見出し画像

目が怖いんだよ、目が

超絶成功した創業社長の手相だけが載っている写真集見てみたいシリーズ

組織づくりがすごくて、「超効率的だ!」なんて騒がれて色んなメディアで取り上げられたり、組織づくりで悩んでいる企業から見学やコンサルのオファーが絶えない会社の本を編集しました。2年くらい前の話。

創業社長はもともと大手メーカーの営業でぱっと見、超イカツイ。怖い。声は低くてゆっくり。怖い。Vシネ感溢れ出してる。怖い。

はじめて挨拶した日は気が気じゃなかったのを覚えています。「こんなこええ社長が超理想の組織をつくったと? 社員に無理やり盃交わさせてあとは恐怖で押さえつける系の組織なんじゃないの?」と、失礼ながら思いました。というか、後々本人に言いました。

もちろん、その第一予想は外れました。

まあ、実際そんなことはないだろうな、というのは会社に入った瞬間にわかっていましたけど。なぜならば、オフィスでは従業員がめちゃくちゃ楽しそうに働いていたからです。

出版の成果もあるのかないのか、結構有名になっているのでその組織づくりの詳細は省きますが、そりゃあもうどんな手品を使えばこんな会社になるんだろう、と思うくらいに(タネは知っています)。

皆さんは、求人雑誌のブラック企業の枠に「アットホームな会社です」と書いてあって、社員風の人たちが肩を組んで超嘘くさいスマイルをしている写真を見たことがあるでしょうか。あれです。あれを地でいっているような会社です。「こんな、PIXTAで“社員”って検索したらまっさきに出てきそうな写真の会社って実在するんだ」って本気で思いました。

そして、そんな会社を一代で築き上げた、龍が如くシリーズに出てきそうな社長。どんな人なのでしょう。話をしてみると、とんでもなく頭がいい。そしてめちゃくちゃ優しい。声はゆっくりで低くて怖いけど。見た目とのギャップよ。

例によって、トータル15時間くらい話をしたのですが、何度もご飯をごちそうになったり、奥様をご紹介いただいたり、ドライブしながら映画について超語ったりと、それはそれは楽しい時間を過ごしました。

本題はここからなのですが、その社長がある話の中で「僕は近々会社を辞める人がわかるんだ」と言っていました。社内を歩いているとき、働く社員の顔を見て、わかっちゃうんだ、と。ちなみに社員100人くらいいます。

どんなところでわかるんですか。オーラとか見えるんですか。

「目だよ」(声:黒田崇矢)

目、ですか。

「表情はみんな笑顔なんだけど、目だけは嘘をつかないんだ。辞めようと思っている子の目は明らかに違う」

というやりとりがありました。

ちなみに、その会社の離職率はとても低いです。でも、たくさん社員がいたら、いろんな事情で辞める人も一定数はいるようで。

ちなみにちなみに、社長が辞めそうな人を見抜いたからと言って、その人を別室に呼び出して「エンコツメロ」とか言うわけではありません。どうもしないそうです。変なフォローもしないです。

社長は営業時代に、大変な目に何度も会ってきていて、社長になってからもたくさん騙されて、一時期人間不信になったそうです。そういう経験を経て、「目」を見るようにしているとのことでした。そう言えば、はじめて会ったときも、超目を見て喋る人だと思っていました。し、基本的に口数がそんなに多くないため、僕が何か喋った後に、じっと僕の顔を見ながら無言の時間が流れる、ということが何度かあったのを思い出しました。あれは顔を見ていたのではなく、僕の目が嘘発見器にかけられていた、ということらしく、後々腹がたったものです。あと、どっちにしても怖えからやめてほしい。

以降、社長は、その人と付き合っていくかどうかを、目で決めているそう。そうして付き合う人を選んでいった結果、今があると言っていました。経営者には色んな人が寄ってきます。営業マンはもちろん、投資家や業者、入社希望の人もそうです。その一つ一つの選択を間違え続ければ、どんなによい仕組みをつくったとしても成功しない。と。

実はこれ、本には書いてないことです。

なぜなら、どういう目なら信用できるのか、ということは2回聞いても教えてくれなかったからです。というか、2回目に聞いた時に笑顔でかわされたのですが、目が超怖かったので、これ以上は聞かないほうがいいと本能が教えてくれました。

皆さん、目を大切に。

最後になってしまいましたが、勘の言い方なら最後の方から急に文章が鼻につく感じになっていると思います。なぜなら、これって僕が「目を見て付き合う人を決めている、超絶成功社長に“選ばれた俺”」的なメッセージが透けて見え見えだからです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?