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読書感想 #4 Learn or Die 死ぬ気で学べ プリファードネットワークスの挑戦 西川徹 岡野原大輔

自分たちは「泳ぐのをやめると死んでしまうマグロ」である。新しいことを常に取り込み続けていかないと、技術者としても技術としても死んでいる状態になってしまう。

なぜ本書を読むことにしたか?

Facebookで流行っているブックカバーチャレンジで知人の誰か(忘れた)が紹介していました。Learn or Dieというタイトルとあまり知られていないPFNなので読んでみようかなと思った次第でした。

著者プロフィール

西川徹   Preferred Networks代表取締役社長
岡野原大輔 Preferred Networks代表取締役副社長

表彰等は文字が長くなるので割愛。私がクリリンなら、彼らはスーパーサイヤ人4の悟空とベジータです。

本書の概要

一言でいうとPFNの会社案内

1【存在意義】プリファードネットワークス(PFN)とは何か
2【理想】チームで成果を最大化する
3【情熱】何よりも自由を確保する
4【価値基準】常にラーニングゾーンに身を置くために
5【技術革新】深層学習の面白さ
6【組織開発】「何をやるか」と同じだけ重要な「誰とやるか」
7【資本政策】9割に及ぶ失敗を「推奨」するために
8【未来】AIとロボット、我々が見据える未来予想図

本書から学んだことは何か?

物体の認識の多様性に対応するだけではなく、人が物体を捉えるときの多様性に対応するためにも深層学習は適用できるのである。(P.38)
深層学習は機械学習の一種だが、これだけ成功している理由は汎化能力が高いからだ。(P.152)
人間の考え方や設計スタイルと、機械・コンピュータの設計スタイルは違ってくる。しかし、ハードウェアの部分まで踏み込めないと、人が考えたハードウェア設計に、ソフトウェア技術が制限されてしまう。(P200)

深層学習の知見がなかったので、どういったものか、どういった範囲に適用できうるのかという理解には大変役立ちました。図等ほぼなくても理解できるように書いてくださっており、大変わかりやすいです。

起業は、準備すればするほど、やる気はなくなってしまう気がする。思い立った時に始めるのが一番いい。(P.70)
自分が「面白い」と思えることに、もっと敏感になるべきだと考えた。人生は有限だ。「面白い」と思えることにフォーカスしないと、最大の成果はだせない。(P.91)

お二人の経営者としての視点で学びになることも多数含まれています。私にとっては9か所あり、内2か所が上記でした。確かに面白いと思える内容は時間がない中でも、無理にでも進めます。昨年の秋から今年の2月まで、Globisのクラスと卒業を迎えるにあたり、面白いことは何か?やりたいことは何か?をひたすら考えました。その内容で起業したいとまでは思いませんでしたが、成果だしていけるようにセルフマネジメントしていきます。

どんな人に読んでほしい本か?

・PFNに興味のある人
・深層学習に興味はあるが知識のない人

ベンチャー社長が赤裸々に自分の体験談を書きなぐった強いパッションのようなものは感じられず、優等生が過去の経緯と深層学習の捉え方について書かいたような印象を受けました。タイトルの「死ぬ気で学べ」という印象が強く、もっと熱い想いが全面にでてくるかと思っていましたが、少し肩透かしをくらった印象。でも、その冷静さがPFNをここまでの企業にしたのか、出版社の意図かはわかりませんが。PFNに興味のある人、もしくは深層学習に詳しくない人が読む分には適度に面白く読めるかと思います。

ちなみに、角川のビジネス書というのもめずらしい印象です。西川さんが水樹さんのファンだからですかね。


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