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【環境】国際リサイクルの将来展望

こんにちは。新小樽少年です。
いい天気が続いているのに、外に出かけられないのは、少し寂しいですね。
こんな時は家でおとなしく私の記事でも読んでください(笑)

さて今回で「リサイクルと世界経済」も最終回です。
あまりイイね!がつかなかったので、環境系の記事はまだまだ人気と共感が得られないものだと痛感しました。

しかし共感を得るように発信していくのも、私の存在意義になると思いますので、「分かりやすさ」と「面白さ」に比重を置いて、積極的に発信していきたいと思います。

1.これまでのまとめ

これまで第1回の記事から第6回までの記事では、中古品や再製造品の国際貿易について取り上げてきました。

第1回の記事では国際リサイクルについて触れました。第2回の記事から、中古品の国際貿易について本格的に触れだしました。日本から輸出されている中古品には家電製品や自動車部品がありました。

第3回の記事ではリサイクルされる再生資源について取り上げました。第4回ではこれらの輸出入によってどのような弊害が生まれるのかを考察しました。

第5回では国内経済や環境を守るための様々なルールを紹介しました。そして前回では世界における日本の立場を紹介しました。

前回の記事でも日本は「3R」という立場を取っているということに触れました。しかしこれはどう考えても、環境問題や環境負荷を減らすための抜本的な解決とは言えません

今回の記事では、環境保全と経済の両立を行っていくためにも、残された問題の整理をして、当連載を終えたいと思います。

2.自由主義経済の下での環境保全の意義

昨今の世界では経済活動は自由主義の下で行われています。これはどういう意味かと言うと、個人の経済活動が最も重要視されていることを言います。つまり個人は利益の先行で経済活動をしていいということになります。

それゆえ自由主義経済の下では、経済活動に伴う環境への負担、二酸化炭素の排出や環境汚染などといったことは考慮されません。ただし理論上の話です。

しかし私たちは地球に住む生き物として、環境と経済の両立をする必要があります

3.気候変動・資源問題への対応

気候変動対策は各国で行われている。アメリカでは気候変動対策に後ろ向きですが、州単位では積極的に取り組まれています。太陽光発電、風力発電、適切な廃棄物回収などの宣言が出されています。

資源としてリサイクルできるものはマテリアル・リサイクルが必要です。例えばアルミニウムは鉱石から製造するよりも、アルミ缶などの使用済み製品から製造すれば、エネルギー量は4%で済みます。

サプライチェーンがグローバル化する中、再生資源の国際貿易がカギを握っています。

4.海洋ゴミ問題

世界銀行が管理する地球環境ファシリティ(GEF)は特定の事業にしか資金を提供していません。しかし2013年にGEFのアドバイザリーパネルが、海洋ゴミが生物多様性に悪影響をもたらしている報告をしました。

魚や海鳥が、プラスチックごみなどの体内で分解されない廃棄物を誤飲していることが問題となっていた。これに対し、発生元での廃棄物発生の抑制や適切な処理が重要であると指摘している。

発生源は大陸と考えられており、適切な処理を出来ない途上国に資金援助の可能性が期待できる。

5.発展途上国の経済成長

第2回の記事でも少し触れましたが、中古品の多くは発展途上国に輸出されています。現地の人々も徐々に中古品の質の良さを追い求めるようになってきています。

所得の向上は人々の環境問題への意識を高めると考えられています。それゆえ再生資源貿易の市場は、賃金格差の是正に伴い、縮小していくと考えられ、リサイクル施設の増加が考えられます。

6.サービス産業化と再製造

IoT技術の普及は再製造をさらに加速させると考えられる。第2回の記事でも述べたが、再製造とは「重機材などのダメになったパーツだけを取り換え、再び使用する」ことをいう。

ではどのようにIoT技術が使用されるのか。それはこの技術を用いることで部品の交換時期を判断したり、再製造部品の拠点を国際的に設けることが可能になる。

7.最後に

全7回にわたる連載をお読みいただきありがとうございました。
国境を超えたリサイクルはエネルギー効率や、地球環境負担を軽減する大きな役割を担っており、またグローバル規模での問題改善に期待ができます。

日本では環境教育や国際的視野の養成がまだまだ未熟であるため、これらの問題が身近に感じられないかもしれません。しかし2020年の7月からビニール袋に税金がかかるなどの取り組みから、私たちは環境を思いやる経済活動にシフトしていかなくてはいけません

新小樽少年

この記事は小島道一(2018)「リサイクルと世界経済」中公新書、p206-214を基に書いています。


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