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【50.水曜映画れびゅ~】"Dear Evan Hansen"~私もエヴァン・ハンセンだった。~

"Dear Evan Hansen"ディア・エヴァン・ハンセンは、先週末から劇場公開が始まったミュージカル映画。

10月30日~11月8日の期間で行われていた第34回東京国際映画祭のクロージング作品にもなっていた話題作です。

あらすじ

学校に友達もなく、家族にも心を開けずにいるエヴァン・ハンセンが自分宛に書いた「Dear Evan Hansen(親愛なるエヴァン・ハンセンへ)」から始まる手紙を、同級生のコナーに持ち去られてしまう。後日、コナーは自ら命を絶ち、手紙を見つけたコナーの両親は息子とエヴァンが親友だったと思い込む。悲しみに暮れるコナーの両親をこれ以上苦しめたくないと、エヴァンは話を合わせ、コナーとのありもしない思い出を語っていく。エヴァンの語ったエピソードが人々の心を打ち、SNSを通じて世界中に広がっていく。

映画.comより一部抜粋

トニー賞6冠の名作ブロードウェイ・ミュージカルを映画化

本作は、2017年のトニー賞にてミュージカル作品賞を含む6冠を達成したブロードウェイ・ミュージカル。

『ラ・ラ・ランド』(2016)や『グレイテスト・ショーマン』(2017)といった大ヒットミュージカル映画に携わってきた楽曲チームが中心となって制作された作品です。

映画でも同楽曲チームが指揮を執り、主演はオリジナルキャストとしてミュージカルでエヴァン・ハンセンを演じてトニー主演男優賞を受賞したベン・プラットが務めました。

そのほかエイミー・アダムスジュリアン・ムーアなども出演していますね。

私もエヴァン・ハンセンだった。

本作の主人公は、社交不安障害と鬱の傾向がある高校生のエヴァン・ハンセン

「友達が欲しいけど作れない…」
そんな悩みを抱えながら高校生活を送る彼がついた優しい噓が物語を動かしていきます。

そんなエヴァンの姿というのは、過去の私自身の姿と重なるものがありました。

私も中学・高校時代、友達を作ることがすごく苦手だったんです。

同級生へ話しかけることが怖く、また逆に話しかけられたらなんと返せばいいかわからずに、ただただはにかんでしまいがちでした。

そのため、親密な友達というようなものはできず、なにかと孤立してしてしまいがちで「好きなもの同士でグループに」という教師の呼びかけは今でもトラウマとして残っています。

孤立すること自体よりも一番つらかったのは、孤立している自分を「かわいそうな奴」と周りが見てくることでした。

イジメられていたわけではなかったのですが、そんな周りからの目が苦しすぎて若干うつっぽくなることもありました。

そんな過去の自分の姿は、映画の中のエヴァンそのものでした。

しかし、エヴァンが映画が進むにつれて「そんな風に悩んでいるのは自分だけではない」ということに気づいていくことも私の過去と重なる部分でした。

だからこそこの映画の代表曲の一つである”You Will Be found”を聞いたとき、胸がいっぱいになりました。

エヴァンのように、そして昔の私のように悩んでいる方にとってはすごく勇気がもらえる作品だと思います。

”自分らしく”生きることの大切さも教えてくれる作品です。

ミュージカル豊作の2021年

本作は、そんな勇気をもらえるミュージカル映画『ディア・エヴァン・ハンセン』を紹介させていただきました。

ミュージカルということで、音楽も良い。

本作も含めて、今年はミュージカル映画に良作が多いような気がします。

夏には『クレイジー・リッチ』(2018)の監督が手掛けた『イン・ザ・ハイツ』(12月3日からレンタルリリース開始)が公開されましたし、この前にはNetflixオリジナルでアンドリュー・ガーフィールド主演の『tick, tick... BOOM! : チック、チック…ブーン!』の配信も開始されました。

スティーブン・スピルバーグが監督を務めた『ウエスト・サイド・ストーリー』の公開も待ち構えていますね!

映画好き・ミュージカル好きの方は、こういった作品をチェックされてみてもいいかと思います。


前回記事と、次回予告

先週投稿した記事はこちらから!

これまでの【水曜映画れびゅ~】の記事はこちらから!

来週は、観ていたのにレビューするタイミングを逸していた話題作”DUNE"DUNE/デューン 砂の惑星を紹介しようかと思います。
お楽しみに!