「ONE TEAM」のスローガンは「テレワーク」でも通用するのか?
2019年の流行語大賞に選ばれた「ONE TEAM」は覚えてらっしゃるでしょうか?日本で開催されたラグビーW杯で、日本代表を指揮したジェイミー・ジョセフ氏が発表したスローガンです。弊社は、ちょうどこの時期に増員しビジネスの荒波を乗り越えることとなり、一致団結できるように「ONE TEAM」を掲げておりました。
この時期はどの企業も、コンサルタントも「ONE TEAM」でした(笑)
コロナ過となりフルリモートとなった弊社、もう一度「ONE TEAM」を見つめ直していきたいと社内勉強会の題材としております。
実は、「ONE TEAM」と「テレワークの成功」には共通点がありますので、それをお伝えできればと思います。
ワンチームとは
「ONE TEAM」の初出はジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC)の就任から約1カ月後の2016年10月28日。欧州遠征メンバーの発表会見でのことだ。15年W杯代表が12人で、初代表は17人。新旧メンバーが混在する中で、「一体感のある組織を目指そう」と選手らも加わって決めたものを、ジョセフHCが自ら発表しました。
「ONE TEAM」は簡単なものではなく、実際2019年ラグビーW杯までの4年間で「ONE TEAM」と言えるのは最後の方だったそうです。
正に最高の試合であるW杯スコットランド戦で「実を結んだ」から使える言葉のようです。
2019年9月からのW杯に向けて2月から「ONE TEAM」に向けて異例の長期合宿を行ったそうです。
キャプテンとして「日本の顔」になったリーチマイケルは、
「ONE TEAMと言っても、一夜にして出来るものではないですよ」
この言葉通り「ONE TEAM」を完成させるには、様々なことを全員で取り組んで作り上げていかないといけないものです。
「一体感のある組織を目指そう」から生み出された「ONE TEAM」が、どのように作られていったのか組織論やチームワークの観点から少し考えてみたいと思います。
組織論
組織論の1つでバーナード組織の3要素があります。
アメリカの経営学者チェスター・バーナードが提唱した組織論です。
組織は「コミュニケーション」「貢献意欲」「共通目的」の3つから成立するもので、どれか一つが欠けても組織不全になると定義しています。
組織論を話すと長くなりますので、今回は軽く紹介程度とさせていただきます。
「コミュニケーション」
コミュニケーションとは、仲間同士で情報を共有し、意思の疎通を図ることをいいます。
コミュニケーションが構築されていない組織は、トラブルが発生しても発見が遅く、迅速に対応することができません。そのため、問題がますます大きくなる可能性があります。
コミュニケーション能力強化には、スピーチやプレゼン等の「話す力」が重要と考えられる方もおられますが、それと同時に「聴く力」も重要とされます。
「ONE TEAM」完成に向けて長期合宿を行ったりしたのはコミュニケーション強化の意味合いも強いと考えられます。
「貢献意欲」
貢献意欲は読んで字のごとく、組織に貢献する意欲のことになります。
ポイントは個々の力をどのように組織に貢献させるか。
各自が意欲的に取り組めば、足し算の結果ではなく掛け算の結果にもなりえるでしょう。そのようになるよう意欲を上げる取り組みが必要です。
一時的な効果としては金銭的なアプローチでの動機づけがありますが、長期的に考えると、各自がしっかりと自分の役割を認識して高い目標を達成していく成功体験が大切になります。
個の力が組織としてさらなる成功となれば意欲はさらに高くなることでしょう。
2015年W杯ラグビーから、2019年W杯ラグビーに向けてさらなる高い目標が選手たちにとって高い意欲となったことでしょう。
田中選手は「2015年W杯でラグビー人気が爆発したのに、直ぐに冷めてしまった。2019年W杯では冷めないラグビー人気を確立したい」と意欲を語っておられました。
「ONE TEAM」が流行語大賞になり、いまだに語り継がれるW杯の戦いを考えるとラグビー人気を不動なものにできたのではないでしょうか。
「共通目的」
組織が目標を達成するうえで重要なのが共通目的です。バーナードは、目的には協働的側面と主観的側面があると言っています。
協働的側面とは、企業理念や個人が持っている情報を共有し、達成に向けて協働することです。一方、主観的側面は、家族のため、社会とつながりたいといった個人的な目的のことです。
ビジネスでは企業理念やビジョンに共感してもらえるように伝え続け、事業を自分事として考えてもらえるようにすることが大切です。
今回の「ONE TEAM」は正に共通目的として進むべき道のスローガンで、大成功した事例でしょう。
これが、ビジネス界隈でもよく使われた理由となります。
バーナードは組織をそれぞれ孤立した個人の集合ではなく、お互いに影響し合いながら成立するシステムだと定義しました。
ばらばらの個人が組織の中で共通の目的意識を持ち行動するには、個人同士を結び付ける要素が必要です。バーナードの組織論にあってはそれがリーダーシップであると説かれています。
組織と個人の利害は相反することがよくあります。そこでリーダーシップを発揮し個々の目的よりも集団の目的が優先する理由を明らかにし、説得することが求められます。
「ONE TEAM」完成のため、ジョセフ氏は、チームのリーダー役に10人を指名し、ひとりのリーダーに頼らないチーム作りを心がけていたのだそうです。
ラグビーは1チーム15人で試合し、ベンチ入り23人としたらリーダー役10人はかなり多いことがうかがえます。
優れた組織、優れたチームは、各々のメンバーがリーダーシップを発揮して、仕事を “自分事” として捉え、チームパフォーマンスを格段に向上させています。
この概念に近いことになりますので、バーナードの組織論と「ONE TEAM」のチーム作りは同じことを伝えているように思います。
「ONE TEAM」とテレワーク成功の共通点
テレワークの詳細については弊社ブログでも多くお伝えしておりますので割愛させていただきますが、ざっくり言いますと成功ポイントは2つ「セルフコントロール」と「コミュニケーション」です。
セルフコントロールで個人的結果を出し、コミュニケーションで組織力向上させ足し算から掛け算にしていく、テレワークを成功させれば・・・
「ONE TEAM」の成功にもつながるということです。
このコロナ過でテレワークを余儀なくされ、十分なパフォーマンスが出せないと言われる方、やり方を見直しましょう。
そして「セルフコントロール」「コミュニケーション」で成果をだすポイントは「リーダーシップ」です。
リーダーシップとは、リーダーだけが発揮するものではありません。
誤解や勘違いをされ「リーダーが引っ張るもの」と思われている方もおられます。誰か一人がチーム全体をグンと引っ張るのではなく、みんなで問題を共有して解決の道を探していくのが大切です。
リーダーでない人は指示をただ待つのではなく、「気がついた人間が組織をリードしていくのが、本当のリーダーシップ」です。
つまり、上下関係の立場にかかわらず、全員がリーダーとしての意識を持つ、他人事を自分事として捉えることができる人が多く集まる組織を目指した先に「ONE TEAM」があるのです。
コロナ禍でテレワークが推奨される世の中となりつつありますので、
もう一度「ONE TEAM」をスローガンに仕事に取り組んでいくようにしてみてください。
そうすれば「勝てる組織」になること間違いありません。
まとめ
今回は「ONE TEAM」の達成とテレワーク成功の共通点についてお話させていただきました。
ポイントは2つで「セルフコントロール」と「コミュニケーション」です。
2つで成果を出すには「リーダーシップ」が重要となります。
また「一体感のある組織を目指そう」から生み出された「ONE TEAM」のスローガンはビジネスの組織論に共通するところが多いです。
・コミュニケーション
・貢献意欲
・共通目的
ここでも組織力向上と「ONE TEAM」の達成にはリーダーシップが重要であるとお伝えさせていただきました。
是非、アフターコロナでの組織改革にご参考ください。
最後に
今回は、社内勉強として、再度「ONE TEAM」のスローガンを見つめ直すためにブログを書かせていただきました。
従業員にどこまで響くか楽しみであります(笑)
弊社は中小企業の新規事業開発支援・DX支援を行っております。
オープンイノベーションの相談や、デジタル化のご相談がございましたら、お問い合わせください。
ホームページ制作やITツールの活用(MAやRPA)等の支援なども行っております。
普段は、歴史、温泉、紅茶、読書なんかのブログを書いておりますが、今回はビジネス系となりますので、会社の宣伝させていただきました。
勝手気ままにブログを書いてる後藤純ですが、他のブログもよろしくお願いいたします(笑)
僕は小さい頃から空手、高校時代は体操と個人競技を行っておりましたが、会社のフットサル部に入部してから「チームプレーは組織の在り方を学ぶチャンスになる」と考え、我が子にはチームスポーツをやってもらいたいと思っております。まぁ勝手な意見ですが(笑)
それについては、また別の機会にお伝えさせていただきます(笑)