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【130.水曜映画れびゅ~】"Napoleon”~史上最高にダサい英雄~

"Napoleon”ナポレオンは、12月1日から日本劇場公開されている映画。

『グラディエーター』(2000)や『最後の決闘裁判』(2021)で知られるリドリー・スコット監督最新作です。

㊗️ アカデミー賞 ノミネート!

☆ノミネート
衣装デザイン賞・美術賞・視覚効果賞

第96回米アカデミー賞 結果一覧

あらすじ

18世紀末、革命の混乱に揺れるフランス。若き軍人ナポレオンは目覚ましい活躍を見せ、軍の総司令官に任命される。ナポレオンは夫を亡くした女性ジョゼフィーヌと恋に落ち結婚するが、ナポレオンの溺愛ぶりとは裏腹に奔放なジョゼフィーヌは他の男とも関係を持ち、いつしか夫婦関係は奇妙にねじ曲がっていく。その一方で英雄としてのナポレオンは快進撃を続け、クーデターを成功させて第一統領に就任、そしてついにフランス帝国の皇帝にまで上り詰める。政治家・軍人のトップに立ったナポレオンと、皇后となり優雅な生活を送るジョゼフィーヌだったが、2人の心は満たされないままだった。やがてナポレオンは戦争にのめり込み、凄惨な侵略と征服を繰り返すようになる。

映画.comより一部抜粋

英雄

1789年、フランス。フランス革命直後で、国は王党派と革命派の間で揺れていた。

若き軍人ナポレオンは、そんな混乱のなかで非凡な戦の才能を発揮していた。イギリスからの侵略を阻止したのを皮切りに、次々と功績をあげていった。

それとともに、未亡人のジョセフィーヌの恋に落ちる。

彼女との愛が深まっていくとともに、ナポレオンは歴史に名を残す偉業を次々と成し遂げていく。

史上最高にダサい英雄

巨匠リドリー・スコットが最新作の題材として選んだのは、一軍人からフランス皇帝まで上り詰めた"英雄"ナポレオン。

しかし、その"英雄"の姿は私が想像していたものとは違いました。

スコットが描いたナポレオンを一言で表すと…

ダサい

最初の合戦のシーンで、乗ってる馬を撃たれて派手にぶっ倒れるたり…

メンヘラ全開で妻を溺愛しすぎたり…

そもそも常に眠そうな目をしていたり…

あれやこれや、とにかくダサすぎるんですよね(笑)。史実を辿って思い描くナポレオンのカリスマ的姿とは、あまりにもかけ離れています。

そんなナポレオンでも、フランス皇帝まで上り詰めていく…。そのギャップが、非常に面白いんですよね。

ホアキン・フェニックス×リドリー・スコット

そんなナポレオンを演じたのが、オスカー俳優ホアキン・フェニックス。リドリー・スコット作品への参加は、『グラディエーター』でローマ皇帝のルキウス以来なんですね。

ずっと眠たそうな顔をしながらも、時々見せるカリスマ的一面や悪魔的な狂気性は、フェニックス独特の雰囲気あってこそ成り立ったのでと思います。

そしてもう1人の注目人物は、ナポレオンの妻であるジョセフィーヌを演じたヴァネッサ・カービー。『ミッション:インポッシブル』シリーズへの出演に加え、Netflixオリジナル映画『私というパズル』(2020)でアカデミー主演女優賞にノミネートされた、今注目の俳優です。妻を溺愛しすぎて束縛しようとするナポレオンに対して、逆に支配しようとする凄みのある役柄を、見事に演じていました。

先日発表のあったゴールデングローブ賞にはノミネートされませんでしたが、ヴァネッサ・カービーくらいは英国アカデミー賞もしくは米アカデミー賞にノミネートされるのではないでしょうか。期待しています。

まだまだ元気なリドリー・スコット

本作で監督を務めたリドリー・スコットは、御年86歳。ご高齢にもかかわらず、まだまだ精力的で、本作に加えてここ3年で『最後の決闘裁判』(2021)と『ハウス・オブ・グッチ』(2021)という大作を立て続けに監督しています。

そしてもちろん、次回作も決定しています。

アカデミー賞作品賞受賞作の『グラディエーター』の続編。『aftersun/アフターサン』(2022)で今年のアカデミー主演男優賞にノミネートされたポール・メスカルを主演に迎え、さらにデンゼル・ワシントンも出演。

全米公開は来年の11月が予定されていましたが、俳優組合のストがあったので、ちょっと遅れるかもですね…。

さらに…

アクションスリラー映画”BOMB”でもメガホンを執ることが決定。

元気過ぎるだろ…。


前回記事と、次回記事

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次回の更新では、『野火』(2014)の監督を務めた塚本晋也最新作『ほかげ』を紹介させていただきます。

お楽しみに!