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超成功している経営者に「学校の勉強は役に立ったか」と聞いた結果

創業社長の頭んなかってどうなってんのシリーズ

学生が数学の勉強を放棄する理由、不動の一位は「社会に出て役に立たないじゃないか」です。そこに「アインシュタインもそうだった」やら「ニュートンもそうだった」やらの事例をくっつけて免罪符を発行することで、学生諸君は後ろめたさを排除して心置きなくユーチューブを見ることができるのです。

既に社会活動をしているアダルトチームのみなさんも、きっと一度は直面したり、こういうことを理由に「勉強、やめちゃおうかな」と思ったことがあると思います。

僕は取材のどこかで、創業社長連中に学生時代どういう勉強をしていたかを聞きます。すると、割合としては「普通だった」「劣等生だった」という答えが多いのです。ただ、まあ、あれです。僕はその人と10時間近く話すわけですから、それが「盛っている」答えであることは見抜いてしまいます。本人に言及はしませんけどね。

彼らが劣等生感を匂わせてくる答えは難しくありません。要はそのほうがスゴイやつ感がでるからです。たとえば、アインシュタイン的な人が学生時代成績がトップクラスだったと言われても、そりゃあそうだよね。となるわけです。だけど、相対性理論みたいな超すごい考え方をする人が実は学校成績や素行はよくなかったときくと、うわあてんさーい! になり、その人がよりすごく見えてしまうあれです。もう少しわかりやすくいうと、テスト前に勉強してたはずなのに「全然勉強してない」と言って高得点を取る人、みたいな。なんとなくわかるでしょうか。

盛ってくる創業社長はすべからく、実際はどうだったかは置いといて、だめなやつなんだ、と自分を貶めるふりして、「なのに成功してるから逆にすごいだろう」と言いたいのです。

ただ、本当に偉い創業社長がこういうことを言うと、それすら戦略に思えてくることがあります。脱線気味になりましたが、今日の本筋はそのことについてです。

ある創業社長(わりと高齢)は「学校の勉強が役に立っているか」という質問に対して「役に立っている」と言いました。その人は「学校の勉強なんて簡単すぎて面白くなかった」と言いつつ、成績は抜群によかったらしいです。ただ、大学には行っていません。

「何がどう役に立つのか」と聞くと、「物事の考え方」だと答えます。例えば先の数学で言えば、確かにサインコサインが直接ビジネスとして役に立つかと言えば、そうでない場合の方が多い。だけど、どうやって問題を解決させるか、どんな公式を使えばいいのか、どんな意図でこの問があるのか。など、問題の解き方を考える訓練、と考えると勉強する意味があるといいます。

会社経営をしていると、自分の理解を超えた問題がいくつも発生するそうで、そんなとき、問題の本質がどこにあって、どういう順番で、誰に力を借りて、解決すればよいかを判断するときに、勉強してきた人としてこなかった人との差が出るんじゃないかなあ、と言っていました。

合理的な判断を的確に、なるべく早く下すための勉強。自分が解けない問題にきちんと向き合い、なんとか解いてやろうと試行錯誤をすることそのものに意味があるのだと。なんだか、これって考えてみるとふつうのコトなのです。そのへんを歩いている人が言っていると全然響かないけど、こういう成功している創業社長が言うのでは印象が違います。なんちゃらバイアスがかかっているからでしょうか。

そしてこうも言っていました。

最近の学生たちの学力が落ちていて、スマホに依存して、動画やSNSばっかりやっている人が多い今はチャンスだよ。羨ましい。だって、そういう力をつけることを放棄した人がいっぱいいるってことは、競争相手が少なくなるってことだから。羨ましいなー。と。

70歳くらいの人がこういうこと考えるってすごいなと思いました。なんか、スキあらばもうひと花咲かしたろ、という気概を感じるし、ヘラヘラ笑顔で話しているけど目の奥はギラリとしたものがうごめいているし。

最初に話した「オレ全然勉強できなかったよ」って言っている人たちも、本当に基本的には勉強

というわけで、成功したい人はライバルが減るための啓蒙活動をがんばりましょう。学生諸君はティックトックとインスタグラムをしつつ人気ユーチューバーの投稿をいまかいまかと待ち構えていてください。勉強なんて意味ないんだから。


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