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24歳、鬱病になる。ー⑳引継ぎ

私24歳にして、今年2023年の1月に鬱病と診断を受けました。

鬱病になった私に起きたことや、そこから立ち直れるにようになるまでの姿を、自分なりに整理して、書き起こしてみたいと思います。

自分のために、そして同じような境遇の人の何かの一助になればよいなと思っております。


前回の記事では、新しいクラスを受け持つこととなったことを同居する母へ告げたことを書きました。今回は、その新しいクラスの引継ぎについて書き記していこうと思いました。

・・・

月曜日に出勤するのは、入社してから初めてのことでした。先週の水曜日から6連勤。いつもより重たい身体を起こし、校舎へと向かいました。その校舎には今まで水曜日に出勤していました。しかし月曜日に出勤している講師の方々は初めましての人がほとんどでした。私は若干、緊張していました。

そんな面持ちでデスクに座っていると、声を掛けられました。

「今日、引継ぎをしてくださる先生ですよね?私が担当の者です」

そう言われた私は席を立ち、声を掛けてきた男性社員に一礼しました。

「引継ぎの資料を今から用意するので、1~2時間ほど待ってもらっていいですか?」と言われたので、かまいませんよと私は言いました。

その男性は、それから忙しそうに色々な書類を準備し始めました。その動きから「この先生は、デキる人だ」ということがわかりました。

それからちょうど2時間後。「準備ができました」と言って、その男性は私のデスクまで来ました。3つのB5用紙を私に手渡しながら「これが中1クラス、それで、これとこれが中2と中3です」と言いました。

それからその男性は、マシンガンのように引継ぐクラスのことを語り出しました。各クラスの生徒の特徴、中高一貫クラス専用のテキストがあること、テキストと学校で使われている教科書は一応自分用に購入していたこと、テキストに加えて授業用のプリントを自作していたこと、授業計画は自分の裁量で決めていたこと、前任者の授業は酷かったため授業映像はあまり参考にならなかったこと…。そういったことを一通り言い終えた後「何か質問ありますか?」と尋ねてきました。

こんなにもやることが多いのか…と圧倒されながら、あまりに情報量が多かったため、かえって何も質問が浮かびませんでした。私は「いえ、大丈夫です」と応えました。

「それなら、良かったです」と男性社員は言った後、1度ふーっと息を大きくつきました。そして「まあ新人の先生で大変かもしれませんが、授業は準備しすぎるくらい準備するのがちょうどいいので、そういう気持ちで頑張ってみてください」と目を細めながら語り掛けました。

その言葉に対して私は「やってみます」と返事をしました。その一方で心の中では、これからの仕事への不安が沸々と湧き上がってきてました。


記事のバックナンバーなどは、こちらのマガジンでまとめていきます。