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24歳、鬱病になる。ー㉒コピー用紙事変

私24歳にして、今年2023年の1月に鬱病と診断を受けました。

鬱病になった私に起きたことや、そこから立ち直れるにようになるまでの姿を、自分なりに整理して、書き起こしてみたいと思います。

自分のために、そして同じような境遇の人の何かの一助になればよいなと思っております。


前回の記事では、新しいクラスを受け持ったことで、休日でも仕事をしておかなければ気が休まらなくなったことを書きました。今回は、そんなシフトの変更をお願いした上司である常務との、あるやりとりについて書き記していきたいと思います。

・・・

前の週の土曜日に、常務から電話で「新しいクラスを受け持ってほしい」とお願いされてから、初めて常務と同じ校舎での出勤となった日のことでした。

その日は、常務はやけに機嫌が悪かったです。それというのは、私より1つ上の先輩が、上の指示を仰がずにポスターを制作してしまったがために、色合いの問題でミスが起きてしまったことが原因でした。

そのミスの指摘をきっかけに、その先輩の仕事への姿勢や整理整頓の甘さなど、様々な指摘が厳しい口調で行われていました。私は先輩のことを気の毒には思いながらも、黙ってデスクでパソコンに向き合っていました。

常務の言葉に「はい、すみません」と逐一返しながら、先輩はポスターを作り直して、その印刷に取り掛かっていました。

すると、コピー機からコピー用紙が切れたことを報せるアラーム音が鳴り響きました。

その音を聞いた常務は「コピー用紙が切れるというのも、よくない傾向だ」と口を開き始めました。

先輩は、また叱られる思って身を固くしていましたが、その矛先は先輩にではなく私に向けられていました。

「こういう仕事は誰にだってできることだ。だから、一番下の社員がやっておくべきだろ?校舎に来たら、コピー機を確認して、用紙が少なくなっていたら補充することくらいできるでしょ?」と、常務は私に目を向けながら言いました。

私はデスクを立ち上がって「すみません、以後気をつけます」と緊張した声色で返し、コピー機に足りていない用紙がないか確認しに行きました。

しかし内心では、私は常務から受けたその注意に不服の想いを募らせていました。

だって、コピー用紙はなくなった時に補充する方が確実に効率的だと思うからでした。いちいち減った分をちょこちょこ補充していたら、在庫管理も不規則になるし、なにより手間です。コピー用紙を補充するのはものの・・・数十秒で終わる作業なのだから、用紙が切れた時にコピー機を使っていた人が補充する方がよっぽど理にかなっているように思えました。

そんな考えを抱く一方、明らかに不機嫌な常務に対して私は物言いをすることはできませんでした。私はぐっと気持ちを押さえて、コピー機の引き出しを1つずつ開けながら、コピー用紙の分量を確認しました。

ただ、先週の急なシフト変更の電話に輪をかけて、この"コピー用紙事変"により、私の常務への不信感は次第に大きくなっていきました。


記事のバックナンバーなどは、こちらのマガジンでまとめていきます。