Flower of death 〜死後からの再起〜
第二話
「は〜い上野さん、よく来てくれたね!早く起きてよ」
会見場のスピーカーから、ものすごくクリアな声の会話が聞こえ始めた。
「いつまでも寝てないの。では起こしますよ!」
真っ白な閃光が上野の体を覆った!
「うっ!ここは。」
会場のモニターが一瞬真っ白になり、巨大な存在の姿を映しだした。
「上野さんようやく目を覚ましてくれましたね。ずっと寝てるからもう目を覚ましてくれないのかと思いましたよ!ではせつめいさせてもらうから、よく聞いてね。単刀直入に言って、上野庄司アナタは死にました。こんな言い方だとショック受けちゃうかな?」
「何を言ってるんだ。アンタの声が聞こえてるんだから俺は死んでなんかいない。」
上野は立ち上がり、言い返した。
「上野さん、残念ながらアナタはもう生まれ育った世界からは離れてしまっているんです。下を見てもらっていいかな?」
上野が下を向くとそこには黒紫色の世界が広がり、足元には地面がなかった。周りを見渡しても黒紫色の世界が広がっていた。
「分かりましたか?実感してくれましたか?アナタは死んだのです。そして、次の世界Flower of deathでやってきたのです。認めたくないですよね?残念ながら上野さん、アナタは死んでしまった。そして、第二のこの場所やってきた。」
「嘘だぁ。記憶も残ってるんだ。そんなはずがない。」
巨大な影は話を続けた。
「まぁ始めのうちは皆さんそうなんですよ。では私の自己紹介させてもらいます。私の名前はデム。私もアナタ方と同じく地球での人生を3回ほど過ごしたわ。」
「デム?人生を3回?」
「人の人生というのはあっという間に終わっちゃうからね。イッヒッヒ笑。長いようで短く、人の欲望は果てしなく深い。もっとこれをやりたい、あれをやりたい、毎日そんな事を考えやりきれないで死んでいく。悲しいようで、楽しいような、私の人としての3回の人生はずっとこんな感じだったわ。あらっごめんなさい話が逸れてしまって申し訳ないね。簡単に言ってしまえば、この世界はアナタ方人間がずっと見たかった天国なのよ。私はデムと言って、この世界の仲介人。そして、上野さんの頑張り次第では会う事が出来るかなぁ?この世界のボス、ラワン様が存在する。この世界の全ては、ラワン様が決めるから絶対に失礼のないようにヨロシクね!じゃあ次の寝てる人起こし行くね」
デムは言いたい事だけを言い去っていった。
上野の視線の先はいくつもの数えきれないほどの白い人のような影が見えていた。
「はい、それでは今日の死亡者である皆さまが目を覚ましてくれたので、説明を始めますよ!」
デムの周りには無数の白い影が取り囲んでいた。
「今日の死亡者の数はなんと、4321人でした!まぁそんな多くはないね。赤ちゃん〜老人まで、人としての人生をまっとう出来た人、出来ていなかった人それぞれいますね!しか〜し皆さん諦めちゃいけませんよ!私の自己紹介で言わせてもらったように、私は人としての人生を3回やり直してます。そして、ここにいる皆さんにはまた人としての人生をやり直すチャンスをラワン様が与えてくれます!!!」
「どういう事?、」
デムの周りがザワついた。
「アナタ方はFlower of deathにやってきました。この言葉は死の花という意味です。死んだ者に花なんてあるんですか?普通に考えたら、死人になったら全てが終わりだよね?けど、私達の解釈ではFlower of death=死んでも、また花を咲かすって意味なんだなぁ。また人として生きてみたいでしょ?この世界はアナタ方の第二の人生になっちゃいます!ゲーム感覚の簡単なリークと呼ばれる遊びをしてもらい、勝ち残った者だけがまた人としての人生に戻ってもらいます」
「???」
上野をはじめ、全ての人が理解出来ていなかった。
「皆さん、いい表情してくれていますねイッヒッヒ笑。誰もが自分の死は認めたくないからね。その内分かるから安心してね。では、リークの説明を始めます。簡単に言っちゃと、魂の取り合い!いかに時間内に魂を取り合うかです!どうやって取るの?なんて難しい事考えないで下さい。まずはアナタ方、元人間の大好きな家族を集めてチームを作ります。すでに死んでる家族達ね。そして、家族対抗戦で他の家族と戦ってもらう。どんな手を使っても構いません。相手の魂を食べたら、1リーク。何個のリークを取ればいいかはその時によって変わるから、ちゃんと確認しといてね。決められたリークをクリア出来ればその存在は地球に戻され、また人としての人生を生きていく事が出来るよ!何も難しい事はない。時間内に他の魂を多く取った者が勝者となる。一つだけ注意ね!このリークで魂を取られてしまった者は二度と再起する事はなくなり、この世界からも抹消されちゃうから気をつけてね!老若男女の差が出ないようにリークが始まったらみんな平等になるから油断しないように!説明は以上。分かったかな?ではそろそろ本日のリークを開始いたします!」
白い閃光と共に、亡くなったはずの親族が上野の周りに現れた!!
「母さん?婆ちゃん?」
困惑する上野。
「では〜本日のリークを開始致しま〜す!3.2.1.スタート」
第三話へ続く
「ど・ヤンキーホームレス中村君」
2018年11月7日。
東京都府中市の伝説のホームレスヤンキーは、
34歳の若さでこの世を去った──。
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実際に暴走族だった作者の体験をもとに書かれた血湧き肉躍る青春フィクション。
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最後まで見て頂いて本当にありがとうございます! 皆さんに喜んで頂ける物語を今後も頑張って作っていきたいと思います!宜しくお願いします