カープと広島と私
先日呟いたとおり、カープ・大瀬良大地投手のノーヒットノーラン記念Tシャツが届きまして、それを見ていたらいっそうのカープ愛が湧いてきました(笑)
歴史に残る大記録を目の当たりにし、カープファン冥利に尽きると心から思えたのです。
私は横浜生まれの横浜育ちですが、二十数年来のカープファンです。
横浜市民の私がカープファンになったきっかけは、前田智徳さん(現解説者)が好きだったからですが、あのときは一地方球団に過ぎなかったカープが、これほどの人気球団になるとは想像もしませんでした(笑)
今では全国どこでもCS放送でカープの試合が観られるようになったものの、やはりカープファンにとっての聖地は本拠地マツダスタジアム。
コロナ以降は機会は減ったものの、私も年一度くらいは横浜からマツダスタジアムまで遠征していました。
遠征の時は3~4日間広島に滞在し、球場以外にも名所を巡ったり、広島グルメに舌鼓を打ち、その都度充実した旅行を楽しんでいました。
カープがいい具合に広島旅行の機会を与えてくれたのです(笑)
今回はカープと広島のあれこれについて、心の赴くまま語ってみたいと思います。
お付き合いいただければ幸いです。
カープロード
マツダスタジアムは広島駅から徒歩10分程度で、線路沿いにありますが、駅からスタジアムへ続く道を「カープロード」といいます。
試合がある日はユニを纏った大勢の人が、球場に向かってこの道を歩いています。
カープロードとは、カープファンにとって、まるで巡礼地のような道です。
遠征者にとっておすすめのホテル
私が広島遠征時によく利用するホテルが、カープロード上にあります。
そのホテルとは、「広島インテリジェントホテル スタジアム前」
このホテル、「観戦チケット付きプラン」というユニークな宿泊プランを販売しています。
その名の通り、宿泊とマツダスタジアムの観戦チケットがセットになったプランです。
これはホテル側が年間指定席を購入し、宿泊客に宿泊とチケットを併せて販売しているのです。
(チケットのみの購入は不可)
そして、これがいい席なんです!
チケットカテゴリーはフィールドボックスまたはSS指定席で、どちらも三塁側。
どちらも内野前方の席で、グラウンドが近く見晴らし良好です。
チケットオフィスで普通にチケットを手配しても、なかなかこんないい席は取れません。
これは遠方から試合を観に来る者にとっては価値あるプラン。
さらにこの「観戦チケット付きプラン」、レイトチェックアウト(12:00まで)、朝食付き、ノベルティグッズ進呈と嬉しい特典が満載。
料金は宿泊料の変動によって、低中高の三段階に別れます。
シングルルーム1泊で、チケット+宿泊料でざっくり税抜き1万、1万5千、2万程度です。
一時期のブームは去ったものの、少し前までカープ戦のチケットは非常に取りにくく、特に三連覇中はシーズン開始前に全て売り切れている状況でした(笑)
よって宿泊と共にチケットが取れる広島インテリジェントホテルのこのシステムは、遠方のカープファンにとって本当にありがたいものでした。
球場の内外で広島グルメを楽しもう
野球観戦の楽しみの一つは、やはり球場グルメですね。
近年の球場メシは、めざましい発展を遂げています。
広島で旧市民球場時代から愛されている球場グルメといえば、なんといってもカープうどん!
これ、シンプルにおいしくて、ビールにもソフトドリンクにも合います。
値段も700円~と、比較的お手頃。
他にもマツダスタジアムには、「むすびのむさし」、老舗肉店の「はなおか」、広島のソウルフード「がんす」など、地元グルメが満載です。
人気の選手プロデュースメニューは、1ヶ月に1度リニューアルされています。
押し選手のプロデュースメニューがリリースされていたらぜひ購入したい!
早めに球場へ着いた時は、「スタジアムカフェ」でブレイクするのはいかがでしょうか。
スタジアムカフェはマツダスタジアム1階に入っているカフェで、ここでは選手を描いたラテアートを楽しむことができます。
これがまた、どうやって描くんだろうってくらいリアルなんです。
球場以外でカープを楽しみたい場合は、「カープ鳥」をおすすめします。
カープ鳥とは、広島県内に展開するユニークな焼き鳥店です。
(ハワイにも1店舗あります)
このお店では串焼きメニューひとつひとつに、カープ選手の名前がついているのです。
メニューは1年ごとに改訂されます。
押し選手のメニューを選んで注文するのも楽しいですね。
そして試合のある日には、店内でTV中継が行われています。
それを見ながらお客さん同士盛り上がったり、試合の寸評をしたりするのです。
これはビールと串焼きを片手に、球場と同等のテンションを味わうことができるでしょう。
メニューも普通にお手頃で美味しいので、広島へ行ったらぜひ一度訪ねてみてください。
忘れられない生観戦と、ある押し選手への思い
カープファンとしての一つの自慢で、私が球場へ観に行く試合は、オープン戦も含めてカープの勝率が高いというのがあります(笑)
勝っても負けてもいい試合を観せてもらえれば満足ですが、遠方から来ているだけに、勝てばいっそう喜びも大きくなります。
そんな中、私の中で特別記憶に残っているマツダスタジアムでの試合があります。
2019年8月21日、対ヤクルト戦です。
この試合、カープ先発の野村祐輔投手がピリッとせず、序盤2点先制されました。
鈴木誠也選手(現カブス)の2ランで追い付くも、その後また取られて取り返すシーソーゲーム。
どっちに流れが転ぶかわからないハラハラする展開で、4-4で後半戦に入りました。
野村投手は4回でKOされ継投に入り、同点で迎えた8回、5番手としてマウンドへ上がったのは、私の一押し・遠藤淳志投手でした。
遠藤投手は2017年ドラフト5位入団、当時高卒2年目の選手です。
この年6月に初登板すると、中継ぎとして1軍ブルペンを任されるようになった、新鋭ピッチャーでした。
長身から投げ下ろすキレのある直球と、強気で打者に向かって行く姿勢は清々しい若武者のようで、また1人いい選手が出てきたと、当時ファンは彼に期待を寄せていました。
その遠藤投手が8回を見事ゼロに抑えると、その裏安部友裕選手(2022年引退)の勝ち越しホームランが飛び出し、決勝点となりました。
カープが5-4で勝利し、遠藤投手に勝ちが付きました!
遠藤淳志、プロ初勝利の瞬間です。
あの日の彼の初々しいヒーローインタビューは、今も忘れません。
さらにその3日後の8/24、遠藤投手は中日戦で、球団最年少記録となる20歳4ヵ月でのプロ初セーブを上げたのです。
まさに前途洋々の若鯉!
翌2020年には佐々岡新監督のもと先発に転向、1年間ローテを守り通し、2完投を含む5勝を上げました。
ファンの多くは、彼が時期エースだと確信しました。
ところがその後、彼は壁にぶち当たることになります。
2021年には1軍で1勝もできず、シーズンのほとんどを2軍で過ごしました。
2022年には再び1軍でローテを守り4勝、安定した投球が増えましたが、2023年はわずかに1勝に留まり、やはりシーズンの多くを2軍で過ごすことになります。
そして2024年、遠藤淳志は1軍で開幕を迎えることができませんでした。
交流戦で今年初めて1軍昇格しブルペン入りしたものの、楽天戦で2イニング投げたのみで、再び登録抹消されてしまいました。
今、彼には1軍で投げるチャンスすらないというのが現状です。
なぜなら今のカープには、ノーノーの大瀬良投手、マダックスの森下投手初め優秀な投手が揃っていて、割って入る隙がなかなかないからです。
さらに同年代のライバル投手もたくさんいて、よほど他を圧倒しないと起用してもらうのは難しいのです。
最近は、「遠藤トレード説」まで囁かれ始めました。
しかしファンは知っています。
プロ入りした、おそらくは野球の神様に愛された選手ほど壁にぶち当たるということを。
才能ある選手ほど大きな試練にあたり、それを乗り越えた選手のみがエースや球史に残るような選手になることを。
今、遠藤淳志は試練の真っ只中にいるのです。
今私は1ファンとして、彼が試練を乗り越えようとしているところを見守っています。
もし彼がトレードになり、それが彼にとって飛躍のきっかけになるなら、1ファンとしてその決断を尊重するでしょう。
観光コンテンツとしての野球場
マツダスタジアムに限らず、近年野球場はどこも洗練されてきたと感じます。
最近は、試合のみならず球場そのものを楽しむ来場客も多いですね。
そして私以外にも、わざわざ遠方の球場へ足を伸ばす人も増えているようです(笑)
今や、野球観戦は旅行の一環にもなっています。
実際、近くの球場へ行くより遠出をした方が、なぜかテンションも上がるんです(笑)
広島のみならず、全国の球場のある街は、地元に魅力的な観光名所も備えています。
私の地元にもDeNAベイスターズの本拠地・横浜スタジアムがありますが、球場からは中華街やみなとみらいといった有名観光地も近いです。
遠方から来る人の中には、これらの観光とセットで野球を楽しみたいと考える人も少なくないと思います。
野球と観光とで2倍楽しめると、旅行の満足度も爆上がりですね。
球場と地元観光業とがもっと密接に関われば、双方にとってより大きな利益につながるのではないでしょうか。
個人的には、広島インテリジェントホテルさんのような観戦チケット付きプランを、もっと多くのホテルで取り扱ってくれるといいと思っています。
また、カープ鳥のような店内で中継を観られる店や、野球ファンが気軽に集まれるスポーツバーが、全国規模で増えてきているように思います。
これは非常にいいことだと思います。
地元経済と野球興行、双方の活性化が期待できるからです。
私も微力ながら、野球と観光の楽しさを発信し、発展に少しでも協力したいと思います(笑)
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