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歌う時の口の開け方

 皆さんは、歌う時や喋る時の口の開け方にこだわりはありますか?「とにかくハッキリ大きく開けている」とか「先生に習った通りにやっている」とか色々あると思いますが、結論から言うとその人の口に合った開け方が見つかっているのであれば全然OKです。口の大きさも口腔内の形も表情筋のつき方も、顔の形は人それぞれなわけですから、各々の最適解を見つけていくことができると良いですね。

 で、以上を踏まえた上で、頑張って自分に合った形をどーにかして見つけてね!だとあまりにも無責任なので、ここで口の開け方に関して私が以前ある時ふと気付いたことをお話ししようと思います。

 私はStevie Wonderが大好きです。ライブにも三度参加し、毎回号泣。中学生の時に見たWe Are The WorldにおけるBruce Springsteenとの掛け合いの衝撃は未だに忘れられません。ミュージシャンとして、アーティストとして素晴らしいのは言うまでも無いのですが、個人的には技術向上のための練習のモチベーションにもなっている存在です。

 そんなStevie Wonderの歌い方をYouTubeなどで研究していたときに、口の開け方に少し違和感を感じた時がありました。「笑顔」というか、口角が上がっていることがやたら多いのです。優しく楽しい楽曲や、そういう内容の歌詞を歌っている時に笑顔になるのは理解できますが、悲しい曲やメッセージ性の強いシリアスな曲を歌ってる時にも、なんだかニヤニヤヘラヘラして歌っているように見えたのです。

 で、何か変だなぁとか思いつつ、その口の形をなんとなく真似して歌ってみたところ、声がズドーン!と出た感じがしてビックリ。身体に馴染ませるべく繰り返し練習したところ、高い声や大きな声が出しやすくなっただけでなく、複雑なメロディにも対応できるようになり、さらには発声練習にも良い影響が出るようになったのです。

 Stevie Wonder

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 不思議だなぁと思っていたところ、たまたまRay Charlesの動画を目にして、そういえば彼も同じように口角を上げて笑顔で歌っている!と気が付いて非常に驚いたのですが、

 Ray Charles

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同じく盲目のミュージシャンであるRaul Midonもニヤニヤしてて、さらにビックリ。

 Raul Midon

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これは何かあるぞと思って調べてみたら、口角を上げることで口腔内が良い具合に広がり、共鳴させやすくなって声が出しやすくなる、などというお話がチラホラ。彼らがこれを知っててやっているのかはわかりませんが、どうやったら良い感じに声を出せるかという点において、きっとその鋭敏な感覚の中で口角を上げると良い感じになるということに気が付いているのではないか、見た目の違和感を捨て機能に特化させることで、理想的な歌声に近づけているのではないか、という仮説を立て練習していったことがかつてありまして。それがその時非常にうまくいって、今の自分にとっても大事な感覚の一つになっているというお話でした。

 最初にも言った通り、人それぞれ歌いやすい口の開け方がありますから、誰しもが口角を上げれば良いというわけではないということに気を付けていただきつつ、色んなミュージシャンの口の開け方を見てみて真似してみていただけると、何か発見があるかもしれません。ライブ動画やTVの歌番組などでチェックしてみてください!!

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