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24歳、鬱病になる。ー〔167〕素敵な人

私24歳にして、今年2023年の1月に鬱病と診断を受けました。

鬱病になった私に起きたことや、そこから立ち直れるにようになるまでの姿を、自分なりに整理して、書き起こしてみたいと思います。

自分のために、そして同じような境遇の人の何かの一助になればよいなと思っております。


前回の記事では、翻訳学校のカウンセリングの様子について書きました。今回は、その続きについて書き記していこうと思います。

・・・

講師の方がカウンセリングを締めようとした瞬間に、私は咄嗟とっさに言いました。

「あと1つ聞きたいことがあるんですけどいいですか?」

「あっ、いいですよ」と、講師の方は驚いた表情をして言いました。

「あの…来期については一旦お休みしようと思うのですが…」と私は言いました。

「ああ、それは可能ですよ。ただ…」講師の方の顔は少し曇りました。

「ただ、やはり時間を空けてしまうとですね、忘れたり、折角確立できた課題をこなす習慣が乱れたりするので、できれば避けたいですね」と、講師の方は言いました。

「ちなみにですね、どうしてお休みされるか伺ってもいいですか?」

「それは…」私は一瞬ためらいましたが、思い切って言うことにしました。「実は…年明けに体調を崩しまして、クリニックに行ったら精神疾患を診断されまして…。なので1、2月の授業は本当に辛かったんです。最近は、ようやく回復の兆候がみえてきたのですけど、念のために時間を置こうと思いまして…」

「それは、休んだ方がいいですよ!」と、講師の方は画面越しでありながら前のめりになって言いました。

「たまにですね、お休みしたいという方がおられるんですよ。それで理由をお伺いして、ちょっと慎重になりすぎているんじゃないかと思われたら、あたしの方でお尻を叩かせてもらうこともあるんですけどね。ただ今回の場合は、絶対に休まれた方がいいですよ」

その言葉に私は安心されました。てっきり無理な引き止めをされると思い込んでいたら、こんなにも優しい言葉を掛けてくれたからです。

「まあ半年になるか1年になるかはわかりませんが、その間はゆっくりしてください。無理して復習などするより、色んな映画やドラマを観て、たまに字幕に注目したり、吹き替えで観てみたりして、頭の片隅で映像翻訳のことを考えるくらいでいいと思いますよ」

そう言いながら、講師の方は優しく微笑みかけてくれました。

「それでは、半年後、もしくは1年後にまたお会いできることを楽しみにしております」と言って、カウンセリングは締めくくられました。

画面越しに手を振ってくれた講師の方は、素敵な女性でした。


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