薄毛・細毛・エイジング毛の原因について【頭皮常在菌編①】
年齢と共に起こる髪質の変化、薄毛・細毛やエイジング毛に関して、 様々な情報を元に原因を詳しく解説します。
今回は頭皮に存在する常在菌、エンテロコッカスについて。
■常在菌とは??
ヒトの体は約30兆個の細胞で形成されていますが、体内外に生息する常在菌の数は40〜100兆個ほど存在していると言われています。常在菌は、私たち宿主の健康状態や生活環境と複雑に相互作用しあいながら、腸内や口腔内をはじめ、様々な部位で細菌の集団(細菌叢)を形成しています。
常在菌は、常にヒトに住みついて、外部からの侵入菌の増殖を防いでくれたり、
紫外線から守ってくれる働きをします。
常在菌には、健康な肌や腸内環境・口腔環境を作り出す菌(善玉常在菌)とトラブルの原因になる常在菌(悪玉常在菌)があり、健康であれば善玉常在菌が活発に働き、悪玉常在菌の増殖を防いでくれますが、抵抗力が落ちた状態では様々な感染を起こすことがあります。
もちろん頭皮も肌の一部ですので常在菌は存在し、最近の研究ではスカルプフローラ(頭皮の常在菌のバランス)が変わると、抜け毛や薄毛・白髪の原因になることが発見されました。
※頭皮(スカルプ)細菌叢(フローラ)…頭皮に生息する常在菌の総称。
■頭皮に存在する主な常在菌
頭皮に存在する常在菌は主に、
・表皮ブドウ球菌(肌の上では美肌菌として知られ、保湿成分グリセリンを産生)
・コリネバクテリウム(頭皮で異常増殖すると、白髪、細毛をもたらす)
・アクネ菌(ニキビの原因にもなるが、余分な皮脂は食べてくれる)
これ以外に、スカルプフローラの10%ほどの割合の中に多数の細菌が存在します。
■髪や頭皮の老化現象を引き起こすエンテロコッカス
髪や頭皮の老化現象を引き起こす老化菌(TM)として発見されたエンテロコッカス属細菌は主な3種類の常在菌以外の中から見つかりました。
エンテロコッカスは頭皮だけではなく、腸内や口腔にも生息していますが、頭皮に生息するエンテロコッカスは、頭皮の角化細胞を老化させ、その老化した細胞が毛包の働きを弱めることが明らかになりました。
毛包は毛髪を育てる土台にあたる大事な組織ですが、エンテロコッカスが細胞を老化させた結果、正常な毛髪が育たなくなり、複合的なエイジング現象が引き起こされてしまいます。
エンテロコッカスは、若い人の頭皮にはほとんど生息せず、エイジング現象が進んでいくと増える菌で、これが「白髪」「抜け毛」「うねり」「髪のハリコシの低下」「頭皮の黄み」などの老化現象に関連しています。
特に捻転(ねんてん)毛と言われるチリチリしたようなごわついた髪が年齢によって増えるのもエンテロコッカスが関わっています。
スカルプフローラを整えることで頭皮の老化を抑えることができます。
健康な髪は頭皮環境が大切です!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?