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死ぬまでに観たい映画1001本#12   ~理由なき反抗~

どうも!TJです!

このブログは、死ぬまでに観たい映画1001本に載っている映画を一本ずつレビューしていき、最終的に1001本全部レビューしていきたいなと思っています!3日に1回ほど更新出来たらいいなと思っております。

今回紹介する作品は、「理由なき反抗」です!

もう題名の理由なき反抗がこの作品の全てを表しているので、一言で例える必要はなさそうですね。

理由なき反抗 1955年 監督 ニコラス・レイ アメリカ

個人的評価 星4

理由なき反抗

当時、高校生を舞台にした映画自体とても少なく、青春映画としてはとても画期的でした。めちゃくちゃカッコいいんですよ。ジェームズ・ディーン。

グリフィス天文台が出てくるのが印象的ですね。(のちにラ・ラ・ランドで理由なき反抗のオマージュが出ます)

高校生って狭いコミュニティを作りたがりですよね。イツメン的な。それは昔から変わらないんですね。この当時の言い方だと「clique」なんて呼んだみたいですよ。

単なる不良物語ではないんです。この物語は。もしかしたら今の世の中に共通するメッセージが何かあるかもしれません。


どうやって大人になればいいの?


この映画が伝えたかったのはそれです。

大昔、人間は伝統的な儀式を通じて「大人」になることが出来ました。成人式なんて最たる例ですね。今でも大人になるためのしきたりが残っている国や地域があるように思います。

大人になるための基準が明確にあるということですね。

そして、戦前頃になると親から自立すること、父親を超えることこそが立派な大人になるための価値観でした。生産社会であった当時、父親などのしがらみから超えて、自分の才能や秘めたるものを開花させていく、それが新しい価値観でした。ハリウッドでの映画ブーム、パクスアメリカーナ、音楽の進歩、スポーツの進化、新しい文化がどんどんと誕生していきました。色々な形で才能というものが明確に表れた時代ですね。何かを生み出せる能力を持った時、初めて大人になったといえるのです。

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そして戦後、消費者社会へと変わり、かつては威厳を放っていた父親の家庭内での立ち位置、母親と父親の関係、かつては絶対的な存在であった両親と教師、そういう存在が変わってきます。権力の変遷です。

「理由なき反抗」の中でも、父親はどこか頼りない人物、怒りっぽい母親、そしてジェームズ・ディーン、そういう家族構成で物語は進んでいきます。裕福な家庭です。父親もおそらく相当稼いでいるのでしょう。しかし、威厳が全くない。大昔であれば、大金持ちは絶対的権力の象徴でした。権力の変遷が見て取れます。

そしてこの映画の印象的な部分は、教師がほとんどでてこないことです。学園ものを思い出してください。先生はどの物語でもだいたいキーパーソンです。最近は生徒主体のドラマも数多くありますが、1970年、80年代はだいたい先生が主人公でした。そんななか、1955年のアメリカでは先生すらほとんど登場してこない。革新的ですね。両親と先生の権力は全く描かれていません。

主人公、ジェームズ・ディーンにとって尊敬できる大人が周りにいないんですよ。それどころが周りの同級生にも。何者かになりたいのに参考にできる人がいない。どうすれば大人になれるの、何者かになれるの?

その価値観を自分で作っていったんです。同年代で通過儀礼を作ったのです。

それが「チキンレース」です。

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イメージこんな感じ。

チキンレースって聞いたことはあると思うんです。

要するに先に止まったり降りたりしたほうの負け。

こういう危ないことでの勝敗で大人かどうかを決めたわけです。

通過儀礼がないなら自分でつくってやろうという魂胆です。普通の人から見たら本当に意味のないことなんですよ。でも勝ったら誰かが認めてくれる。この認められることこそ、大人への近道なんです。

なぜヤンキーが非行に走るのか。

それはどうしたら何者になれるか。それを探しているんですよ。「理由なき反抗」に出ている高校生たちも同じ。このチキンレースの結果、ジェームズ・ディーンと戦った人物は事故により死にます。そこからの葛藤も、またティーンエージャーならではです。

ちなみに、ジェームズ・ディーンはこの作品のインタビューの際、チキンレースのシーンの撮影よりも、実際の運転のほうが怖いと答えていました。そして「理由なき反抗」が公開される1か月前に交通事故により命を落としてしまいます。24歳で亡くなりました。若すぎます。青春の象徴となったのにも、この若すぎる死が影響しているのかもしれません。

皆さんも、きっと「理由なき反抗」をしたことがあると思います。大人になったらきっと分かるなんて言葉は無責任だった。大人になったらではないんです。今その答えが欲しいんですよ。この感覚を忘れてはいけません。

勿論、物語としても楽しめる映画となっています。自分自身の青春時代を思い出すのも、この作品の魅力といえましょう。

それでは皆さん、さよなら、さよなら、さよなら。


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