NO TIME TO WORK→NO TIME TO DIE

　仕事をしている場合じゃない金曜日を過ごしダニエルクレイグ最後の007「NO TIME TO DIE」を観賞してきました。こんな時間にnoteを更新していると言うことは興奮が冷めやらないことの証明ですw

　ネタバレはしません。ただ今の気持ちを書いておきたいなと。007ジェームスボンド。僕が初めて観たのは昼のロードショーのショーンコネリー版でした。しかしその時には子供だったこともあってそこまでハマりませんでした。そのあと、ピアーズブロズナンが主演になりこちらも好きだったけど深く感銘を受けることはありませんでした。

　しかし、ダニエルクレイグが初めて主演した「カジノロワイヤル」を観た時には本当に興奮したのを今でも憶えています。それまでのボンドはどこか浮世離れした存在でリアリテイがありませんでした。しかし、ダニエルが演じるボンドは若く無軌道で人を愛し、そして失いその悲しみに暮れてとても人間らしかった事が大きいと思います。もちろんトムフォード が作り出したファッションや肉感のあるアクションシーンのせいもあるでしょう。全てが完璧に揃った作品だったと思います。

　そんなボンドのストーリーは「慰めの報酬」まで非常に上手く描かれていたと思います。しかし「スカイフォール」で監督が変わった事により、少し間延びしてしまいました。「慰めの報酬」の興行成績が良くなかったこともあったので監督探しに時間がかかり、実績のある監督が選ばれましたが急にボンドが老いた設定になってしまい、また、ボンド生誕50年という事で世代交代などいろいろなことを詰め込みすぎて内容も無駄に長く感じてしまうものになってしまいました。

　そして「スペクター」が公開されました。この作品はダニエル版007のテーマであるボンドが唯一愛した女性を殺した敵に焦点を当てる作品になりました。スペクターとはなんなのか。そして老いたボンドは今後どうなっていくのか。過去を忘れる事ができるのか。この作品でダニエルも引退すると言っていましたしどう最後を迎えるのかも注目されました。ただ僕はこの時点でも「カジノロワイヤル」「慰めの報酬」の流れが途切れてしまった事に納得してなくてw 若いボンドがスペクターと対峙する姿を見たかったなーと、悪くない作品だと思いながら観ていたのを憶えています。

　そしてそしてまさかのダニエルの続投が決まった今回の「NO TIME TO DIE」の公開が決まったわけです。もうこの時点ではダニエルの実年齢を考えると年老いたボンドを演じることは仕方ないし、それでもダニエルが本当に本当に最後のボンドを演じるのであればと楽しみにしていました。しかし、前作でハッピーな最後を迎えたボンドをどう描くのが。そして新しい敵をどう誕生させるのか。心配なところもありました。

　ここでやっと「NO TIME TO DIE」の感想になるわけですがネタバレしないように一言で言うと「完璧」だったと思っています。トータル2時間以上あるわけですが全く長さを感じさせない展開。ボンドが再び戦いに身を投じるように描かれた脚本のアイデア。往年のファンを満足させる遊び心。そしてボンドがボンドとして終わるラスト。ここでやっと僕が好きだったダニエルのボンドが帰ってきてくれたと思う事ができました。

　うちの父の言葉ですが「映画は007に始まり、007に終わる」この通りに最高のエンターテイメントに仕上がっていました。これはね次のボンド演じるキャストも制作陣も大変だと思います。それくらい素晴らしい作品でした。（他にもいろいろ書きたいことはありますが）長くなりましたが緊急事態宣言も終わったし、ぜひ観に行ってみてください。

　ダニエルクレイグ、そしてジェームスボンドありがとう。僕が男として生きる指針はずっとあなたです。