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どうやら私は
パワハラを受けているらしい。
先日の、年に一度用意された人事部長との面談によって、ようやく自覚した。
これまで自分ではあまり深く意識していなかったものの、私の話を聞いた誰もが「それパワハラじゃん」と言うので、今年の人事面談ではその話を聞いてもらおうと思い用意していた。そして、人事部長の見解としても「社内で一、ニを争うくらいのパワハラ案件」なのだそうだ。
上司の私への発言は叱咤激励。部内メンバー(総合職男性2人)の私への発言はマウント行為。そう思い込んで表沙汰にしようとしなかったのは、昭和に育ったせいかもしれない。
上司と部内メンバーの無責任な言動を感じるようになっても、気にしないように明るく振る舞っていた。だからこそ、周りも私がそのような状況にあるとは、全く気づいていなかった。
でも、最近私は、確かに心のしんどさを感じていた。
部の打ち合わせがある日は朝から胸の中で煙が燻り、その煙を消すようにして出席していた。毎回きついことを言われるわけではないけれど、理不尽に責められることが多いため、顔を合わせて同じ場にいることに嫌悪感を抱くようになっていた
そうか、だからなのか。
人に言われて初めてハラスメントを受けていたことに気づく私。そんな自分を情けなく感じながら、思わずヘラヘラと笑ってしまった。
5年前は、会社のカネを使い込みした直属の上司がクビになり、次に据えられた他部門との兼任部長は間もなくして社員へのセクハラで左遷となった。責任者らしい責任者が不在のまま、必死に仕事を回した。
そして今度はパワハラか。
なんという組織だ。
ただ、今回の場合は証拠がない。あくまでも「言われた話」であり、録音データでもない限り確たる証拠にはならない。
こういう時、よく “証拠を残せ” と言われるけれど、常にレコーダーをオンにして「録ってやるぞ」という、最初から尻尾を掴む準備をしていない限り、証拠なんてなかなか残せるものではない。
難しい。
ペン型のレコーダーを買うしかないか。
しかも、その録音行為自体、かなりの精神的苦痛を伴う。
そうしたところで私の処遇は今後どうなるのかわからない。取材に行ったり原稿を書き上げたりする広報業務はやりがいのある仕事だと思えども、所詮は一般職。異動になるかもしれないのは残念だけれど、ハラスメントで苦痛に悩むことから逃れるにはそれもやむを得ない。
私の異動理由が表面化したら、周囲の皆は驚くだろう。加害者はさらに私のことを恨むかもしれない。
とにかく、誰も傷つかずにきれいに収まることはあり得ない。
とりあえずは然るべき人に話をしたのだから、あとは自分にできることを少しずつ進めて、コトの流れに身を任せようと思う。
そう、
パワハラって受け続けるのも辛いけれど、勇気を持って訴えるのもまた、辛いことだと知った秋。