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24歳、鬱病になる。ー㊽歓喜

私24歳にして、今年2023年の1月に鬱病と診断を受けました。

鬱病になった私に起きたことや、そこから立ち直れるにようになるまでの姿を、自分なりに整理して、書き起こしてみたいと思います。

自分のために、そして同じような境遇の人の何かの一助になればよいなと思っております。


前回の記事では、出勤日の朝に授業準備を進めようとしたものの、身体がもう言う事を聞かなくてなってしまっている状態となっていたことを書きました。今回は、そんな状況下で私は"ある決断"を下したことを書き記していきたいと思います。

・・・

仕事に行ける状態などではない…そう悟った私は、どうするべきか悩みました。

とりあえずその日は休む、というのが単純な解決方法でした。だとしても、どうやって休みの連絡を入れればいいのかがわかりませんでした。時刻は8時半。校舎に連絡したところで、まだ誰も出勤していないと思われました。それなら、会社の事務局に連絡すればいいのか…。それなら事務局は9時に空いているから、少し待たなけてはいけませんでした。

ただ問題なのは、1日休んだだけで全て解決するのかということでした。身体が完全におかしくなってしまっているため、おそらく1日休んだところで、その後の1週間の授業を準備することは不可能に思われました。それなら、思い切って休職するべきかもしれない…とまで思いました。

しかし休職したところで、何が変わるだろうか…。私はこの1ヶ月間のことをそこで振り返りました。理不尽なシフト変更、度重なる休日出勤に、オンライン講座など次々と増える業務。たとえこの瞬間を乗り越えたとしても、夏休みには夏季講習があり、後期からは高校入試対策講座を任されることもわかっていました。

そんな未来を思い描くと、私の目の前に積もりに積もった業務の壁が押し迫ってくるように思えました。そしてその壁を乗り越える気力は、私にはもう残っていませんでした。

「辞めよう」そう心に決めました。

しかし、事務局に電話を掛けて「辞めます」と電話で伝える勇気は有りませんでした。そこで、ネットで「退職代行」と検索しました。

ヒットしたページの一番上のウェブサイトをクリックしました。そこには「即日退社」の文字が映し出されていました。

私はそのサイトの申し込みページへと飛び、必要事項を入れていき、クレジット払いで料金を送金しました。すると、LINEの連絡用アカウントを登録するためのページが現れました。

LINEを登録して、「過労による心身の不調のため、即日退職をお願いします」と送りました。数分経ってから既読がつき、返信がありました。

「かしこまりました。それでは、退職の代行を執行させていただきます」

呆気ないような一言でしたが、私はその瞬間に退職を申し出たことになりました。その時、私はとんでもないことをしてしまったことを自覚しました。しかしそれと同時に、もうどうにでもなれ!という気分も湧いてきました。

私は社用のスマホの電源を落とし、社用パソコンのシャットダウンさせました。そしてそのまましばらく、ぼーっとしていました。

そうしているうちに、それまで抱えてきたものが背中から下ろされたことを徐々に実感してきました。今まで焦燥感に駆られてざわざわしていた胸中も、パンク寸前だった頭の中も、靄が晴れるように、少しずつ楽になってきました。

忘れていた平穏さが私の心身に訪れました。また、『セッション』のリフレイン映像は頭から消え去りました。代わりに、なぜかベートーヴェンの交響曲第九番が頭の中で流れていました。


記事のバックナンバーなどは、こちらのマガジンでまとめていきます。