【農業】新自由主義グローバリズムと家族農業経営

こんにちは。新小樽少年です。
最近は本当に暖かくて、
とても過ごしやすいです。
就活も徐々に始まってきて、
エントリーシートの記入もしなくてはと思っているのですが、
あれもやりたい、これもやりたい
と後回しにしています。
そして今この記事を書いているわけなんですけど...
私の近況はつぶやきなどで発信していますので、
フォローしてください!(宣伝)
面白いことつぶやいている自信あります(笑)

それはさておき、
今回のテーマは【農業】です。
「新自由主義グローバリズムと家族農業経営」
とは一体どういうことなのか。
説明していこうと思います。

はじめに

今回の記事は
筑波書房出版、村田武編の
新自由主義グローバリズムと家族農業経営
を参考に書いています。
気になる方は是非お手に取りください。

この本との出会いは大学の図書館でたまたま目に入っただけです。
出版社や著者とのかかわりは一切なく、
回し者でもありません。

また今回の記事に関しては
連載という形にさせていただこうと考えています。
なのでよろしければフォローやイイね!をよろしくお願いします。

「新自由主義グローバリズム」が生み出した「無惨」

新自由主義」とは、
企業の経済活動に対して大規模な規制緩和を図り、
市場原理主義を擁護する概念といったところでしょうか。
細かく言うと、「市場原理主義」とは、
「低福祉低負担、自己責任をベースとし、小さな政府を推進し、政府が市場に干渉せず放任することにより国民に最大の公平と繁栄をもたらすと信じる思想的立場」(Wikipediaから引用)
日本はどちらかというと「市場原理主義」ですよね。
「新自由主義グローバリズム」とは、
これらに加え、資本移動の障壁を撤廃させて、
金融市場のグローバル化を強制することになります。
要するに、企業の利益増加を市場目的にし、
農業の担い手などを無視した資本主義ともいえるのではないでしょうか。

これらがもたらしたものとして、
先進諸国途上国での貧困と格差が拡大
②酸性雨や成層圏オゾンホールなどを含む環境問題の広域化
スラムの拡大を伴った都市の巨大化
などがあります。

持続可能な開発目標(SDGs)と家族農業

「持続可能な開発目標」(以下SDGs)は、
新自由主義グローバリズムがもたらした問題を
国際社会に訴えるため2015年に採択されました。

国際農業機関(以下FAO)は「家族農業の10年」を選択しました。
小規模な家族農場を支持することが、
目標達成には不可欠だとされました。
世界農業における家族農業の存在意義が強調されました。
その根拠は以下の通りです。
①世界農業において家族経営は90%を占める。
②世界の農業生産額のうち家族農場が80%を占める。
③家族農場は世界最大の雇用者
④家族農場はコミュニティの生態系農村景観の保全に貢献している
⑤家族農場の大半は小規模であること。
⑥漁業従事者の90%は小規模漁民であること。
⑦家畜放牧農民は気候変動が激しい地域において、食料保障に大きく貢献している。
⑧林業と農業の複合が自然資源の複合的管理を生み出している。
⑨途上国や旧社会主義国の山村住民の40%は食料を十分に確保できていない。
⑩世界の土着住民(貧困者の15%)は生物多様性保全に大きく貢献。

以上をまとめると、
家族農場は食料保障の向上持続的成長
そして農村の貧困環境劣化の戦いにおいて大きな役割を担っているのだ。

「新自由主義グローバリズム」とWTO農産物自由貿易体制

ここでは農産物に対する様々な貿易用語や概念が登場するが、
何が問題なのかというと、
コーヒーやココアなど(「一次産品」と呼ばれる品々)の価格安定と、
輸出所得の改善を目指して、
「一次産品共通基金」(価格調整をするために補助金を出す機関)や、
産品ごとに貿易の約束を取りまとめようとした。
しかし新自由主義イデオロギー(考え方)が、
途上国生産農家貧困に追いやっているということ。
言い換えてしまえば、
アメリカや日本などの先進国が、
途上国で安く生産されている農家を苦しめているということである。
その原因が新自由主義という考え方なのだ。

途上国の台頭とアメリカの2国間貿易交渉への逃避

そもそも貿易の自由化が全ての国に対して利益を持たすか?
と言われればそうではない。
貿易の自由化は全ての国に対して利益をもたらさない。
近いうちに、貿易の仕組みについては別途記事を挙げるので、
そちらを参考にしてもらいたい。

ここでは途上国政府やNGO(非政府組織)の先進国に対して、
抵抗力がアップしているということだ。
なぜなら貿易の自由化により、
途上国の農民組織が不利益を被るからである。

バイオテクノロジー農薬・種子アグリビジネスの登場

1996年にアメリカで遺伝子組み換え作物の商業栽培が始まってから、
アグリビジネスは一気に加速していった。

遺伝子組み換え作物(以下、GM作物)は、
除草剤耐性や害虫抵抗性などの形質をもつものから、
これらを兼ね備える「スタック」というものまで存在する。

しかし問題はここからであり、
それはGM主旨製造販売企業と栽培農家の関係である。
GM種子を購入する農家はメーカーとの直接契約において、
①種子代金に加えて、技術料(特許料)の支払い
農薬セットの購入
③第3社への譲渡禁止
④利用目的は販売に限定
⑤毎年の種子更新
が義務付けられており、
これに違反すれば提訴され、賠償金の支払いを迫られる。
農家が弱い立場になるような構図が出来上がっていったのだ。

先進国における中小農家経営の減少と農業構造の変化

農業従事者の高齢化販売農家からの撤退により、
農業従事者が減っていることは明らかである。
日本でも家族経営体の減少は激しく、
その結果、耕地の集積が進み、大型経営が著しくなった。

中小規模農家の存在意義に関しては第3節の通りである。
アメリカでも同様の減少が激しく、
EU諸国では生乳価格の暴落に伴い、
酪農経営の危機と離農が顕著な問題となっている。

「農業の工業化」へのオルタナティブ

新自由主義グローバリズム」は各国の農業と農業経営に大きく影響した。

アメリカではアグリビジネスが主導する「農業の工業化」、
例えば、遺伝子組み換え種子や化学肥料など、
農業への大量投入が地球温暖化気候変動を激化させ、
環境問題を深刻にした。

これに対して、有機農業(無農薬あるいは減農薬農業)や
CSA(地域に支えられる農業)を足場に、
「農業の工業化」へのオルタナティブが生まれている。
これに対し、
気候条件や土地資源に十分配慮した環境適応型で、
地産地消運動の推進、
また都市住民の貧困対策小規模農家の一体的に進める運動が起きている。

これらに対する取り組みを次回以降に取り上げていきたいと思っています。

参考文献・HP

JAPAN SDGs Action Platform/外務省(https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/index.html)

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