして今、子供たちは無事に過ごしている。
それは何よりも大事なことでもある、

今日は空気が澄んでいる。
瀬戸大橋が、細かく綺麗に見える。
人は、こんなに広い海に橋ををかけた。
土地と土地をつなげようと思った。
たったそれだけのことが、今は私の心を動かす。

ひとりの時間があるということは、普段考えられないことを考える時間が取れるということでもあるのだ。
逆に言えば、それぐらい私たちの頭の中はいつも忙しいのだ。

ここまで、Wordに残していた記録をnoteに起こした。
たった1週間前のことだ。たった1週間前のことのなのに、随分前のようなことに感じる。

あの時の、限りない自由を味わった私と今の私は少し違うようにも感じるが、こうやって今こころを書き留める時間を過ごせている私も、自由である。
昨夜、せっかく子どもががんばって作った絵を見ようとできなかった私も、こうして文章を書くことで少し浄化される。

年は立派に重ねたけど、こころはきっと6歳の今の長女ぐらいのままなのだ。

1人旅の時間は、本当に贅沢だった。子どもは無事で、私は自由だった。

1人でゆっくり移動して、
景色を楽しんで、
自然に溶け込んで、
レンタルのデニムのワンピースに身を包んで、
時間をかけて食事を味わい、
読書を楽しんで、
和室に転がって、
布団を敷き清潔なシーツをかけて
お茶を淹れて海を眺めて、
大きいお風呂に入って、
夜の海を眺めて、
誰に起こされることもなく一人で寝られて、
自由な時間に目を覚まして、
ゆっくり朝ご飯をたべて、
思い付きでカフェに寄り、
また海を眺めた。

結局、「14年ぶりの1人旅で得たものとは」なんだったのか。


ただ、何者でもない自分と出会うこと。
心のままに動く自由を許すこと。


あぁ、中学校の国語の時の、時間に追われてこころのゆとりを失ってしまった、というような教材の本はなんだったのだろうか。

https://tb.sanseido-publ.co.jp/03gkpr/documents/digital_digest/03gk_digest.pdf



三省堂 内容解説資料/教科書ダイジェスト
三省堂 内容解説資料/教科書ダイジェスト


中学校の国語の教材をさっと調べてみたが、すぐには見つからない。だってもう20年以上前の教科書だもの…!

この中で、又吉直樹さんの「本を読むことのおもしろさ」という新教材が気になった。
そして、検索して「夜を乗り越える」を見つけて購入する。

また、楽しみが増えてしまった。

日々を生きて、
読書を楽しみ、
コーヒーを淹れ、
時々文章を書く。

この幸せたるや、ない。

久しぶりに、家でコーヒーを淹れられた。
読書・コーヒー・文章は、私にとって心身ともに穏やかに生きられているかの指標のようだ。

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